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超人対魔神信奉者、その2.

 三人の沈黙を破ったのは少女の声だった。

「お父様、この赤子を使いましょう、そうすれば我らの“神”もこの地に降りてくれます」

 美しいが氷のように冷たい容姿をしているその少女はさらに言葉をつづける。

「コーロ男爵の赤い月の夜に産まれた長男、その命を捧げれば、我らの“神”は必ずやあの…」

 そこまで言った少女の近くを何かが走り過ぎ「ごふっ!」と少女は血を吐いて初老の男にもたれかかった。

「カーラ!」

「馬鹿なことを口にするから自分の命を無駄にする」

 信じがたい速度で少女に接近して赤ん坊を奪還し、その腹を裂いたのは追跡者の男だった。

 男は左手に眠り続ける赤ん坊を抱き、右手で握った剣についた血をはらう。

「おおお、おのれー」

 お父様と呼ばれた”神官“はこの追跡者を睨むことしか出来ない自分を恥じた、その胸の中で少女はなにかをつぶやく。

「……そうだな……それがいい」

 少女は微笑んで見せた、その表情はとても麗しさを感じさせるものだったが、話の内容は途轍もなくどす黒かった。

 “神官”はローブの中から青銅の短剣を引き抜き、娘の胸を裂いた。

「我、ネィガールが我が娘の心臓を捧げて願い奉る、我らが“神”よ、今ここに具現しあの愚かなる男に死を与えたまえー!」

 その瞬間、空間が裂けた、赤黒い裂け目からは、何かの叫び声、あるいは呻き声が響く、ネィガール達が捧げ続けてきた、生贄の断末魔の中にそれはいた。

「デーモンかよ、それも酷い臭いだ、良くあれを“神”と崇められるな」

 ネィガールはうやうやしく自分の娘の心臓を使い、呼び出した“神”に呼びかけた。

「我らが“神”よ、あの男が…」

「カインゼルだ」

「……は?」

「俺の名前はカインゼルだ!」

 ネィガールは信じられなかった、敵になる『魔術師』や『神官』に例え偽名でも名乗ることが、どれだけ危険なことかこの男には分からないのか? だがそんなことなどお構いなく、追跡者は話しを続ける。

「俺の名前はカインゼル、デーモンよ、お前に”死“を教える者だ!!」

そう言うとカインゼルは、赤ん坊と剣を自分の後ろに隠すように地面に降ろすと、足を踏ん張りデーモンに向かって。

パンッと、手のひらを打ち鳴らした。


…久しぶりなので、上手くいかない。1時間もかかった…。出来ればもう1話、今日中に投稿したい。

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