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カルーン男爵領、その2.(──この世界の神秘について)

 仕方なく、カルーン男爵とコーロ男爵は、お金を出し合い。使用人兼騎士(つまりお抱えの私兵である)に武器と鎧を支給して、カルーン男爵家から四十六人、コーロ男爵家から七十八人、そして新たに雇った傭兵三十六人(最初傭兵志願者はこの三倍はいたが、戦う敵が死を恐れない魔神信奉者と知ると、どこかへ逃げてしまった)合計百六十人集めた。

 コーロ男爵家の私兵が多いのは、前回の襲撃事件で懲りたコーロ男爵が、国内の戦える使用人を集めまくったからである。

 それでも百六十人…。圧倒的に少なかったが、これ以上は無理だった。

 そこでカルーン男爵はコーロ男爵へある提案をした「もう一度カインゼルの協力を仰げないか」と、だがコーロ男爵はこう言ったという「…やめておけ」

 だがカルーン男爵はこのままでは負ける、と考え単独で使者をギルドへ送りカインゼル派遣の確約を手に入れた。カルーン男爵は大いに喜んだが次に届いた書簡で落胆する「カインゼル死す」コーロ男爵の怒ったこと。そして国王陛下のお怒りにカルーン男爵は震え上がったという。


 話しは変わるが。この世界には神や、魔神や、精霊が存在している。そしてそれら神秘の存在は殺しても世界には大した影響は無い。大気の精霊を殺しても世界から空気が無くなる事など無いし。大地の精霊を殺しても地面が消える事も無い。

 ましてや太陽神を殺してもこの世界から太陽が無くなる事など無い。

 そして、神や、魔神や、精霊は殺されても、あっさりと復活する。これも当たり前で水の神が殺されても、その死を目の前で見ていなければ。この世界から水が消えて無くならない限り、水の神が殺されたなんて誰も思わない。目で見ておらず、水が無くならない以上誰も水の神が死んだなど信じない。死を誰も信じなければ、神秘は死なない。よって水の神は復活する。

 神秘とはそう言うものだ。

 なら多くの信者の見る前で殺されたなら? 少ない信者数のマイナーな神にはそれは大問題だ。もう一度言おう神秘は何度でも復活する、だが、多くの信者は計り知れない衝撃を受ける。

その神の存在する意味や、信奉に値するかを疑われた神秘はその力を落としてしまう。

 “あなたの神とわたしの神、どちらが強いかだれが決めるのだろう”

 この世界では神秘の力はその信者が自分の目で見てはかることが出来る。あの神秘には及ばないが、この神秘には勝てると……。

 だから、神や、魔神や、精霊は殺されるのを恐れる。殺されれば力を失っていくのだから。路傍の石を敬う者などいない。だから神秘は自分の熱心な信奉者には力で答える、信者の祈りは神秘の力の元、だから神秘はその力の使い時も考える。簡単には大きな力は使わない、だが使うと決めれば大いに使う。神秘は忘れ去られる事を嫌う、先ほども言ったが、路傍の石を敬う者などこの世には存在しないのだから。


 




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