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19話 生徒会役員は『Stella』の従業員

 遥先輩と、以前以上の関係になることが出来た日の翌日。


 問題が解決したお陰で、バッチリと睡眠を取ることが出来ました。本当に良かった……。


「瑠璃華、お昼一緒に食べよ。ふふ~ん、昨日より顔色がかなり良くなってるじゃん。どうやら、問題は解決したみたいだね」


「どうなったのか……聞いていい? 瑠璃華」


 恵梨香と凛子がわたしの所にやって来た。


「恵梨香と凛子のお陰で、その人とちゃんとお話して、今まで以上に仲良くなれたよ。これも、恵梨香と凛子が相談に乗ってくれたからだよ。ありがとうね」


 本当に、恵梨香と凛子には、感謝しかない。なにか、お礼しないとね。何がいいかな? あっ! そうだ、バイト先のお菓子を買って、2人にあげたら喜んでくれるかも。


「そっか、仲直り出来たんだね。良かったじゃん」


「ふふ、そうなんだね……瑠璃華が元気になって良かった」


「恵梨香と凛子には、後でお礼するよ」


「いいって、いいって。困った時に、助けるのが友達でしょ。わたし達が困った時に、瑠璃華は相談に乗ってくれたらいいよ」


「そうだよ……私達、見返りが欲しくて、瑠璃華の相談に乗ってる訳じゃない……気持ちだけ受け取っておく……」


「でも……恵梨香と凛子のお陰で、その人とまた仲良くなれたから……えっと……じゃあ、お菓子。バイト先のお菓子を買って持ってくるから、受け取って貰えないかな?」


 わたしがそう言うと、恵梨香と凛子は……。


「はぁ……瑠璃華って、律儀なところあるよね。そういうところが、瑠璃華のいいところで、好きなところなんだけどね。わかったよ。でも、次からは、そんなに気をつかわなくていいからね」


「恵梨香の言う通り。瑠璃華は、少し気をつかいすぎる……いいところだけど、もう少し気を楽にしたほうがいい……それと瑠璃華がそこまでいうならもらうよ……あのお店のお菓子は、美味しいから……嬉しい」


 そう言えば、遥先輩にも言われた気がする……。まぁ、2人がお礼を受け取ってくれるみたいだし、よかった~。今日にでも、用意しよう。


 その後、恵梨香と凛子とお昼を食べていると、スマホにメッセージが入ったみたい。送り主を確認すると、遥先輩だった。どうしたんだろう?


『放課後、生徒会室に来てくれませんか? 紹介したい人がいます』


 遥先輩が、わたしに紹介したい人って誰だろう?



◆◆◆



 放課後。わたしは、生徒会室に向っている途中、図書室の扉の前を通った時、扉を開け誰かが出てきて、ぶつかってしまった。


「あっ! ごめんなさい。大丈夫ですか?」


「いっ、いえ……私こそ、ちゃんと前を見ていなかったんで、ごめんなさい……」


 わたしと、ぶつかってしまった。子は、メガネをかけた大人しそうな文学少女って感じの子でした。


「すいません……私、急いでいますので……ふふ、それでは瑠璃華さん、さようなら」


「は、はい。さようなら……」


 そして、その子は去って行った……ん? そう言えばあの子、なんでわたしの名前知ってるんだろう?


「あっ! 生徒会室に行かないと」


 わたしは急いで、生徒会室に向かった……。


 生徒会室の扉の前。わたしは、扉をノックすると。


「どうぞ、入って来てください」


 遥先輩の声がした。わたしは、扉を開け生徒会室に入る。すると、遥先輩以外に2人の生徒がいた。生徒会の人だろうか? でも、この2人見たことが……あっ!


「レンとナナ……さん。なんで、ここに?」


 そう……目の前には、『Stella』で何度も会ったことがある。制服姿のレンとナナがいた。


「あはは! 驚いてる、驚いてる」


「はぁ、怜先輩。わざわざ、ウィッグと眼鏡をつけて驚かせようなんて……」


「いいじゃん、驚いてくれたようだし。満足、満足」


 そういうと、レンさんは、ウィッグとメガネを外した……見たことがあると思ったら、副会長じゃないですか! まさか、レンさんが副会長だったとは……もしかして、ナナさんも生徒会の人?


