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ミーシャとレーナ、その2.

「わたしの占いでもあの男…、名前は忘れちゃったけど、ミーシャ、あなたとの相性は最悪って出ていたじゃない…、それなのに…」

「あああ、あんなにも純朴青年の顔をしていたのに、二股―!」

 レーナはフードの中で大きなため息をついた、自分の相棒の年下趣味と、その男運の余りの悪さに(この女は何かに呪われているんじゃないか?)と半ば本気で思っている所だ。

 なにせ、ランダスで過ごした三か月間のあいだに言い寄って来た男は七人、自分から告白した男は四人、合計十一人が、付き合って最長三日目で、大修羅場の末に分かれているのだからたまらない。

「やっぱり男は年上よ!寛容で懐の深い、惚れた女の欠点なんて気にもしないような!!!」

「…レーナ…」ぐすん、と鼻をすするとミーシャは、

「そう言うことは、そのフードを最初から取って、相手の目を見つめながら告白してから言いなさい」

「くっ」

「大体さぁ、あなたの言う年上って何歳ですか? 十や二十じゃあ、あなたの角「ワー! ワー!!」」

 ミーシャの言葉を大声で遮り、その口を手でふさぐレーナ。

「そ、それ以上何か言うなら呪うわよ!」

「もう無駄だと思うけれどなぁ、ドラゴンウィッチムー! ムー!!」

 ミーシャの口をこれでもか、と手で覆うレーナ、だが周りの男たちは。

「あの露出の多い服を着ているのが、ミーシャ・レイン?」

「ああ、間違いない、ブロンドの髪と青い瞳、それ以上に体のラインが素晴らしい」

「…ということは、隣にいるのが…」

「この暑さでもフード付きのローブを脱がないところを見ると…」

「レッドドラゴンの角を持つ、レーナ・オズワルド?」

「あの、ドラゴンウィッチ、レーナ…」

 周りの男達が口々にそんな話を始めるとレーナは、ミーシャから離れ、フードの端をつかんで引っ張る、ビリッとフードが破れ、後頭部から真っ赤な竜の角が見える、ざわつく男達。

「う、うわーん!」泣きながらファルゴス王国の門をくぐっていくレーナ。

「あ、待ってよー、レーナ」と一人残されたミーシャが、レーナを追いかけようとすると。

「ああ、ミーシャ・レインも行ってしまうぞ」「一晩のお相手で金貨百枚が動いたという?…」

「なんだとゴラァ」おもわず愛用のメイスを振り上げるミーシャ、すると男達は。

「に、逃げろーミーシャが怒ったぞー」「あの、バーサーカーが?!」「ウワー!!」と男達は蜘蛛の子のように散って行く。一人ポツンと残ったミーシャは再び涙ぐみ。

「うわーん、レーナ!」と泣きながらファルゴス王国の門をくぐっていった。


ミーシャとレーナは、基本掛け合い漫才師です! それでいいのか!! と言われそうですが…、それがこの二人の良いところなんです!!!

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