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39話 春町奏の素敵なお姉ちゃん計画

 瑠璃華ちゃんとお姉ちゃんが部屋を出て行った後。私は、ベッドに倒れ込んだ。


「つ、疲れた……。はぁ……ついにやっちゃったよ……もう後には戻れない……」


 私の最初の目標は達成した。思いのほか上手く行ったけど……。


 上手くいったのは、私が2人の優しさに付け込んでいたから。罪悪感はあるけど、これで良かった……はず、だよね? 


 私がこんなことをしているのは、私が瑠璃華ちゃんを入学式の日に見かけたのが始まりでした。


 瑠璃華ちゃんを一目見た時、私はこの子をお姉ちゃんとして甘やかしてあげたいと強く思ってしまいました。それから、瑠璃華ちゃんと仲良くなるために色々と調べていたら。


 なんと瑠璃華ちゃんは、お姉ちゃんの働いているメイド喫茶の常連でお姉ちゃんと、とても仲が良い事を知りました。


 その時、私は先を越されてしまったと思いました。


 だけど、よく考えたら瑠璃華ちゃんと友達になって仲良くなったとしても、お姉ちゃんとして甘やかせない。甘やかせたとしても、それはごっこであって、本当のお姉ちゃんでは無いんです。


 どうしたら良いのかと私は考えました。ですが、どれだけ考えても答えは出ませんでした。


 そんな時にです。一年生の間でまるで恋人同士のように、仲の良い2人がいると言う話を聞いた私は興味本位で調べてみると。その2人はまるで恋人みたいと言うか、ただの愛し合っているカップルでした。しかも、その2人は瑠璃華ちゃんの友達でした。


 そんな2人を見て私は思いついたんです。瑠璃華ちゃんとお姉ちゃんを付き合わせて恋人同士にして、最終的には……。そうなってしまえば、私の願いが叶うのでは? あのお姉ちゃんが、あんなに気に入っている子なんですから、恐らくは……。


 そう思った私は計画を考えていたんですけど……ある時、お姉ちゃんがこの世の終わりのような表情をしていた時がありました。その後、一週間ほどその状況が続いた時は、瑠璃華ちゃんと何かあったんじゃないかと思いました。


 私の計画が始まる前に破綻するのかと、お姉ちゃんのことを心配しながらも不安になりましたが。その後、今まで以上に上機嫌のお姉ちゃんになっていて安心しました。


 そして、私は計画の前に瑠璃華ちゃんに少しだけでも意識して貰えたらいいなと思い。ある時、図書室の前で瑠璃華ちゃんとぶつかって意味ありげに瑠璃華ちゃんの名前を呼んで立ち去った訳です。


 そのお陰かすれ違いざまなどに、瑠璃華ちゃんが私のことを見てくれました。まぁ、大体はお姉ちゃんの妹だからと言う点が大きいと思いますけどね。どんな理由であれ意識してくれることが大事なんですよ。


 瑠璃華ちゃんに初めて接触を試みた日、お姉ちゃんが大事そうにペンギンのぬいぐるみを抱えて帰って来た時、もうこれは行くしかないのでは?


 そう思い少し時間は掛かりましたが、瑠璃華ちゃんにアプローチした訳です。


 まぁ、計画といっても瑠璃華ちゃんとお姉ちゃんを出来る限り、一緒にしようと言うシンプルなモノですけどね。それと、私が瑠璃華ちゃんを甘やかせば、お姉ちゃんが嫉妬してもっと瑠璃華ちゃんを意識してくれるでしょう。そして、私も瑠璃華ちゃんを甘やかすことが出来る。これは、とてもお得としか言いようがないですね!


 問題は瑠璃華ちゃんなんですが……。瑠璃華ちゃんは、私が見る限り。お姉ちゃんにかなり懐いています。


 でも、瑠璃華ちゃんに対して私が出来る事なんて、遠回しに意識させるか、お姉ちゃんと一緒にいる時間を用意するぐらいです。あとはお姉ちゃん次第なんですけどね……お姉ちゃんはヘタレになる時がありますから。その時は、私が何とかすることにしましょう。


 さて、瑠璃華ちゃんとお姉ちゃんを約束通り、学園でもあまり人目を気にせずに会えるようにしないといけません。友達の玲奈と凜々花に協力して貰いましょう。あとは……まぁ、何とかなるでしょう。


 学園でのことは良いとして、2人を出来る限り一緒にするには、どうすればいいのか? 考えましたが、やっぱり夏休みだよね。夏休みには、瑠璃華ちゃんの誕生日がありますし。その前に、別荘に瑠璃華ちゃんを誘ったり、夏祭りとかもいいですね。瑠璃華ちゃんに夏休みの予定を聞いて、2人のために色々と準備した方が良いかも知れません。


 そうです、そうです。7月は私の誕生日。お姉ちゃんには悪いですが、誕生日の日には瑠璃華ちゃんにお願いして私の願いを叶えてもらえるように頼んでみましょう。瑠璃華ちゃんには、メイドだけではなく。妹属性の素晴らしさを味わって理解してくれたら嬉しいですね。


 ふと、私は壁に掛けられた時計を見る。


 う~ん。まだ、お姉ちゃんの部屋に行くには早いですね。もう少し部屋でゆっくりするとしましょうか。


 タイミングを見て、お姉ちゃんの部屋に行くとして、その後は2人にある提案をしましょう。


 私の提案に対してお姉ちゃんなら、対抗して行動するでしょう。ヘタレになることもあるお姉ちゃんですが、やる時にはすごく積極的になるのが、私の愛するお姉ちゃんですからね。


 私は、物語でいう主人公でも、ヒロインでも無く。少しだけ自己主張が強い脇役ぐらいが丁度良いのかも知れませんね。


 私の夢見るステキな計画は始まったばかり……私の一方的な願望の押し付けとも言いますけど……。


 まぁ、最終的には瑠璃華ちゃんとお姉ちゃん次第ですけどね。あの2人には幸せになって欲しいですけど。一体どうなることやら……。

あけましておめでとうございます。

そして、ブクマ・評価・感想など、ありがとうございます。

今年も『実は私が通っているメイド喫茶の推しが生徒会長だった!?』をどうぞよろしくお願いします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 奏が2人の関係を壊そうとしてなくて良かった。 何かのタイミングで奏が瑠璃華を甘やかして遥が妬く。良さそう。 [一言] やっぱり奏ちゃんが狙ってるのは義妹ルートでしたか
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