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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
56/92

計画51

「それで、そのお前の予想ってなんだよ?」


「さっきガドが言いましたよね? 核がこの世界ではなく、元々の私達が居た世界にあるから死ぬかわからないと。そこなんです! 今現在の勇者も似たような状態なのではないでしょうか? いえむしろ、より高い確率で死ぬのではないのではないかと」


理解ができないという顔で魔王2人は顔を見合わせている。そんなに理解ができない事を言っていますかね?


「何故そんなにも自信があるのだ? 王女よ、勇者は我のように心臓が元の世界にあるわけではないぞ?」


「ええ、わかっています。そこではないんですよ。元々勇者は不死身ではなかった。私達が召喚した事によってその不死の加護を得たんです。その加護は神によるものだった。ここまで言えばわかりますよね?」


「なるほど……。確かに可能性はありそうだな」


「そうでしょう?」


「待て待て待て、何がわかっているのだ? お主ら何を理解し合っている?」


「お前、本気で言っているのか? というよりも何も考えていないのか?」


「えっとですね……。理解してもらえないとは。しかも貴方に。勇者は神から加護によって不死身になっています。しかし、その神はこの世界の神ではないのでは? 世界事に神がいるのか、総合して神がいるのかはわかりませんが、もしも世界事に神がいるのなら今の勇者には不死の加護が消えている可能性があるのでは? という話なのですが」


ガドは少し考えた顔をして、よく悩みながらも理解してくれたようで。


「ああああ! なるほど! 我らの世界の神がつけていた加護だものな。この世界で機能しているか確かに怪しいな!」


「理解してくれて嬉しいです」


「その反応が遅ぇわ。本当にこんなんで王としてやれてたのかよ」


「ええい! うるさい! それよりも、ギルスは知っているのか? 神達の住む神界への行き方を。こっちの世界だとどうやって行くのだ? 早く行って確認せねば」


「は? なんだよその神界って。神達の誰かに聞ければ良いんだろ? なら通信すりゃいいじゃん」


「え?」


「通信……」


どの神に連絡するかな?なんて言っているギルスの姿を見て、私はこの世界では神ってどんな風になっているんですか?ってとてもとても疑問に思ってしまいました。

だって、あのボロボロに言ってきた神ですよ?なんか検査とか厳しい場所に住んでいた神ですよ?予約とかしなきゃいけない面倒ななかなか会えない神ですよ?それを連絡って……。


「とりあえずこいつに聞くか。もしもし? ゼウス? うんそう俺。いや、飲みの誘いじゃねぇよ。この前あんだけ飲んでセクハラしまくってあの店行けるわけあるか。あ? 覚えてない? 惚けんなよジジィ、顔面ダイブとか色々やってただろうがよ!」


相手は神ですよね?どっかの変態と話しているのではないですよね?


「あのぉ、ギルス様? できれば加護の話を聞いてくださいませんか?」


「ああそうだった。え? 今の女の声? ちょっとしたわけありだよ。いい加減にしろよ変態ジジィ! んなわけねぇだろ! てか、真剣に聞きたいことがあって連絡してんだよ。勇者って知ってるか? うん、うん、そうじゃない。今現在、世界に勇者がいるらしいんだけどよ。

うん。それに特別な力は? は? 何だそりゃ。てか、認定すんのか? しない、だよな。わかった、聞きたいのはそれだけだから。ありがとな。……黙れ変態」


「どうでしたか?」


少し疲れていそうな顔でギルスは答えてくれた。その答えは嬉しくもあり、誤算な事でもあった。


「お前達の言う勇者だが、ハッキリ言ってこちらの世界では異物だ。神達も勇者とは認めていないし、認める気が無いらしい」


「ほう、それは良い結果になったな」


「だから加護もついてない。ついてないんだけどなぁ……」


「何か問題が?」


ギルスはため息を吐いてこちらを向いて、ジトッとした目で質問してきた。


「お前達、勇者とやらになんかしただろ?」


「我らが?」


「あいつに何かしましたっけ?」


2人で悩んでいると、ギルスから衝撃的な言葉をもらってしまった。


「神達が異物として認定して、絶対に勇者にしないのは呪われているからだ。しかもその呪いはただの呪いじゃなく、神への冒涜的な呪い。不死ではないが、かなり強烈な一撃を与えないと死なないぞ?」


「そ、そんな。なんでそんな事に……」


「瞬間的に回復しちまうんだよ。少し腕を吹き飛ばしたくらいじゃな。まぁ、痛みは強烈らしいけど」


「あいつ、いったい何処でそんな能力を……」


私が悩んでいると、肩をガドに叩かれて顔をそちらに向ける。ガドの顔が苦い。え?何かありました?


「王女よ、残念だったな」


「え? わ、私!」


「不死解除の薬」


…………原因は私かぁぁぁぁあ!


「思い出したか?」


「はい、ハッキリと」


「やっぱりお前達が原因か。よくもあんな呪いをかけれたな」


「かけたと言いますか、知らなかったと言いますか、自爆と言いますか……」


「そこら辺も考慮して、作戦考えんぞ」


「はい」


「頼む」


私は過去の自分を殴りたくなった。

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