ミーシャとレーナ、そしてナナさんと、あと、ショタ!
ナナの顔に笑顔がパッっと咲く「ケイ君お帰りなさい」
ケイと呼ばれた少年は、齢は十四歳くらいで。日に焼けた健康的な体と白い歯が印象的だった「ナナさん、今日はジャイアントボアを狩ったぞ!」
「え? 凄いじゃないですか!」
「うん、そう思うだろう!」
「うんうん」
レーナはその少年を見て「あ、まずい…」とつぶやくが、すでに相棒はふらふらとその少年の横にいくと、足を組み「そう、ジャイアントボアを狩ったの」と流し目を贈る。
「え?」とケイ少年は、とつぜんあらわれた色気漂う女性を見る。
「ちょ、ちょっとミーシャさん!」と慌てた様子のナナをしり目に少年の耳に口を近付けてこうつぶやく「何かおごらせて」と。
「あー…」と何故かナナは、ため息混じりの声をあげる。
「いいのか?」とケイ少年はパッっと明るい笑顔をミーシャに向ける、ミーシャは眩しそうに目を細めて「ええ…」と言ってしまう。
「おーいお前らー!」と玄関に声をかけるケイ少年。
「このお姉さんがメシをおごってくれるってよー!!」
「「「「本当ですかケイの兄貴―!」」」」
「え? え? え?」と状況をまだ呑み込めていないミーシャをおいて話を進めるケイ少年。
「おう、このお姉さんがあのジャイアントボアを狩ったやつにおごってくれるってよー!!」
「「「「やったー!!」」」」
玄関からぞろぞろと入って来る少年と少女たち、呆然とそれを見つめるミーシャにナナが説明する。
「あのですね、ジャイアントボアを狩ったのはケイ君ではなくて、彼の指揮する冒険者志望のスラム街の子供たちでして…」
「子供たち?」
「はい、確か参加者は十八人です」
「十八人? 十八人!」
「今更無かったことには出来ませんねえ…」
「は、ははは……」
「一応、つけ払いが出来ますが」
「…お願いします…」
ミーシャは小さな声でそうつぶやく。
そんなに簡単には行きません、っというコメディー回です。ご感想等々お待ちしております。…出来ればブックマークもください。