表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
11/54

キレてる女とあわてる少年。

 翌日、二人は冒険者ギルドへ顔を出す。昨晩の大喧嘩で宿屋に結構な被害を出してしまい、その弁償金を払わなければならなくなったのだ。…流石に壁に大穴をあけてしまったのは、やり過ぎだ。そのほかにもカインゼルの所在確認などをギルドから始めるのも勿論ある。

「だめだ!」と中年男性の大声がギルド内に響く。

「どうしてさ!」というケイ少年の声が後に続く。

「お前じゃあ若すぎる、こっちだって金を払うんだ! ちゃんと出来るやつに依頼したい!」中年男性はそう言ってケイ少年を改めて見て、フン! と鼻を鳴らす。

「俺、これでもあんたの依頼には一番あっているんだぜ?」ケイ少年はそう言い、中年男性を見上げる。

「確かにケイ君ではあなた様のご依頼には、若すぎるかもしれませんが。こちらとしても依頼内容を確認したうえでケイ君を推薦したいと思います」とナナは中年男性にケイ少年を押す。

「こんな小さいのにかね?」中年男性はナナに、率直な疑問を投げかける。

 ナナはそっと視線を逸らし「まあ、小さいのは否定しませんが」

「ナナさん、喧嘩売ってる?」と、ケイ少年。

 ミーシャとレーナは、玄関から中をうかがって三人のやり取りを見る。レーナはミーシャに向かって「助けないの?」と聞く、するとミーシャはウーンと唸り。

「もう少ししてからの方が、感謝してもらえるような気がして待っているんだけどなー」と結構、外道のようなことを言うミーシャ。

「ええい、うるさい!」と中年男性はケイ少年を怒鳴りつけ「その若さで一人前なことを言うな、親は何している」

「親は墓の下だよ!」

「あ」とレーナは何かが切れる音を幻聴する。が、すでにミーシャは中年男性の前におり、殴り飛ばしていた後だった。

「アーァ」レーナはため息混じりでギルドの中へ入るが、切れたミーシャは中年男性の襟首をつかみ、もう一撃を繰り出そうとする。

「待ってくれミーシャさん」ケイ少年はそう言いミーシャの拳を両手でつかむ。

「はなして、ケイ…」低い声でつぶやくミーシャ。

「俺のことで怒ってくれるのはうれしいけど、ギルド内での殺人は重罪だから!」

「…なら、半殺し…」

「そういう事じゃあなくて!」

 そんなやり取りの中、静かにミーシャへと近づいたレーナはミーシャの耳元で。

「それ以上やると、ケイ君に嫌われるぞ」とささやく。

 中年男性の襟首をつかんでいた左手がパッと開かれ、ドスンと中年男性は床に腰を打つ。

ケイ少年は安堵のため息をついた。

  


11話でした。いやー、まだ11話と言うべきか、もう11話と言うべきか悩みますねー。

ブックマークや、感想等々お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