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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
王女はもう一度計画を考えなければならない
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計画74

向こうからブツブツと何かが聞こえてくる。まぁ、しょうがないですよねこんな状況だと。


「お前な、キスってふざけているのか」


「ふざけていませんよ、こっちだってあんなキスなんかされて最低最悪な気分が今も続いているんですよ? だいたいなんで私がまたこの世界でもキスなんて」


「黙れ! いいか! こっちはそんなふざけているような方法で呪いが消失した事によって、デビルが意識不明になった。それにより今後かけれる呪いも少ない。計画が狂っているんだ! なのに、呪いが消失したことを落ち込んでいるかと思いきやたかがキスで文句なんぞ言いおって!」


「言っておきますが、あの呪いが解呪されて落ち込んでいるなんて事はありません」


「なんだと?」


「正直に言ってあの呪いはとても迷惑でした。魔王のところまで行けるのかどうかも怪しい虚弱なんて、やり過ぎなんですよ。もう少しなんかいい呪いないんですか」


こちらの苦労も知らずに……。という声が聞こえ、相当な怒りが溜まっているようですね。

私としては時々発症する感じの、苦しみだす呪いがいいのですが。それだと私の気分も爽快ですし。


「よし、もういい。色々と話をして、これからの計画を話し合おうと、我の考えを教えようと思っていたがやめだ」


「は?」


元々私のことなんか利用する気でしかなかったのに、何を今さらな事を言っているんでしょうか。


「楽しみだな、次が」


「何をするつもりで」


切られた。あの魔王が今度はどんな迷惑行為を仕掛けてくるのか、不安。


なんだかんだで翌日、教会にお礼を言いに行って解呪の方法を聞かれた時に誤魔化そうとしたら馬鹿が普通にバラして、恥ずかしい思いをさせられた後私は魔物に抱えられて空の旅を……。なんで?


「あの、何故私はこんな事に?」


「下を見てみろ? 必死になって勇者達が追って来ている。面白いなぁ」


「すみませんが、質問に答えてくれませんかね?」


「少ししたらわかるよぉ。楽しみにしてなよぉ」


「嫌な予感しかしませんね」


「リーンを返せ! 降りてこい!」


下の馬鹿はうるさいですね、あんなに叫びながらもよく追いかけてこれ……。ベルとザザールはどこ?

え、ちょっと本当にどこですか?あの馬鹿の少しでもストッパーになる2人がいないって不味いのでは?なんでいなくなって……。違う!馬鹿の速さに追いつけなかったんだ!


「魔物さん、少し速さを落としてくださいませんか? 勇者しかついて来てないですから」


「それは好都合!」


どうか殺されませんように……。


薄暗いボロボロな建物の中に連れ込まれ、縛られた現状。これって明らかにおかしくないですかね?

馬鹿がこの状態にされていろんな事を!そして精神追いつめならわかりますよ。でも、私がなんかやばそうなんですよね。


「なんで私が縛られているんですか?」


「ヒヒッ、勇者が来たらわかるよ」


「ずっとそれしか言いませんね。何を企んでいるんですか」


「リーン!」


あ、馬鹿。


「勇者様! お1人ですか!」


「何を言っているんだ、ベルとザザールが……。いない! なんで?」


気がついてなかったのか。普通は気がつくだろう、どれだけ鈍いんだ。

そうなるとベルとザザールはかなり遅くならないとここには来ないのか。それまでこいつ1人で大丈夫か?


「ヒヒッ、勇者よく来たな。これから面白いぞぉ? 見てろ見てろ」


一体何が面白い……。待って、そのナイフはどこに振り下ろすつもり?そのままだと私に!


「ああぁぁぁ! い、痛い」


「貴様ぁ! リーンに何しやがる!」


「ウヒャヒャ、これは序盤序盤。あと何本刺さるかなぁ?」


なんで私にナイフなんか。どんな計画になったらこんな事になるんですか!あの魔王の頭の中を調べて、修正してやりたい!


「リーン待っていろ! 俺がそいつを今すぐに殺す」


「おっと、動くな動くな勇者。俺と遊ぼう?」


「ふざけるな! 誰がそんな事をするか」


「ならこの王女ちゃんにナイフがもっと刺さるよ? 良いの? 良いの?」


「チッ、俺は何をすれば良い」


クソ魔物がパチンッと指を鳴らすと馬鹿の側に的と10本のナイフが出現した。


「その的は回転しまぁす。そんな回転する的に向かって側にあるナイフを投げてくださいな! そして当たった的によって面白い出来事が起きますよぉ? あ、ご注意下さい。こちらに向かって投げた場合には……おわかりでしょう?」


そんなお遊びをするために私は刺されたの?本当に最悪だ。


「どうすれば終わる」


「そのナイフを全部投げた時ですかね? 間違いなくその時には死んでますから! さぁ、楽しみましょう! スタート」


回転する的に馬鹿がナイフを投げる。3色の内の赤色の場所へナイフが刺さった。

同時に私の右肩にナイフが刺さった状態で現れた……。意味がわからない。ワカラナイ。


「キャアァァ!」


「! リーンになんで……」


「あらあら、申し訳ございません。言い忘れるなんて、私はなんて罪深いのか! その的には勇者、私だけ。ではないんですよ、特別に王女にも参加していただいております。なので、気をつけてナイフを投げてねぇ?」


ああ、私死ぬかも。

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