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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
王女はもう一度計画を考えなければならない
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計画81

「やっぱりぃ、魔族でもぉ人間でもぉ女の子だったらぁ、オシャレは大切よぉねぇ。でもお化粧品はぁ魔界の物が人間にぃ平気なのかぁわからないからぁ、お洋服よねぇ」


「私にはそういう興味がないので、お任せします」


「あらぁ、とてもぉ可愛いのにぃ。もったいないわぁ」


「どうもです」


魔界。暗くて、人間の私が普通に歩ける場所がどれくらいあるのか?そんな考えをしていたが……。

予想外にしっかりとした街ですね。売っている物が人間に有害か、魔族の奴らが先程からジロジロと視線を向けてくるのが鬱陶しいくらいですかね、気になるのは。


「ここよぉ。ここのぉお店ぇにはなぁーーんでもぉ揃ってぇるのぉ。便利ぃよねぇ」


「雑貨屋ですか?」


「そのぉ言い方だとぉオシャレじゃないわぁ」


「ではなんて呼べば?」


「んーー、オシャレ屋さん? とにかくぅ行きましょう」


雑貨屋で良いじゃないですか、思いつかないにら。

中に入ると確かにあちらこちらに目移りする程に物が多くある。ここからそれぞれ別行動で、個人の趣味に合わせて買い物をなんて駄目ですかね?


「ほぉら、お洋服はこっちよぉ」


「いらっしゃいませ」


「ねぇ、この子にぃ合う服を何着かぁ持ってきてぇ」


「かしこまりました」


「ハーピィさん、質問があるのですが?」


「なぁに?」


「今思ったら私はお金を持っていないのですが、どうしましょう」


「それならぁ大丈夫ぅ。魔王様がぁねぇ? 今回のぉおやす……。王女ちゃんの魔界案内でぇのぉお金は経費からぁ出るんでぇすってぇ。私も欲しかったぁ……。だからぁ心配はしなくてぇ良いのぉよぉ」


「そうですか、教えていただきありがとうございます」


ハーピィ、私の案内を自分の休暇にしてなおかつ経費から出るからって自分の買い物しようと。おっとりして見えて、ちゃっかりしてますね性格。

これって魔王に報告したほうが良いのですかね?いや、変に敵を作る真似はしないように行動するべきでしょうね。黙っていましょう!


「お待たせいたしました。こちらの服はどうでしょうか? メテムの毛で作られたドレスでございます」


「あらぁ! そんな貴重ぅなのぉ!」


「メテムってなんですか?」


「えっとぉ、人間達でいうところの羊かしらぁ? たしかぁそんなぁ名前のぉ生き物いたぁわよねぇ?」


「確かに居ますが、ドレスには使用はした記憶がないですね」


「似たようなぁ物だからぁ。それでぇねぇ、メテムはとても上品質な毛が採れる魔物なのぉ。だからぁその毛で作られた服はどぉーーってぇもぉ高いのぉよぉ」


「私はもっと安い服のほうが良いです。それにドレスは少し……」


「そぅ? そうなるとぉテム素材が良いかしらぁ。あ、そのぉドレスは私がぁ買うからぁ」


「え、買うんですか! それにテム素材?」


「まぁまぁ、ここはぁ私にぃ任せてぇ任せてぇ」


すみません魔王。帰ったらきっと驚く金額を請求されると思います。

しかしながら、それは全てあなたの部下であるハーピィが悪く、私には一切の責任はありません。むしろ聞きたい、部下に満足できる賃金を払っていないのですか?

それから数時間……。私は何着も着せられることになった。このハーピィおかしい。


「ふぅ、買ったぁねぇ。これぇだけぇあればぁ、王女ちゃんの服ぅは困らないねぇ」


「買い過ぎかと。それにほとんどはハーピィさんの服では?」


「だってぇ、王女ちゃんオススメの服ぅたぁーーくぅさぁん嫌って言うんだぁものぉ。そしたらぁ、私がぁ買うしかぁなぃよねぇ」


「その考えは絶対におかしいですよ? いったい金額はいくらになったんですか?」


「ひ、み、つ」


魔王、きっと女同士気兼ねなくという気持ちでこの金銭狂いを案内役にしたのでしょうね。でも、大切なのは自制心もありつつ相手を気遣える精神の持ち主ですからね?今回の件で大いに学び、反省してください。そして、二度とこの金銭狂いに自由を与えないで。


「そうだぁ、王女ちゃんはぁ良い案は浮かんだぁ?」


「案ですか? いえ、ここら辺のことなんて知らないですからお任せしようと……」


「違うわよぉ。勇者殺しぃの計画案の事ぉ。何かぁ思いついたぁかなぁ? ってぇ」


「この感じをとりあえず見せつけると言ってましたよね?」


「そうねぇ」


「ちなみにどうやって見せつけるんですか? 記録媒体はどこに?」


「ここにはないよぉ?」


「え? 何故ですか?」


「だってぇ、買い物のぉ邪魔ぁじゃあなぁい」


「いやいやいや! そしたら計画が成り立たないじゃないですか!」


「大丈夫よぉ。帰ってぇ、王女ちゃんがねぇ? 記録媒体のぉ水晶にぃ、今日のぉ楽しぃお話をぉしてくぇたらぁ良いからぁ」


いやいや、現状そんなに楽しめてないのに帰って感想を言えと?しかも楽しかった!と嘘を言えと。そんな無茶苦茶な……。


「さぁ、もっとぉ楽しぃむためぇに案内するわよぉーー!」


「ちょっと待ってください! どこに行くんですか! というよりも、私を楽しませるのでしたら私の意見を聞いてください!」


「お休みぃを満喫するぅわぁーー!」


魔王、この計画は失敗かもしれません。私は頑張れなさそうです。人選を変えてください、お願いします。

今年新年もよろしくお願いします

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