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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画7

「う〜ん、体が痛いですね」


どうやら昨日そのまま図書室に戻り寝てしまったらしい。変な体勢で寝たせいで体からパキパキ音が鳴る。


「そうですわ、計画はどんな状況でしょうか。聞きに行かなくてわ」


立ち上がって、図書室から出る。そのまま魔王の居る部屋まで行こうとすると、途中ダークエルフとローガンに出会った。


「あら、お2人とも今から出発ですの?」


「そうだぜ、これからエルフの里へ向かうところだよ」


「何故、今日なんですか?」


「え?」


「だってそうでしょう? 昨日のうちに行動はできましたよね? 何故、昨日出発しなかったのですか?」


「いや、だって。なぁ?」


「俺に聞くなよ」


この様子だと、特に理由もなくただ先延ばしにしましたわね。


「よろしいですか?貴方達の任務は時間がかかる任務か分かってますか?その最終目的の物を回収しても、そこから更にどうやって勇者に摂取させるかという計画を立てる時間。また、効果が無かった場合には、別の方法を探す時間と、とにかく莫大な時間が必要な任務である事を理解してくださりましたか?本当はもっと言いたいことはありますが、それこそ時間の無駄ですからここまでにしときます。それでは、お2人ともお気をつけて」


「「はい、直ぐに行ってきます」」


本当に悠長ですね。1つ1つを考えて行動してくれないと、いつの間にか全てが手遅れなんて事になりますよ、まったく。ブツブツと文句を呟きながら歩き。魔王の部屋へとたどり着いたので、扉をノックした。


「入って良い」


「失礼します」


「王女か、どうした?」


「どうしたって、昨日の計画がどのような状況か知りたくて来たのです」


「一応、昨日ゴブリンキングには命令は出したが…果たして上手くいのか」


「そのゴブリンキングさんは、戦略には長けてるのですか?」


「どうなのだろうな?」


「知らないのですか?」


「ああ」


「ちょっと待ってください。大まかな計画にしたのは、現場がしっかり戦略を立てれると判断したので、殺す順番と殺さない人その程度しか話さなかったんですよ?」


「いや、大丈夫だろう。彼奴らも強くなったからな」


駄目だ、この脳筋め!力しかなかったら相手に出し抜かれたら終わりじゃないですか!また説教くらわせてやろうか。


「今すぐに連絡できますか?」


「えー、もう勇者と戦っているはずだぞ?」


「そんな!」


「見てみるか?心配なら」


そう言って魔王は呪文を唱えた。


「トークアーイズ」


空中に森の場面が映し出される。


『なんだ!この魔物の数は!』


あ、本当に戦闘始まってる。問題は勇者は死んでいるのかだ。


『大変だ!ギムさんが…俺を庇って死んだ!』


ちょっと、勇者生きてる!てか、死んだの騎士隊長ですか!早く勇者を…。


『勇者様、ここは一旦逃げましょう。流石にこの数では勝てません』


『でも、それじゃギムさんの仇が!』


『おい、勇者!仇の前に俺らは全滅するぞ!』


ちょっと!上手くいってない!


『わかりました、2人は逃げてください。俺はこいつらを引きつけます!』


『そんな、それでは勇者様が』


『大丈夫です。俺は生き返る事ができるんで…それよりも2人が死んだら大変ですから、早く逃げてください!』


『勇者、すまん』


『良いんです、後で会いましょう』


こうして、シスターと魔法使いのザザールは逃げました。そして…。


『死ぬといっても、ただで死ぬと思うなよ!くらえぇ』


勇者がめっちゃ戦ってますよ?大勢の魔物と。

はーい、整理しましょう。この計画は先ず勇者を殺してスタートするはずでした。何故って?強~い魔物との戦闘をさせないで経験を積ませないためでーす。でも、現実は?今何体目殺しました?はい、戦ってます。てか、生きてます。その他にもザザールを殺すという事もできてません。シスターもあれ、そんなに絶望してないですよね?唯一達成したの騎士隊長が死んだだけ…。どこで間違えましたかね。


