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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
王女はもう一度計画を考えなければならない
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計画79

普通の部屋、普通の家具、この部屋には変な物は何もない。そんな部屋が私の部屋である。

魔王との言葉でのやり取り、魔王の返答は一旦保留。私はこのまま軟禁するという事になりました。


「どうやってこれからの計画を立てるんですかね? 私が辛そうにせず、勇者を抹殺する方法。絶対に私と考えた方が良いと思うんですけどね、前回の失敗を改善しつつ抹殺! 何故保留にするのか」


「入っても良いか」


「どうぞ」


「部屋の暮らしはどうだ? 不自由はないか?」


ハァ。変に気をつかうようになってませんかこの魔王。というよりもなんか雰囲気が変ですよね?何があったんですか。


「別に、これといって不自由はないですかね。あ、でも退屈ではありますね」


「では、話し相手をここに用意をしよう。安心しろ、絶対に敵意を持っていない奴を派遣する」


「魔王が私の話し相手になれば良いのでは? そして、その内容は勇者への抹殺計画とかですととても楽しそうですよね」


沈黙。まったく何がそんなに嫌なのか?それとも怖い?何にしても私はあの馬鹿の抹殺に関われないなんて事だけは嫌ですよ。

他人から死にました、消えましたなんて聞かされても信用できない。ちゃんと私の目の前で、確実にサヨナラをしないと気持ちがいつまでも落ち着きませんよ。


「いつまで黙っているんですか? 返事くらいしては?」


「ああ。その、そうだな。うーむ、我と計画をか……」


「そんなに嫌がりますか。逆に何が不安なのか聞かせてくださいよ、失敗要素なら前回学んでいるのですよ? それをしないよう私もしっかりと発言をしますし」


「そうなんだが、観察されている者と一緒に全計画を共有するのは抵抗があってな」


「観察されている者がただ何もしないで、このままの状況でいさせられる。その結果またやり直しをさせられてしまうとは考えないのですか?」


「取り扱いが難しい奴だ。なら何か考えているのか? 今現在」


「え、いきなりですね。そんないきなり言われても何も考えてませんよ。そちらは今どんな計画を?」


「前から計画のままだ。呪いをかけて弱らせるだけの計画だな」


「なんていうか、そんな同じ計画ばかりで良いんですか? 他に何かしたりとかは?」


「では何をしろと?」


「んーー、仲間割れとか?」


「お前、それは嫌そうにしていなかったか?」


「あの時は私がまだあそこに居たからですよ。あんな主張の強い奴らの中で喧嘩なんかしてみてください? 私の位置は中立として宥め役。我の強い馬鹿に、クールそうに見えてすぐに頭に血が昇る魔法使い、そして脳内どうなっているのか意味不明なシスター。その面倒を見るなんて、ストレスで死にます。本性隠したまま旅なんて絶対に不可能ですよ。まぁ、そういうわけですので? もう私はこのあなたの城に居るわけですからそんな苦労を考えなくても良いわけで、どうぞご自由にアレらをぐちゃぐちゃにしてください」


ここに居ればアレらの問題なんて関係なく私は快適な暮らしを過ごせますからね。どうぞ悲惨な旅を!


「いやまぁ、すでに勇者達はかなり険悪な雰囲気ではあるが……」


「何かしたんですか?」


「お前がここに居るからだ」


「何ですかあの馬鹿はかなりピリッとしているんですか?」


「仲間の言葉を無視し、眠りもせずにこの城を目指している。まぁ、所詮人間なので意識を失い倒れ強制的に休む状態の時はあるがな。それ以外はもう殴られても意に返さずに進む進む」


「ちょっと待ってください。それって不味いのでは?」


「どこがだ?」


「その話を聞く限りだとあの馬鹿の進行速度はかなり速いんですよね?」


「ああ」


「この城にもその分到着が……。もちろんあれは馬鹿ですが、疲れたままでは乗り込まない筈。そう考えてみて、ちゃんとした対応策はもうあるのですか?」


魔王がジッとこちらを見つめてくる。なんでしょうか?考えてなかった!とかですか?前の世界でもそんな事よくありましたし。


「なぁ王女」


「はい」


「我もなんかよくわからないのだがな、何も考えられなくなったのだよ」


「は?」


「お前から色々と聞いて、計画を考え、お前がそれに対しての危険性を我に説いた。我が考えた計画は結果自殺行為という現実。ハァ、妖精王様もなんだかんだと出てきてしまいもう結末はまたやり直しなのでは? という考えが頭から離れんのだ。正直、このまま勇者が来て我は普通に戦ってやろうかなぁとくらいにしか考えられていない。どうしたものか」


待て、ふざけるな。そんなの許されるか。気分が落ち込んだからもう何も考えてない?本当はもうどうでもいいと?

不味い、このままでは魔王が殺される。そしたら私は有無もなしに馬鹿とのバッドエンドだ。そして確実に妖精王はまた私を……。絶対に嫌だ!なんとか、なんとかしなければ。

でも、どうすればいい?この弱りきった魔王をどうすればまたやる気に?


「ではな、我は勇者の監視をしなければならんからもう行く。ここには誰かを派遣しておくからそいつと話でもしていてくれ」


「待った! 少し待ってください!」


「なんだ?」


「私にも勇者の行動を見させてください!」


「うーむ」


「何か、思いつくかもしれないですよ? ほら、まだ確定されてないんです。諦めずに、勇者抹殺の計画を一緒に考えましょう」


「しかし……」


「抵抗がどうのこうのですよね? でも、諦めているとも言っていましたよね? なら、別に色んな可能性を試しても良いのでは?」


「……わかった。ついて来い」


ハァ、なんとかしなくては。

次回諸事情によりお休みさせていただきます。

楽しみにしてくださっている方、申し訳ございません。

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