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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
王女はもう一度計画を考えなければならない
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計画61

ここは、自室ですね。どうやらあの後治療されてそのままここに連れて来てもらえたようですね。痛みも無いですし、完治はしてる。あれから何日が経過したのでしょうか?


「すみせん。誰か、誰か」


「はい、入ってもよろしいでしょうか?」


「ええ」


「失礼します。ご快復めでたく」


「挨拶はいらない。私はどれくらい眠っていたのかしら?」


「2日ほどです」


「ありがとう。下がってちょうだい」


「伝言があります」


「誰から?」


「王様より預かっています」


何か文句でもあるのだろうか?それとも何かバレたか?


「聞かせて」


「結局1人の時間をお前に作ってしまったか。いったい何を企んでいるのかわからんな。まったく。以上です」


とてつもなく面倒な人だ。普通に心配とかできないのかしら。というよりも、こんな伝言を他人に聞かせるなんてどうかしている。


「父に返答をお願いします。何も企んでなんかいません。勝手な妄想を風聴するのはやめて下さいと」


「かしこまりました」


そう言って出て行った。さて、私のあの時の服はどこかしら?あった!ポケットに入っているといいのですけど……よし、取り上げられていない。

さて、どうしましょうかね?早速この水晶を使って連絡をしてみましょうか。向こうがどんな事になっているのか知りたいですし。


コンコン!


「はい?」


「私です! ギムです!」


「どうぞ」


「失礼します! ご無事でなにより! この私が居ながらもあんなに大怪我をさせてしまい、申し訳ございませんでした!」


「そんなに気にしないでください」


「この始末は、死んでお詫びを」


「しなくていいです」


「ならば騎士隊長の座を辞して、今すぐに魔王へ突撃を」


「それもしなくていいです」


「しかし私にはそれくらいしか償いが!」


面倒くさい。はぁ、どうしましょうか?てきとうになんか言って帰ってもらいますかね。


「今回の件は騎士隊長が気にする事はありません。怪我をしたのは私自身の責任です」


「しかし……」


「言ったでしょう? 今回は私自身が危険を承知で参加した事を。なのに貴方は充分に道中私の事を護衛しながら戦ってくれました。むしろ、感謝しています。私が戦えたのは貴方の護衛で余力があったおかげです。騎士隊長、今回全員が生きて帰れたのは貴方の成果なのですよ? ありがとうございます」


「王女様……」


泣いてないで早く出ていってくれませんかね。試したい事があるのに、邪魔なんですよ。ほら早く。


「王女様!」


「はい」


「私はまた己を鍛え直し、騎士隊長の名をかけてもう二度と貴女様をこんな目に合わせないと誓います!」


「わかりました」


「それでは早速鍛錬に行ってまいります! 失礼!」


そのまま出て行くのはいいんですけれど、もっと静かに出て行ってくださいよ。

まぁ、これで邪魔者は居なくなりましたね。


バン!


「リーン! 目が覚めたんだって!」


この馬鹿は礼儀も知らないのか。私が着替えなんかをしていたらどうするつもりだったんだろうか?まさか、将来を誓い合った仲とかアホみたいな事を理由にしてこないだろうな。


「おかげさまで。しかし勇者様、ノックも無しにいきなり部屋に入って来られては驚きますのでこれからはちゃんとノックをして、返事を待ってから入室してください」


「え? 別に良いじゃん、将来は夫婦なんだし」


アホだった……。知っていたけれどもアホでした……。私のプライバシーはどこへ?


「だとしても、恥ずかしいものは恥ずかしいのです。例えば、そう、着替えの途中とか」


「今度から気をつけるよ。そんなことより、聞いてくれ!」


ああ、殴りたい。


「俺さ、今回何もできなかった。リーンを守ろうとしていたのに逆に守られて……勇者なのに。情け無いよな。これからさ、どうしたらいいかな?」


はぁ?普通はもっと強くなるとか言うのでは?なんなんですかこの人。精神が弱過ぎでしょう。なんで私に今後の人生を相談しているのですか。


「こんな弱い俺だけど、リーンは見捨てないよな? な?」


うわぁ……。


「最初から強い人なんていませんよ。勇者様はこれから強くなっていくんです。だから、安心してください。私はちゃんと見ていますから」


ちゃんと見て、良いタイミングでしっかりと殺しますから。


「リーン……」


ちょっと?なんでこちらに近づいて来ているのですか?何故、顔をそんなにドンドン私の顔に寄せて来ているのですか?待て、やめろ。そんな空気になってないだろ!誰か!誰か助けて!


コンコンコン


「王女様! ギムです。入って良いですか?」


「どうぞ!」


「失礼しま……おい、お前何をしている?」


「師匠! これはですね、その流れで良い感じになりまして、だから」


「今回、お前はショックを受けて王女様に謝罪をしたいと言っていたはずだったな? どうやら元気がとてもあるようだ。これからこの俺が今日一日中訓練してやる。二度とあんな姿にならんようにな! 来い! それでは王女様、コイツは借りていきます」


「ま、待ってください! 俺まだそんな」


「黙れ! 行くぞ!」


バン!


リーン!って声が聞こえてきましたが助かりました。危うくもう少しでこの世界でもあんな行為をするところでした。

そういえば、騎士隊長は何のために戻って来たのだろう?まぁ、重要ならまた来るでしょう。今度こそ邪魔者は居なくなりました。さて、通信をしますか。


「もしもし、聞こえますか? 聞こえたら返事をください」


水晶からは何も返事が無い。どうしましょう……。使い方を教えてもらうのを忘れていました。

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