金髪×2
次の日は土曜日で、頭の痛みで目が覚めた。ベットから出るために立ち上がったが酷い立ちくらみに襲われてその場に倒れ込むようにうずくまる。寝起きの回っていない頭は光のことを思い出す。二日連続で会ったが今日は休日。光はまた線路にいるのかな。
足音が聞こえる。ギシギシと床が悲鳴を上げている。ということは姉ちゃんだ、そう思うのと同時に、乱雑に扉を開ける音が聞こえた。
「たいよう!あたし家出るよ!」
高く結ばれたロングの髪の毛に元の顔が分からないぐらい濃いメイク、腹が痛くならないか心配な丈の服。これが俺の姉、林田朱音だ。
「………はーい」
「何よアンタまた体調悪いの?」
「わるいよ…」
「そう、薬飲みなさいよ。あ!優希は図書館、あたしはバイトの後すぐ帰るから!」
「にーちゃんまた図書館かよ…」
「みたいよ!じゃバイト遅れるから!鍵閉めよろしくー」
嵐のように現れ、嵐のように去っていく…正直高い声が痛む頭に響いてズキズキしたが、少し気分は晴れた。そういうねーちゃんが居るからこそ三人の生活が上手くいっている部分はあると思う。ドタバタと靴を履きながら帽子を被るねーちゃんの姿を横目で見ながらキッチンに向かってのろのろ歩く。冷蔵庫からペットボトルを取り出し、机に置いてあった薬を口の中に入れ、水を一気に入れて飲み干す。
冷たいものが喉に流れている感覚に心地よさを覚える。まぁ腹を壊す確率が上がるのでたまにしかやらないが。顎から伝った文字を寝巻きの裾で拭く。
時刻はもうすでに十時をまわっている。二度寝しようと床に寝転んでみるも水とねーちゃんの声のせいで目が冴えて眠れない。
仕方なくお下がりの寝巻きを脱ぎ、手触りの良いTシャツに着替えて外に出る準備をする。美容意識の高いねーちゃんにぐちぐち言われるのでにーちゃんと俺はちゃんと顔を洗って化粧水?を塗る。(ねーちゃんに渡されたやつを手順通りに塗っているだけなので効果は分かっていない)櫛で 髪をとき、寝癖を治す。寝方のせいか既に分け目で分けられているのでその通りに髪を流す。
髪が終わったら腕時計をつけ、財布とスマホをそこら辺にあったバックに入れる。ガスの元栓を確認した後、家を出る。
薬が効いてきたのか家より足取りが軽い。数分歩いたところで、見慣れた金色が立ち止まっているのが見える。昨日みたいにならないように、少し身構えながら近づいていく。輪郭が段々はっきりとしてくる。金髪が、
……………二人?
「え!?」
二人が同時に振り返る。光と、知らない金髪の男。この男は…?




