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18話 私の膝の上で眠っている後輩は、カワイイ

「おやすみなさい、瑠璃華さん」


 私の膝で、眠りについた瑠璃華さんの頭を優しく撫でながら、私は、瑠璃華さんに心の底から感謝する。


 瑠璃華さんと話をする勇気の無い、ダメな私に、瑠璃華さんが、メッセージを送ってきてくれたお陰で、私は救われました。私は、瑠璃華さんにお礼をしなければいけません。瑠璃華さんの願いを、全力で叶えてあげる。それが、出来るのも瑠璃華さんが、私を許してくれたからです。本当に良かった……。


 そう思いながら私は、気持ちよさそうに眠っている瑠璃華さんを見て……私は、カワイイと思った。その愛らしい寝顔を、見られる機会が、これから増えると思うと、つい笑みがこぼれてしまいます。

瑠璃華さんに、何をしてあげたら喜ぶんだろう? 定番は、耳かきとかマッサージ……料理でしょうか?


 ふふ、瑠璃華さんが、喜びそうなことを考えているだけなのに、とても楽しい……。


「すぅー……すぅー……」


 小さな寝息をたてている瑠璃華さんの頬を、私は指で軽くつついた……その感触は柔らかく、温かい……。


「んんっ……すぅー……すぅー……」


 おっと。いけない、いけない。瑠璃華さんが起きてしまいます。こんなに、気持ちよさそうに眠っているのに、起こしてしまっては可哀そうです。頬をつつくのは、やめましょう。


 しかし、瑠璃華さんは本当に、気持ちよさそうに眠っています。私の膝枕を、気に入って貰えたようでとても嬉しいです。今、私は制服ですが、瑠璃華さんのためにメイド服を着て膝枕をしてあげたら、瑠璃華さんはもっと喜んでくれるでしょう。私の家に招待……いや、妹がいますし、無理かもしれませんね。


 そういえば、瑠璃華さんは、一人暮らしでしたね。もし……もし、瑠璃華さんの家に、行くことが出来れば……メイド服で瑠璃華さんをご奉仕して甘やかせるのでは……。でも、どうすれば? うーん……あっ! そうです! 5月の中旬頃にでしたか、中間テストがありました。


 それを理由に、テスト勉強を一緒にしようと提案すればもしかしたら……。 瑠璃華さんの苦手な分野があれば、教えられますし、ご奉仕する機会ができるのでは……。うん! 提案してみましょう。これも、瑠璃華さんの願いを叶えるためです……。それと! ついでに、私の願いを叶えるためにです。あくまで、ついでです。


 そうと決まれば、瑠璃華さんを起こした後で、タイミングを見て、提案してみましょう。了承してくれればいいんですが……。


 時計を見ると、まだ少し時間があります。起こす時間になるまで、瑠璃華さんのカワイイ寝顔を見ていましょう。私は、寝息をたてて眠っている瑠璃華さんの頭をやさしく撫でながら、残りの時間を過ごした……。



◆◆◆



 あぁ……ついに、瑠璃華さんを起こす時間になってしまった。名残惜しいですが、瑠璃華さんを起こしましょう。瑠璃華さんに膝枕をしてあげる機会は、あるでしょうから。


「瑠璃華さん、起きてください。瑠璃華さん」


 私は、出来るだけやさしく瑠璃華さんを起こす。


「ふあぁ~。遥先輩、もう時間ですか?」


 瑠璃華さんは、大きな欠伸をして起き上がる。


「はい、気持ちよさそうに眠っていたので、起こすのは心苦しかったんですが、下校時間がありますから……」


「大丈夫です。遥先輩のお陰でよく眠れましたから」


 笑顔の瑠璃華さんが、そう言ってくれたことが、私はとても嬉しかった。


「それは、良かったです。じゃあ、瑠璃華さん、帰る準備をして帰りましょうか」


「はい!」


 私と瑠璃華さんは、生徒会室を出て、校門まで一緒に向かいました。


 よし、話すなら今ですね。


「そういえば、瑠璃華さん」


「なんですか、遥先輩?」


「5月の中旬には、中間テストがあります。もし、瑠璃華さんが良ければですが、テスト期間に入ったら、テスト勉強を一緒にしませんか? わからない所があれば、教えますよ」


 瑠璃華さんは、少し考えた後……。


「いいですよ。そうだ! その時は、わたしの家でどうですか? 1人暮らしですし、ちょうどいいと思います」


 よ、よかった……断られなくて。しかも、瑠璃華さんが家に誘ってくれるとは……。


「いいんですか。私の家には、妹がいますし助かります。では、予定は後日決めましょう。それでは、瑠璃華さん。さようなら」


「はい! 遥先輩、さようなら」


 家に帰った私は、今日の出来事を思い返していた。瑠璃華さんに許して貰えた上に、瑠璃華さんにご奉仕できる……。私が、夢見たことを実現できる日が来るとは、思っていませんでした。


そして、瑠璃華さんに膝枕をしてあげることが出来ました。ふふ、瑠璃華さんの寝顔……可愛かったなぁ。また、いつか出来るといいな……。


 そうです。テスト期間中に瑠璃華さんの家でテスト勉強をする約束をしたんでした。瑠璃華さんに、喜んで貰うため、メイド服を着たらいいかと思ったんですが……私が、メイド服を着て瑠璃華さんと勉強したら、瑠璃華さん集中できるのでしょうか? 多分ですが、無理な気がするのでメイド服を着るのはやめましょう。


 そうですね……テストを頑張った、ご褒美としてメイド服を着て、ご奉仕するのが良いかも知れませんね。ふふ、その日が来るのが楽しみです。

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