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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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勇者記録4(勇者精神崩壊計画)

何故だぁ!なんで誰も俺を手伝わないんだ!俺は勇者だぞ、ちくしょう…これもあのクソどものせいか?嫉妬して消えたクズ男は殴ってどこかに行ったからな。この魔王殺しが終わって、王になったら絶対に見つけ出して処刑してやる。


「勇者様。あっちでも情報収集したが魔王を倒す剣なんて知らないと言っていた。本当にあるのか?」


「黙れ!いいか?こんなの定番であるんだよ!勇者には必ず魔王を殺せる武器が用意されているんだよ。シラー…真面目に探してんのか?」


「落ち着けよ。俺も真面目に聞き込みなどしているが、そんな剣を知る人物がこんな平凡な村に居ると思えない。場所を変えないか?」


「クソッ!なんでこんなに上手くいかないんだ!俺は勇者なのに!」


「そもそも、俺達2人では探すのも時間がかかるからな」


「どいつもこいつも使えない!」


どうなっているんだこの世界は。この俺は勇者であり、魔王を倒す者。ならばそろそろそれ用の装備が出てこなきゃいけないだろ。神の御告げはどうした?まさか、あのクソ女が居ないからか?あんな洗脳イカれ女1人居ないせいなのか?ペットとして、無理矢理引きずれば良かったか?でも、あの女は隙を見せると洗脳をしてくる危険な女だ…。なんであんなのがシスターになれたんだ。


「この世界の神はなんなんだ。人間の味方じゃないのか。さっさと俺の味方をしろ」


「神?よくわからないが、それなら何故ベルにあんな事をしたんだ?」


「あの女の名前を言うな!それにあんな事だと?あれは正当防衛だろ!」


「暴言を吐き、眠らせて奴隷として売ろうとしたのは…。あの時私が間に合っていなければ、目覚めていたベルも暴れて大変な事になっていたぞ?」


「うるさい!とことんあの女はイカれていたんだ!自分は洗脳したり嘘をついたりしておいて、あんなのが仲間だったなんてな…。最悪だ」


そうだ。あいつは嘘もついてたんだ。なにが探知魔法に優れているだ。ずっと魔族が居る気配がしますとか言いやがってよ。睡眠時間を削ってまで襲撃に備えたのに来なかったな。そのことを言ったら言い訳がましく、どこからかはわかりませんがたしかに反応がありますとか。うだうだ言ってよ…。元々使えない女だったんだ。頭のおかしい女だったんだな。

俺の運は最悪だよな。仲間集めから失敗していたなんて…。嫉妬しやがるクソ使えない魔法使いに、頭のイカれて勇者の名前目当てで近づいて洗脳してきた自称シスター。俺が不幸なのも全部あいつらのせいだ。あんな奴らと関わったせいで勇者としての質が下がったんだ。そうだ、シラーは大丈夫なのか?こいつは、マトモなのか?


「おい、お前は普通か?」


「…唐突になんだ?質問の意味がわからないのだが?」


「あの2人、使えないクソ魔法使いやイカれシスターみたいにお前もなにかあるんじゃないだろうな?言え!なにを企んでいる!」


「落ち着け勇者様。俺は何も企んでいない。いきなりどうしたんだ?やはりここ最近余計におかしくなっているぞ?」


「おかしい?俺がおかしいだ?そりゃおかしくもなるさ!仲間達がとことん使えないクソどもで、これからの旅でも魔王に対しての武器や対抗策が1つもない!勇者の俺がなんでこんなに苦しまなきゃいけないのか!何故未来の国の王がここまで愚弄されるのか!理解できない!我慢の限界なんだよ!」


「はぁ。まず、私は裏切らない。というよりも何度もお前の悩みやなんやらを手助けしてきたと思うが?そんなに信用が無いか?そして、落ち着いて考えろ。ここで私もパーティーから抜けたらこの旅をお前は1人でする事になる。できるのか?今現在の不安定な精神状態で。簡単に想像ができるな、情報収集もできなくてドンドン何もできなくなって、結果的には魔王も倒せない未来がな」


「チッ。行くぞ」


気に入らない…。全てが気に入らない。さっさと魔王殺して、この世界を好き勝手にしたい。


「そうだ。聞きたかったんだがいいか?」


「なんだ?」


「勇者様は魔王を倒したら普通にこの世界で暮らそうとしているが、自分の元の世界には帰りたいとは思ってないのか?」


元の世界か。何がある?最初はなんで魔王なんて倒さなきゃいけないんだと思った。そんなのはどっかのフィクションで良いと。しかしどうだ?倒したら元の世界では考えられない美人との結婚。彼女なんていなかった俺にいきなりそんな存在ができた。しかもその美人にはこの国の最高権力になれるというオマケまである。そう、元の世界に帰るほうがデメリットしかない。そう、魔王さえ殺せば俺の人生は最高の人生になる!


「帰っても意味が無いからな。リーンとの結婚やこの国の権力…。なんで捨てなきゃいけないんだ?」


「そうか。もし、王女が結婚を拒んだらどうするんだ?」


「拒む?何を言ってるんだ?リーンとの結婚は絶対なんだよ。決まっているんだよ、約束なんだよ、愛し合っているんだよ。そうだ、シラーお前もしもリーンにあの洗脳女との事バラしたら…。殺すからな」


「ああ、言わない。絶対に」


「なら良い。はぁ、どこにあるんだ?魔王殺しの武器は?」


勇者に会ったら、村の人達は口を揃えて言う。その言葉は決して勇者への言葉とは思えない言葉である。勇者への希望を抱く言葉ではない。


【あれが勇者か。俺達は魔族に滅ぼされるんだ。あんなイカれた勇者じゃ魔王なんか倒せない】

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