過去・(ケイ&アルテア)
「ガキが酒を飲むんじゃねえ!」
酒場でベロンベロンに酔っぱらっていたケイの向かいに座った人物の、開口一番の言葉がそれだった。
「俺はガキじゃねえ!」そしてケイは今の自分の年齢と、今日、自分の母親の葬式を行った事、そしてこんな姿の為にまともな仕事につけず、母親に死ぬまで苦労をかけた事を初めて会ったその人物に話した。
その人物はたいして興味を示さずにその話を聞いた後、おもむろにこう聞いて来た。
「お前剣は使えるか?」
そんな問いにケイは激昂して「ふざけるな! こんな姿だが冒険者になって十年は経つ!」
そうケイが答えるとその人物は「だったらお前、勇者にならないか?」と言って来た。
翌日、頭痛をこらえて冒険者ギルドに入ったケイを待っていたのは、昨日会った人物と、その人物が持って来た“巨人退治”の依頼だった。
──結果はケイの圧勝だった。それもケイはかすり傷も受けずにアッサリと…。
「よし」その人物は満足して頷いて、ケイに次の仕事の依頼をしようとするが、ケイは。
「待ってくれ!」と言い、ケイはその人物にこう言った。
「三年、俺に三年の時間をくれ…」その人物は少し考えた後、ケイに三年の時間を与えた。
キッチリ三年後、その人物は“ヒドラ退治”の依頼を持って来た。
ケイはヒドラを退治した。だがその戦いはジャイアントの時とは違い苦勝と言っても良いモノだった。泥臭く、えげつなく、相手に有利を決して与えず、確実に相手の弱点を突く。苦しい勝ち方だった。
その人物はケイにもう一度聞く「お前、勇者になる気は有るか?」
傷だらけのケイは即答する「俺は勇者になんかならない」
その人物は苦笑して「わたしの名は、アルテア・アトラウス。お前の名前は何と言う?」
ケイとアルテアは地面に降り立った、幸いにも“天災級魔法”は空へ飛び立つことに集中しており、ケイとアルテアへの注意を怠っていた。
“天災級魔法”はそのおそらくは背中と思われる場所から膨れ上がった、大きな瘤から生える六枚の羽を振動させて十キ・メール(約十キロメートル)を不快な音で包む。
「…あれで本当に空が飛べるのか?」ケイは率直な疑問をアルテアへ投げる。
「…ああしているのだから飛べるんだろう、お? 本当に浮き上がった!」アルテアが言った。
確かに“天災級魔法”の足がクレーターの底にたまった汚水から引き上がって行き、空へと昇っていく。
「行かせん!」アルテアはそう言うと、クレーターを包むように魔法の壁を一瞬で作る。
「ケイ!」アルテアの声にケイは頷くと、手のひらをパンッと叩き合わせた!
今日2作品を載せるので、残りは2作品。
良くここまでこれたなあ、あと少し。
がんばるぞぉ!




