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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
王女はもう一度計画を考えなければならない
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計画77

こっちへ行って、ここを曲がって真っ直ぐに進めば……。図書室でしたね。

えっと、どこでしたっけ?記憶が思い出せない。あんな部屋に行ったの1、2回程度でしたから覚えてない。どうしましょうかね?このままだと警備がどんどん強化されて、魔核を手に入れるのは不可能になってしまう。困りましたねぇ。


「おい、王女は見つかったか?」


「いや、どこにもいやがらね」


「なんで人間1人見つけられないかなぁ」


「だよな。てかさ、なんで魔王様逃げられてんだ? 王女って強いの?」


「あ、そういえばそうじゃん。そう考えたら俺ら見つけても捕まえられなくね?」


「どうすっか、死にたくねぇよ」


「俺も死にたくねぇよ。あーー、王女のやつ何が狙いだよ」


怖がられている?もしかしたら脅したら場所を聞き出せるかも。


「パラライズダウン」


「な! おい! どうし……王女!」


「ホーリーニードル」


「ぐぁ、痛ぇ。チクショウこの」


「黙ってください。隣の方には少し動けなくなっていただいているだけです」


「お、王女! お前どこから出てきやがった!」


「ずっとそこに居たんですが、まぁ隠れていたので気がつくわけないですよね。そんな事よりも教えていただき事がありましてね」


「はっ! 誰がお前なんかに」


「ホーリーニードル」


「ギャァ! 何しやがる」


「静かにしてもらわないと困るし、さっきも言ったと思いますが質問があるので答えなさい。じゃないと……。そうですね、あなたにも酷い目にあってもらいましょうか」


「この……」


「それでは質問です。魔核ってどこの部屋に行けばあるんでしたっけ? 今迷っていまして」


「答えるわけないだろ!」


「普通はそう言いますよね。でもそんなに怖いんですか? ただの人間が」


「なんだって?」


「だってあなたは私に魔核の場所を話したら、奪われるって思っているのでしょう?」


「ああ」


「それは、あなた方は私よりも弱いって言っているようなものですよ。あ! そうか現にあなたは私にこうしてやられていますものね。思っていたより弱いですね、あなた方」


「なんだと! ふざけんなよ! こんな不意打ちで良い気になりやがって」


良い感じに怒っていますね。この調子なら馬鹿みたいに場所を教えてくれそうですね。


「いいかよく聞け! 魔核がある部屋の前にはエンシェントドラゴン様が門番をしてらっしゃるんだ! お前みたいなザコ人間があの方を倒せるわけがない!」


え、エンシェントが守っているの?前はそんな厳重警備体制ではなかったのに何故?


「へぇ、たしか幹部の1人でしたね。なら安心と」


「そうだ!」


「じゃあ教えて、場所」


「場所はここから……。言うか!」


チッ、言う流れでしょう。

ん?足音が聞こえてきますが、まさかバレた?


「なんでこちらに向かって足音が?」


「馬鹿め、俺たちはテレパシーで会話できるんだよ! お前の企みも伝えた! お前にもう逃げ」


「パラライズダウン!」


しまった……。そういえばそんな事を言っていたような気が。とりあえず逃げなければ。

これからどうしましょう。目的がバレたなら余計に警備が厳重になっていますよね。流石にインビジブルシャドウも幹部や魔王の目は騙せませんし、どうやって乗り込めばいいのでしょうか。


「困ってるみたいだねぇ」


「ええ、とても困っています。どうしたら……。ん?」


振り返ってみると久しぶりに見る顔が、なんでいるんですか?妖精王。


「えっと、久しぶりですね妖精王様。なんでこんなところにいるんですか?」


「観察している生物がさぁ、死にそうになっていたりしている状況だったら君ならどうする?」


「簡単に言うと私を助けに来てくださったと?」


「ちょっとだけ手助けをしようとね。このままだとどうやっても捕まって、ずっと閉じ込められて時々勇者に脅しかける為に拷問生活なんてつまらない日々を見せられそうだから」


このままだとやはり最悪な結果になるんですね、助けを借りるしかないですか。


「その、どう手助けを?」


「簡単な事さ。僕と一緒に歩けば良いだけ」


「え?」


「だから、僕と並んでこの城の中を歩いていればいいんだよ。堂々とね! そこら辺の奴らは簡単に眠らせるし、ちゃんと君が望む場所まで案内しよう」


「しかし、案内されても魔王や幹部やらがおそらくもう警備しているかと思うんですが」


「まぁ、なんとかなるよ。ほら行こう」


大丈夫なんでしょうかね?妖精王の後をついて行く私は不安でいっぱいでした。

しばらく歩いていると、すれ違った奴らは妖精王が手を振っただけで意識が無くなって倒れていく。妖精王ってこんなに強いんですか?


「さて、着いたね」


目の前には魔王とその幹部たちが並んでいる。やはり待っていましたか。


「これは予想外だ。何故妖精王様が居るのか?」


「ん? そんなのリーンがつまらなくならないようにするためだよ」


「それで? この後は何を?」


「とりあえず幹部の人らは全員寝てて」


そう言ってまた手を振るだけでこの場に起きているのは私と魔王、妖精王だけになった。


「チッ、邪魔をするのか妖精王様」


「邪魔なんかする気ないさ。ただ2人の間の緩衝材になってあげるって優しさだよ」


「それは私たちにここで話し合えと?」


「そう。それじゃあ僕はやる事やったから、帰るね? 2人とも仲良くお話してね!」


そう言って妖精王は消えた。どうせなら魔王も気絶させてくれれば……。


「さて、残念だが手が出さなくなった。仕方がないから話をしよう王女」


「そうですね。私はどうやってもその先の扉へ行く方法が思いつきませんから、是非話し合いましょう魔王」


お互いに睨み合いながら話し合いが始まる。

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