「えーと、瑠璃華さんでしたっけ? 驚いて、固まってますけど……」


「瑠璃華さん、大丈夫ですか。驚いたでしょう」


「え! あっ、はい。少し理解が追い付かないというか……驚きましたよ」


「じゃあ、瑠璃華ちゃん。私から、自己紹介させてもらうよ。私の名前は、鷲島怜。三年生で生徒会副会長だよ、よろしくね~」


 怜先輩は『Stella』で働いている時と、全然キャラが違う……ここまで、キャラを変えられるとは……怜先輩って、演技派なんでしょうか? 掴みどころのない人です。


「次は、私ですね。私の名前は、八宮七菜香。二年生で生徒会では、書記をやっているわ。よろしく」


 七菜香先輩は、綺麗な金色の髪で、『Stella』で働いている時の姿とほとんど変わりません。違うのは、ツインテールかそうでないかですね。


 わたしも、2人に自己紹介しないと。


「わたしの名前は、成瀬瑠璃華です。怜先輩、七菜香先輩、よろしくお願いします」


 わたしが、自己紹介をすると、遥先輩が話しかけてきた。


「瑠璃華さん、驚かしてしまってごめんなさい。私が瑠璃華さんとの問題が解決して仲良くなったと2人に話しましたら、怜が瑠璃華さんに、自分たちを紹介した方がいいだろうと言われまして……」


「そうそう、瑠璃華ちゃんと遥が友達になったって言うから、こういう事は、さっさと話した方が、面倒がなくていいからね」


「ええ、怜先輩の言う通りです。遥先輩みたいに、話が拗れるのは、面倒ですから。私も、遥先輩に私達を紹介するように提案しました」


「うぅ……七菜香さんは、手厳しいですね。はは……」


 痛い所を突かれた遥先輩は、苦笑いしていた。


「なるほど、それでわたしは、ここに呼ばれたんですね。でも、驚きましたよ。生徒会役員がメイド喫茶で働いてるなんて、誰も思いませんから」


「そうだろうね。私も、バレると色々面倒だから変装というかコスプレみたいなことやってるんだよね~。瑠璃華ちゃんには、バレても大丈夫だろうし。それに、なにかと顔を合わす機会もあるだろうから。ね、七菜香」


「そうですね。まぁ、私は別にバレても問題ないですけど、怜先輩は人気ありますから、怜先輩が『Stella』で働いていることが知れたら、店に生徒が殺到するかも知れませんし。瑠璃華さん、このことは秘密でお願いします」


「は、はい! わかりました」


「うんうん、瑠璃華ちゃんは、良い子だね~。あっ! バイトに行かないといけない時間だね~。七菜香、行くよ。じゃあ、瑠璃華ちゃん。さようなら~」


「あっ! 待ってください。怜先輩!」


 そういうと2人は、騒がしく生徒会室から出て行った……。本当に『Stella』とキャラが違うな~。そう思っていると、遥先輩が話しかけてくる。


「すいません。呼んでおいて……」


「いえいえ、レンとナナさんが生徒会役員だとは思いませんでしたよ」


「2人については、瑠璃華さんに話すべきか悩んだんですけどね。2人が紹介して欲しいと言ったので……急ではありましたが、来てくれてありがとうございます」


「問題ないですよ。ところで遥先輩、2人にはわたしたちの関係は友達だと話したんですね」


「はい、流石に。ご奉仕する、されるの関係とは、言えないですからね。それを、抜きにしても、瑠璃華さんとは、友達だと思っていますよ」


 遥先輩に友達だと言われ、わたしは、とても嬉しかった。


「友達ですか……遥先輩がそう思ってくれて嬉しいです!」


「ふふ、それは良かった。そうです! 瑠璃華さんこの後、お時間ありますか?」


「えっ! 大丈夫ですけど。どうしたんですか?」


「瑠璃華さん、友達らしくこの後、何処かに遊びにいきませんか?」

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