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天災級魔法、その3.

 “天災級魔法”の全長は、この地に生える杉の大木五十メール(約五十メートル)の三倍。

その“天災級魔法”の持つ六枚の羽の内、最長の物は“天災級魔法”の全長のさらに三倍もの長さを持っていた。

 一対で、およそ九百メール(約九百メートル)を超えていた! 本来ならばその様なバカげた大きさの羽(そうこれは“羽”なので、幅も必要なのだ!)は広げようとするだけで千切れてしまう。“天災級魔法”も含めて生き物の限界を超える大きさである、はずなのに“天災級魔法”

は二本の足で直立に立ち。一キ・メール(約一キロメートル)に届かんとする翼を有り得ない事に広げて飛び立とうとしていた。

「あれはどの位の被害を出すと思う?」ケイがアルテアに聞く。

「解かるわけ無いだろ!!」おもわずアルテアが切れた。

「“天災級魔法”の研究を進めていると言ってただろ? あんたならそれにどれ位の威力を与える?」

「…あの“天災級魔法”はただ突っ立っているだけで、直径七キ・メール(約七キロメートル)のクレーターを作り出した。わたしが造るならその威力を最長四日間もたせる」アルテアはそう言って更に付け足す。

「だが空を飛ぶとなると、その程度では済まない。ファルゴス王国とランダス王国の二ヶ国が消えるだけではない、おまけで北方山脈をイタイ、イタイ、イターイ!」ケイがおもいっきりアルテアの腕を噛んだ。

「なんてモノを造ろうとしているんだ! あんたは!!」ケイが大声をあげる。

「研究はしているが造る気はない! 今のところはだが。わたしが“天災級魔法”の研究をしているのは、さっきも言ったように“災害級魔法”を持ってしても“天災級魔法”は完全には止められないからだ。“天災級魔法”を止めるには“天災級魔法”の事を造れるぐらいの知識を最低でも持っていなければならない。“この中には罠があります”、と書かれた看板のあるダンジョンに明かりも持たずに入る奴は馬鹿者だ! 最低でも明かりを持って、どんな罠があるのか見て知っていなければ話しにならない!」アルテアはそう言い更に続ける。

「偶然に、偶然が重なって出来たとはいえ“天災級魔法”が理論上ではなく、現実に実現出来る事なのはケイ、お前にだって解かるだろう。何せその“天災級魔法”を今この目で我々は見ているのだから! 魔術の世界はこれから大騒ぎになるぞ! わたしの様な個人で工房を持っている様なやつだけでなく、国のお抱え魔術師達やマジックアカデミーの奴らだって飛び着いて来る。それだけ衝撃的な事なんだよ“天災級魔法”って言うのは!」フウ、とアルテアは息を付く。

「…どうする事も出来ないのか?」ケイは弱々しくアルテアに聞く。

「実は手はある」アルテアはニッコリと笑ってそう言った。

「え?!」ケイは驚きの声を出す。

「ようは、“天災級魔法”が手間と、時間と、カネがとんでもなくかかる割に、予想されていた程の効果が無いと思わせればいい。それならケイ、お前なら出来るだろ?」

 








本当にこの魔王様は、話しを何処へもっていこうとするのか

まあ、僕も楽しみにしているんだけどね。

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