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カルーン男爵領、その1.

「という事で、この三人がパーティーを組んで、カルーン男爵領へ魔神信奉者の討伐に向かいます」

 ナナは、カルーン男爵の使者である中年男性にそう説明する。が、中年男性は昨日から今日の間に、何があったかの方が気になる。

 長椅子に座る三人の関係はとにかく、大幅に変わっている、中年男性にはそう見える。二人の美女に挟まれた…、いや、侍らせているとんでもない少年、そう見えてしまうのは、自分の心に不順なものがあるからだろうか(その割に少年は少し居心地が悪そうだったが)。

「と、とにかく明日、我々の乗ってきた馬車でカルーン男爵領へ」いや、とケイ少年は中年男性の言葉をさえぎり。

「明日、馬車で帰るのはあなた方だけだ、そして帰る道で出会う人々にこう話して欲しい。『カインゼルと二人の仲間がデモニスト達を討伐に来る』と。」

 ハッとする中年男性は、不敵に微笑む少年を見る。そしてなるほどと思う、何処で誰が何人居るのか解からないのだ。だったらこっちから向かうのではなく、向こうから来てもらった方が効率的で良い。

 中年男性はこのギルドに来て初めて笑みをつくって「分かりました、我々は明日カルーン男爵領へ帰ります。多くの人にカインゼル来訪を話しましょう」

 そう言って立ち上がるとケイ少年に右手を差し出した。


 カルーン男爵領は北の山脈の麓にある。主な収入源は、銅の採掘と銅の生成だった。金や銀に比べてはそれ程の価値がある訳でもない。だが魔力の伝導率が無い鉄は、武器を魔力で強化する者の多い『魔闘士』やその上級職で、軍隊の華とも評される『魔騎士』には使いづらい。

 その為カルーン男爵の保有する銅鉱と領地にある村は、栄えていた。

 特に税金が払えずに、奴隷身分にされた者達には男女問わず人気があった、もちろん奴隷鉱夫になるものは命の危険にさらされるし、村で女性が出来る仕事も体を使うモノがほとんどだったが。

 だがある時からカルーン男爵領と、その領地と隣接するコーロ男爵領の中で怪しげな集団が暗躍し始める。この地を自分達の信奉する“神”の約束の地とすべく、魔神信奉者が信者を集め始めたのだ。

 最初は無視していたが。三か月前、コーロ男爵の子息が誘拐され、危うく生贄にされそうになり、偶然居合わせたカインゼルの手で救われる。という事件が発生した事により、カルーン男爵と、コーロ男爵の間で話し合いが持たれ。共同でデモニスト達の討伐が決定された。

 と言っても簡単に軍は動いてくれない。軍事予算には戦争でもなければ特別予算など付かないし、領土と爵位を持つ一族には建前上自衛の私兵を持つ権利があるため、自分達でなんとかしろ。と言っているようなものだった。

 


 






 

 


さ、寒いー! 家の中で凍えてしまう。冗談ではなく本当に!! 

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