「王女、勇者が死んだぞ」


「今、ですか」


「ああ、今だな」


「…」


「…」


「被害は?」


「…その、4分の1」


「が殺されたんですよね?」


「4分の1が残った…」


「…」


「…」


「オイ、面貸せよ」


「待ってぇぇ!我も予想外だったから、何勇者強くないか!おかしいだろ!もう少しバランスを考えろよ!何したらあんなに強くなれるんだよぉぉぉ」


魔王が床を叩きながら喚いてる。本当に理不尽な結果だ。私が王都に居た時には既にそこら辺に居た魔物を、何故か木の剣で倒す事ができていたのだ。あの頃はそれでも、1体がやっとという感じだった。それでも恐怖を覚えた、普通の人は木の剣なんて使っても、魔物を倒す事なんてできない。死にに行くようなものだ。


そんな勇者の強さだったから、私はあそこら辺の魔物達を強化しろと言ったのだ。しかし、結果は悲惨だ…。4分の1しか残らないなんて、強すぎて本当に強化したのか疑わしくも思う。


「たしかに、これだけの力が有れば仲間は4人とかふざけた事言えますね」


「おのれ、勇者め…」


「魔王、とりあえず勇者の予想以上の強化は置いときましょう。今は勇者の仲間が1人死んだのです。この1人に何としてでも、シフターの誰かを入れますよ」


「そうだな」


こうして、リセット計画は失敗に終わった。


会議室


「入るなと言われてますが、重要な話を一々テンポが遅れて話すのは馬鹿馬鹿しいうえに、今回色々とあったので、普通に会議に参加させてもらいますよ」


今会議室には、ダークエルフとローガン以外は全員居ます。そして、少しため息を吐かれましたが、こっちが吐きたくてしょうがありませんよ。


「先ず、欠席のお2人は今日の朝任務に出かけましたが。正直に言います。今後はこのような任務はよく考えて行動してください。意味はわかりますか?」


皆さん頭に?マークをつけてますね。


「いいですか?今回の任務は時間が必要な任務です。こういった時間がかかる、時間の必要な任務は即行動でお願いしますという事です」


ああという声が、全員から聞こえた。魔王、貴方もですか。


「次に、昨日計画した勇者へのリセット計画ですが…本日失敗を確認しました。これは映像を見てもらったら早いと思います。魔王、よろしくお願いします」


「うむ」


魔王が映像を見せる。初撃が失敗し、勇者を殺せなかった事から始まる最悪の映像。そして、映像が終わり全員が表情が硬い。


「凄まじいの、勇者は」


「ええ、最終的には死にましたが4人での旅という考えは変わらないと思われます。なので、何としてでもシフターの誰かを入れなくてはなりません」


「今のところは、騎士隊長が死んだって事で国中がパニックになってる」


「仲間の再募集についての情報は?」


「とくに」


「これは一旦落ち着くまで待つしかないな」


こればかりはしょうがない、国の騎士隊長が死んだのだ。葬式やらなんやらでしばらくその情報で騒がしいだろう。


「では、何か情報が入り次第教えてください。私は今日も図書室に居ますので」


そう言って会議室から出る。悔しい、甘かった、しっかりと計画を綿密にしておけば…。そんな後悔の念が私の心の中で渦巻いていた。


森にて。

「あー、ゴブリンキング。大丈夫か?」


「…魔王様」


「今回は…そのなんといえば」


「いいんですよ、ただ俺らが弱かった。それだけです。勇者があんなに強いなんて、思ってませんでした。前に言っていましたノルマ本当に10倍まで頑張っておけば…」


「勇者はまた来るぞ」


「そうですね、その時は俺らの最後です。魔王様、勇者に勝ってください」


「頑張れよ」


ガチャ


「…死ぬのか」


「ゴブリンキング様、最後まで意地を見せましょう!」


「ああ、もちろんだ」

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