12 明るい家族計画
「カミーユとエリーヌの監視役というのが、合間家の代々の役目って言う事かな?」
「どっちかって言うと私の仕事ね、そのサポート役ではあるはね」
「じゃあ本当の役目とは?」
「うん、最初から話た方が良いわね」
志乃の話はなかなかの衝撃だった。
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日本に来て100年近く経った。主人で白目ことビアンコ・ドラドが、向こうの世界で受けた傷により死亡するとカーミラの精神支配が解除された。
カーミラは白目の右腕を切り取り、自分が作り上げた造魔のカミーユとエリーヌを連れ出した。
日本を転々とし、人々を気ままに襲い食い始めた。
事を憂いだ青目アズーロ・ゾフィーは時の権力者と手を結び、彼らの血をつかい結界を張り日本国内に縛りつけた。
武辺者が討伐を躊躇する中、親族をカーミラに食われた四名の武辺者が名乗り出た。赤目狩りを専門業とし屍鬼狩りを行った。時の権力者はこの四流派を国で取り込んだ。これが四門四家の始まりである。
四寒流二代目・合間権左衛門は持ち前の勘の良さから、カミーユを捕獲しこれを餌にした。カーミラにあと一歩というところで逃してしまった。
激怒したカーミラは逃げた足で権左衛門一族を襲撃し、エリーヌと共に一晩で一族全員食い殺し、更に全員の首を竹に通しオブジェのように竹を突き立てた。
権左衛門は首を前にし血の涙を流した。
権左衛門は赤目を滅する為に更なる力を発し、青木ヶ原で異世界との穴をの結界を張っているゾフィーの元へ向かった。
ゾフィーの眷属になれば力は赤目より強くなる。だか青目の眷属の寿命は人と同じだ。
権左衛門は「何か手は無いのか?」ゾフィーに迫った。
そんな権左衛門に根負けしたゾフィーは、お腹の子が青目の女と分かっていたので、一つだけ可能性を示した。
「家族になる事」だった。
権左衛門をゾフィーの眷属になり白目ことビアンコ・ドラドの肉を、死ぬギリギリまで食べ身体に取り込む。
それから代々、子孫達に白目の肉を与え馴染ませていく。そうすると代を重ねる事に、身体の基礎が強靭になって寿命が伸びてゆく。
これを数百続け基礎身体能力を上げ、ゾフィーのお腹の子とツガイとなり身体の関係を結び、噛みつかれ眷属にしてもらうと進化が始まる。
そして高確率で白目へと存在進化を始める。
と言う事だった。
「ああ、じゃあ流派伝承試験の時の梅干しは、もしかして白目の肉かよ」
「そうね、私の父のお肉ね」
「やめろ何か想像しちゃうだろ」
「あらそう?」
「それにしても壮大な数百年に渡る計画だな」
「私は一生を共にするツガイを得る為だから、本当に待ったわよ。抱かれた時は本当に嬉しかったのよ?」
「まだ、眷属化はされて無いけど?」
「えっ!もしかして私の事嫌なの?」
「嫌じゃ無いけど噛むの?」
「そうね、じゃ首をパクッと」
「う〜ん・・・」
「なぁに?」
「その権左衛門って人が、子孫の道を決めちゃった勝手さに何とも言えない感じだなぁ」
「そうね、多分これ以上同じ思いをする人達を、一族の血を持って止めたかったんじゃなくて?」
「うん、そんな気もするから本気には怒れないんだよ。誰かがやらなきゃいけなくて、それが我々ってだけなんだけどね」
「人類に対する献身ね」
「そうだね、そんな権左衛門さんが、とても誇らしくもあるんだよね。良く言った!って思うしね」




