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32話 謎の女子生徒の噂

 七菜香先輩から相談を受けてから数日経ちました。どうやら、七菜香先輩は怜先輩と話をしたようで無事に、先輩と後輩の関係ではなく、友人としての関係を築けたみたいです。いや~よかった、よかった。


 ところでわたしは今、恵梨香と凛子と一緒にお昼を食べているんですが、恵梨香が思い出したかのようにわたしに話しかけてきました。


「そういえば、瑠璃華。最近、放課後に現れる謎の女子生徒の噂って知ってる?」


 放課後に現れる謎の女子生徒? そんな話、聞いたことないんだけど……。幽霊とか出るのこの学園?


「え、なに? 怖い話?」


「多分違うと思うけど……。一応、足があるらしいから」


「それで、どんな噂なの?」


「それはね……放課後にこの学園の制服を着た、学園の生徒ではない女の子が現れるらしいのよ。話しかけようと近づくと、何処かに逃げて行くらしくて、誰もその子と話したことが無いんだってさ」


 学園の生徒じゃない人間が、放課後に現れて話しかけようとして近づくと、逃げて行く……か。まぁ、誰かのいたずらだとは思うんだけど……気になる。遥先輩は、知ってるのかな? 会った時にでも聞いてみよう。


「そんな噂があるんだ。まぁ、たぶん。誰かのいたずらだよ」


「そうだよねぇ~。いたずらにしても、何がしたいのかわからないけど」


 放課後に現れる、謎の女子生徒……どんな子なのか、少し会ってみたいかも……。まぁ、そんな都合よく会える訳ないよねぇ~。



◆◆◆



 な~んて思っていたわたしですが……放課後、生徒会室へと向かっていたわたしが図書室の前を通り過ぎようとしたら……。


 図書室の扉が開き、誰かが出てきた。


「あっ! こんにちは~」


「えっ! は、はい。こんにちは……」


 図書室から出てきたのは、わたしより背が低めのショートカットの活発そうな可愛らしい子でした。わたしと同じ一年生みたいだけど……こんな子……いたっけ? もしかして、この子が……噂の……。


「あっれぇ~、どうしたんですかぁ~。わたしの顔になにか付いてますかぁ?」


「い、いえ。あの~あなたは……この学園の生徒……だよね?」


「ふ、ふ、ふ。それはどうでしょう」


 イタズラっぽく笑う謎の女子生徒を見て。やっぱり、この子が噂の……。まさか、本当に会えるとは思わなかった……ど、どうしよう……。


「なんで、こんなことをしてるの? 噂になってるけど……」


「ん~それはですねぇ。まだ、言えないかなぁ」


 この感じは、これ以上聞いても答えてくれないやつです。しかし、まだとは何でしょう……気になります……。


「ん~やっぱり……いいねぇ。すごくいい……気に入るのも納得だね。うんうん……わたしもしたいなぁ」


 謎の女子生徒が、わたしのことをすごく見てるし、なにか呟いているけど聞き取れないや……しかし……一体、何者なんだろうかこの子……。


「あの……わたしになにか?」


「ふ、ふ、ふ。気にしないで下さい……」


 悪い子には見えないけど……そういえば、この子……何処かで会ったような気がする。わたしがそう思っていると、誰かがわたし達の方へと向かって来ているようです。


「う~ん。どうやら今日はここまでみたいですねぇ。じゃあわたし、行くんで! また会いましょうね、瑠璃華ちゃん。では、さようなら~」


 そういうと、謎の女子生徒は逃げるように走り去って行った……。一体、あの子は何がしたいんだろう? 


 そういえば、話しかけようとしても、逃げて行くらしい謎の生徒とわたし会話してるじゃん! しかも、向こうから話しかけてきたし……なんでわたしとは、話をしたんだろう? それに、なんでわたしの名前を知っているの……なんか急に怖くなってきたんだけど……。


 そんな疑問と少しの怖さを抱きながらわたしは、足早に生徒会室へと向かった。



◆◆◆




 生徒会室にやって来たわたしは、遥先輩にさっきあった出来事を話すことにしました。


「遥先輩、謎の生徒の噂って知っていますか?」


 それを聞いた遥先輩は困った表情をしました。


「え、ええ……知っています……ついに瑠璃華さんにも伝わってしまいましたか……」


 最後の方は、聞き取れませんでしたけど、やっぱり知っているみたいです。


「やっぱり知っていたんですね。実は、ここに来る前にその子に会ったんですよ」


「あぁ……」


 遥先輩が頭を抱えて大きなため息を吐きました。大丈夫でしょうか?


「あの……遥先輩? 大丈夫ですか?」


「はい、だ、大丈夫です……やっぱり、あの子……瑠璃華さんを……あぁ……」


「遥先輩? なにか言いましたか?」


「えっ! いえ! な、なんでも無いですよ。取り合えず私もその子を見かけたら、話をしますので瑠璃華さんは、あまり気にしないで下さい」


「はい……わかりました」


 なんか……今日の遥先輩は様子がおかしいです……何か知っているのかも知れません。でも、遥先輩が気にしないでと言っているので、今は気にしないでおきましょう……流石にもう会わないよね……。


 あの子が最後にまた会いましょうって言ってたけど……。

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