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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画48

キノコに案内してもらうこと数時間……。道中では可愛らしい犬(魔物)や美しい花(魔物)さらにはキノコの知り合いから話しかけられて少し盛り上がったり(魔物)、とても楽しい時間を過ごしていました。

私の横を歩いているこの魔王はね!

私ですか?魔物達に会う度になんで人間がいるの、別に良いけど早帰りな。みたいな目で見られて、よくわからない魔物冗談話を聞かされて、疲労が溜まりに溜まっています。いちいち寄り道しやがって……。


「この世界の魔物達はとても面白い者達ばかりだな。なぁ、王女?」


「どこが面白いのかわかりませんよ。というよりも、2人が他の魔物達となんか爆笑しているときに私が死んだような目でまだ? って顔をしていたのを見てなかったんですか」


「え? 王女も笑ってなかったか?」


「うわぁ、脳内でどんな変換がされているんですか。よく思い出してくださいよ、キノコと魔王が他の魔物達と話しているときに、私はそばに居ましたか?」


魔王が少し悩み顔をして、そしてこちらを向いて。


「お主居なくね?」


「話の内容が魔物あるある過ぎて、離れた場所でジィーーッとしていたんですよ。だから、笑っているわけないですし、そばに居るわけないんです」


「なんか、すまなかったな。人間には面白くなかったのか」


「ええ、よくわかりませんでした」


「そろそろ到着するぞ! しっかりついて来いよ」


キノコの声で魔王との会話を終え、前の方を見ると洞窟が見えてきた。あれがダンジョンなんですね。様式はあまり変わらないのですね。


「あ、やっぱり違いますね……」


「ん? どうした? ここがミノさんのダンジョンだぞ?」


「いえ、こちらの話です」


普通のダンジョンって洞窟があって、ここがダンジョンか洞窟なのか?というところから始まると思っていたのですが、何故ここに看板があるのでしょうか。

こちらの言語は会話に関しては魔王のおかげでなんとか話せるようにはなりましたが、文字はまだわからないんですよね。


「魔王、この看板にはなんて書いてあるんですか?」


「ミノタウロスのダンジョンと書いてあるぞ」


「そうですか……」


平和だな。本当、平和だな。


「それじゃミノさんに会うけど俺が話すまで、黙っていてくれよ? ややこしいからな。ああ、どうか機嫌が良い日でありますように」


「わかりました。それではダンジョンに行きましょう」


「いやいや! 普通にダンジョンに入ろうとするなよ! えっとここら辺に……。あったあった。ここをの穴から入れば、直接ミノさんのところへ行けるから」


「何? せっかくのダンジョンを楽しまんのか」


「魔王……。優先順位を考えてくださいね?」


キノコが地面のとある部分を引っ張ったら、いわゆる秘密の通路が現れた。魔物専用の連絡通路なんでしょうね。

そして、魔王。残念そうにしない。


通路をしばらく歩いていると鉄の扉があり、キノコがその扉を叩いた。


「ミノさん、居ますか? 少し話したいことがありまして来たっ「うるさいわ! 死ねぇい! やっと休めたんだぞ! この俺の眠りを、ただでさえ少ない休みを削ろうとする奴は殺してやる!」……」


扉がバンっと開いたと思ったら、大きな斧がキノコを真っ二つにした。真っ二つ……。え?キノコ殺された?これはどうしたら良いんですか!


「ああ? まだなんか居るなぁ。どいつもこいつも俺の貴重な睡眠時間を邪魔するなぁ!」


ミノタウロスがこちらにも斧を振り下ろしてきた。これはやばい!


「ふん、ただの睡眠の邪魔如きで仲間を殺すとは思っていたよりも使えん奴なのか?」


斧は魔王が片手で受け止めた。うん、そういえばこの人魔王でしたよね。魔族のトップですもんね。別の世界でもそこら辺の魔物には勝てますよね。

普段がそういう強いところを見てないので、そんな印象が無いんですよね。


「なんだ? お前は」


「その前に質問をさせてもらう。もう攻撃は止めるか? それとも続けるのか?」


「さっさと俺の質問に答えろぉ!」


「睡眠不足で知能が低下しているのか? なら、少し、寝かせてやろう」


ミノタウロスが空いてる手で殴りかかって来るのをまた防ぎ、私には認識できない速さで魔王がミノタウロスを吹き飛ばしていた。

片腕を突き出しているところから、殴り飛ばしたんでしょうかね?

吹き飛んだミノタウロスは壁にぶつかって、そのまま動かなくなった。


「えっと、殺してませんよね?」


「大切な情報源であり、この世界の魔王への連絡できる奴を殺すわけないだろう。寝たいと騒いでいたから、気絶させてやっただけだ」


「まぁそれなら起きてくるまで待ちましょう。それで、その、キノコはやはりもう?」


「そうだな、生態がわからんがさっきから動かんし。おそらく死んだのだろう。まったくこのミノタウロスめ、話に聞いてはいたがこんなに暴れるとはな」


それからミノタウロスの部屋へ入り、色々と眺めるが特にこれといって珍しい物もなく、ただ暇な時間が過ぎていった。


「ん、ん? 俺はなんでこんなとこで寝てんだ?」


ガラガラと瓦礫が落ちる音とともにミノタウロスが起き上がった。まだ暴れますかね?


「おい、ようやく起きたらしいがどこまで記憶がある」


「なんだ? お前達は?」


「あーー。覚えてないんですね、あれだけ暴れようとして」


「は?」


「お主は睡眠不足やらで暴れ、我らと一緒に来ていた魔物を1人殺したぞ」


「あちゃ、またやっちまったか。疲れてたからなここ最近」


「罪悪感とかは無いんですか?」


「俺の性格はここら辺の奴なら知ってるはずだ。なのに来たのは覚悟して来たって事だろ。だから知らん」


「平和だと思っていましたが、そうでもないのでしょうか?」


「そんな事よりもいい加減にお前達が誰なのか教えてくれ」


「そうですね。私達は本来ならキノコの魔物に貴方を紹介してもらい、色々と相談して魔王に会わせていただこうとしていたのですが、肝心のキノコを貴方が殺してしまったのでどうやって信用やらなんやらをしてもらうか悩んでいる者です」


「あーー。なんかややこしいな」


「お主のせいでな」


「まぁ、あの扉から来たならそこそこの信用はできるんだろう。さて、話を聞かせてもらおうか?」


あ、また同じ話をしなくてはいけないんですね。なんだか嫌になってきましたよ。あと何回こんなやり取りをしなくてはならないのでしょうか?

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