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25話 甘え瑠璃華に、翻弄された遥は……

 足早にキッチンへと入った私は、顔が熱くなっているのを感じながらしゃがみ込む。


「うぅ……まさか、あんなことになるなんて……」


 落ち着いてきたと思っていたけど……思い出したら、またドキドキしてきました。


 今日の日のために、色々と想定していたつもりなんですが……まさか、瑠璃華さんがあんなに甘えてくるなんて、思いませんでした……。


 完全に主導権を瑠璃華さんに握られてしまい。私は、瑠璃華さんに言われるがままでした……けれど、瑠璃華さんがとても気持ちよさそうでしたし。これで良かったのかもしれません。


 でも、あの状態の瑠璃華さんを、私は完璧に甘やかすことが出来なければ、これから先、瑠璃華さんの願いを叶える事なんて出来ないでしょう。私は、あの状態の瑠璃華さんに慣れないといけません。そうしなければ、先ほどのように、一方的に甘えてくる瑠璃華さんに対応できずになすがままです。


 あとで機会を見てもう一度、瑠璃華さんに抱きついて貰いましょうか……瑠璃華さんがしてくれるかは、わかりませんけど……。正直言いまして、あの状態の瑠璃華さんを甘やかすのは、かなり大変です……主に精神的な意味でですが……。


 でも、これも今後のために必要なことです。それに、甘えてくる瑠璃華さん……とても、可愛いんです。普段から可愛らしい子ですけど、あの状態の瑠璃華さんは、声や話し方に柔らかさを感じます。それに、瑠璃華さんがぎゅっとして欲しいと言ったのでやった訳ですけど……すごく安心すると言いますか……あのまま、ずっと抱きしめていたいと思ってしまう気持ちになるんですよ。瑠璃華さんは、本当に魅力的な子です。


 とりあえず、私が目指すべき目標は、甘えてくる瑠璃華さんを完璧に甘やかすことです。そのためには、瑠璃華さんと積極的に接していくのが良いでしょう。


 そうと決まれば、今はお腹を空かせている瑠璃華さんのために、昼食を用意しなくてはいけませんね。


 私は、立ち上がり炊飯器を確認する。良かった、まだ残っていますね。念のために、パックご飯を用意していましたけど、大丈夫ですね。一応、瑠璃華さんに確認してからにしましょう。


 私は、リビングにいる瑠璃華さんに声を掛けようとキッチンから顔を出すと……瑠璃華さんが顔を抑えながら、唸っていました……その顔は少し赤くなっている様に見えます。恐らく冷静になって、恥ずかしくなっているのかもしれません。


 話しかけづらいですが、聞かないといけないですし……。


「あの、瑠璃華お嬢様。聞きたいことがあるのですが、よろしいですか?」


「ひゃい!? な、なんでしょうか?」


 私の声を聞いた瞬間……瑠璃華さんの体が跳ねました。驚かせてごめんなさいと心の中で謝る。


「炊飯器の中の御飯を使いたいのですが……使ってもいいでしょうか?」


「は、はい! ど、どうぞ、ハルの好きなように使ってください。お、お昼楽しみにしてますかりゃ……あぁ……」


「わかりました。それと、瑠璃華お嬢様……先ほどの事は、あまりお気になさらないで下さい。私が、遠慮しないで下さいと言ったんですから」


「は、はい……」


 まだ、少し気にしているようですが、お昼を食べたら落ち着くでしょうし、早く用意しましょう。私は、冷蔵庫から買ってきた食材を取り出して、調理を始める。


 私は、今日の日のために、瑠璃華さんが喜んでくれる料理を考えました。瑠璃華さんは、メイド喫茶に通っていた人です。だから、あの料理なら瑠璃華さんは、喜んで食べてくれるんじゃないかと頑張って練習しました。


 瑠璃華さんが私の料理を美味しく食べてくれるところを、想像しながら調理を進めていく……。


 よし! 出来ました。瑠璃華さん好みの味に、なっているのかがわからないので、不安ですけど……見た目は、お店で出されるような感じに仕上がりました。


 瑠璃華さん、喜んでくれるといいんですけど……それに……恥ずかしいですが……あれをやってみましょう。これも、瑠璃華さんに喜んでもらうためですから……頑張れ私!


 私は、リビングにいる瑠璃華さんを呼びにキッチンを出た。


 瑠璃華さんは、少し落ち着いたようで、顔も赤くなくなっていました。


「瑠璃華お嬢様。お昼の用意が出来ました」


「あっ! 出来たんですね。どんな、料理を作ってくれたか楽しみだな~」


「ふふ、瑠璃華お嬢様のために、腕によりをかけました」


 瑠璃華さんが、喜んでくれると嬉しいな……。

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