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共闘、英雄と魔王。

“天災級魔法”は、しばらくその場所に立ち止まっていたが、それだけで“天災級魔法”の周りには大規模な破壊が起こっていた。

 一メール(約一メートル)もの厚さの皮膚だが、その内側を流れる体液の圧力は想像を遥かに超える、しかも直立する“天災級魔法”の心臓から足元へ流れ落ちる体液の速さはまるで滝のように速い。足の皮膚はあっという間にあちこちで裂け始め、高圧の体液が噴き出す。

 赤黒い体液が“天災級魔法”の足から辺り一面を破壊する。その高い腐蝕性を持つ液体はそこにある全てを腐らせ溶かして行く。草を、木々を、そして自分の立っている地面さえも“天災級魔法”を中心にして崩れ、まるで成長する巨大なクレーターのような地形を作り出す。

「レーナ、ミーシャを連れて空へ逃げろ!」ケイはそうレーナに命令する。

「わかったわ、けれどケイ様は?」レーナはミーシャを背中から抱きしめてケイに聞く。

ケイは真剣な顔で「あいつの敵は俺だ、だから出来る限り時間を稼ぐ!」

「「そんな!!」」ミーシャとレーナは声をそろえてケイに抗議の声を上げるも、ケイは。

「大丈夫だ、俺もバカじゃ無い、絶対に勝てないと分かったらさっさとこの地から逃げてみせるよ。何せこっちには『歩くはた迷惑』が付いているんだから」そう言って隣にいる人物の背中を叩く。

「歩くはた迷惑っていうのはわたしの事か? ケイ坊や」背中を叩かれたアルテアは不服そうな声で文句を言うが、顔はとてもうれしそうだった。

「う…、で、でも、本当に勝てないと思ったら、絶対に逃げてくださいね」そうレーナが言うと。

「そうです、絶対ですよ!」ミーシャそれにつづいて言う。

「わかっているよ、何せ、ミーシャとレーナとは…、いや、ナナさんも含めて四人で、深く何日も話し合わないといけない事が出来たことだしな」ケイはそう言って笑う。

「「! は、はいそうです!」」ミーシャとレーナは、声をそろえてそう言った。

 レーナが【飛行系】の呪文を唱えて空へ飛び立ち、強風の中を見えなくなるまでケイとアルテアが見送る。

 ツン、とアルテアの肘がケイの頭をつつく「…、何だよ?」ケイが文句を言うも、アルテアは人差し指でケイの体を。ツン、ツン、ツン、とつつく。

「逃げる気なんて無いくせにぃ、この坊やは」ツン、ツン、とつつきながらアルテアはケイに笑いかける。

「それは、あんたも同じだろ?」ケイは鬱陶しそうに、アルテアの手をはらう。

「わたしは良いんだよ、負ける気なんて無いのだから」アルテアは笑って言う。

「それは俺だって、同じだ!」ケイはなぜか怒っていた。

「それじゃ始めるか。英雄、ケイ・カインゼル」

「ああ始めよう。魔王、アルテア・アトラウス」



 



さて、真打の登場です。

どんな戦いを見せてくれるのでしょうか?

お楽しみはこれからだ!

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