7 ポイント・オブ・ノーリターン
工藤本部長の話は一言で言えばオカルトだ。
1300年・日本だと第一期南北朝時代前・青木ヶ原樹海に異世界より、ビアンコと言う長寿で力が強い一族の最後1人のドラドと、アズーロと言う長寿の一族の最後の1人の妻ゾフィーが1人の眷属と2人の下僕を連れて追われて来た。
「吸血鬼みたいなのをイメージして下さい」
「血を吸うんですか?」
「ビアンコとアズーロは月数滴で人以外の血液でも大丈夫ですが、眷属と下僕は月1リットルぐらいですね。この眷属と下僕は快楽で人を殺し、人の血を好みましたが主人が嗜め、死体を漁っていたようです」
「ビアンコ?アズーロ?白と青ですか?」
「白い目と青い目をしています」
「なるほど、かまれた人は吸血鬼になるんですか?」
「ここでは便宜上吸血鬼と言っていますが、ちょっと違います。ビアンコ・白目は人間の2倍ぐらい増しの身体能力の眷属を1体作れます。その眷属はと言うと、人間の死体をベースに造魔の下僕を2体だけ作り出せます。
造魔は人間の40%増しの身体能力です。
その眷属と造形が人を噛むとランダムで屍鬼になり人を襲います。屍鬼になる確率は3%ぐらいです。眷属・造魔・屍鬼はロッソと呼ばれています」
「ロッソ?赤い目だからですか?」
「そうです。我々は、赤目と呼んでます」
「やはりアズーロ・青目も眷属作れるんですか?」
「我が国の呼び名、白目・青目・赤目と呼ばせてもらいます。青目は一人だけ眷属を作れますが、青目の眷属は造魔を作れませんし血も不要です。」
「は?じゃあ青目の眷属の特長は?」
「眷属は主を守る為に力が強くなるぐらいです、寿命は人間とほぼ同じです」
「青目って弱くないですか?」
「さすがに高等種なので白目の眷属より身体能力は上です、あとはかなり強力な結界防護術を得意とします。白目は攻撃で青目は防御って感じですね」
「映画とかであるけど、人間と吸血鬼の間に出来た子は強いとか?」
「人との間に子供は出来ません。白目一族は青目一族とで無ければ子供は出来ません。生まれる子は白・青半々です」
「は?それは種として近い将来淘汰してしまうんじゃ無いですか?」
「そう思います絶滅寸前ですね。子供は母親のお腹から生まれるまで600年ぐらいかかるそうですよ」
「赤目は吸血鬼・バンパイアと思って良いですよね?」
「その認識であってます。我々も赤目は吸血鬼・バンパイアと呼んだりしますから」
「今、白目と青目と赤目はどうしているんですか?」
「ここからがちょっと込み入ってます。白目はこの世界に来た時にすでに手負いでした」
「不老不死と言う訳では無いんですか?」
「寿命はよく分からないのですが、刀などの刃物攻撃はまあまあのダメージ受けますよ」
「銃は?」
「あまり効果無しですね」
「銀の弾でも?」
「全く意味無しですね」
「でこっちに来て100年ぐらいで白目は死んだんですよ。主が死ぬと精神支配を逃れ眷属は独立するそうで、白目の眷属は下僕の造魔と共に人を襲い屍鬼を増やして行ったんですよ」
「赤目達ですね」
「そうです、それを狩るのが佐和流河辺一族・四寒流合間一族・御霊神流荒下一族・御剣神流望月一族の4家です。このバンパイア・ハンターの四家は四門四家と呼ばれます」