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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
36/92

計画33

我が部屋で今後の事で悩んでいると、扉をノックされた。我に用事とは王女は何かあったのか?そう思い玄関に向かう。思い出すのは、

さっきの別れ際の顔である。人間は身だけではなく心も脆い生き物だ。ましてや、あやつは王女だしな…追い詰められ事になれていないであろう。まったく、覚悟して我々と勇者を抹殺しようとしていたのではないのか!なんだかんだと、人間だと再確認させられたな。向こうから来たなら、そこらへんの話をしっかりとするか。


ガチャ


「王女、何用だ?」


「やぁ、魔王君。中に入っても良いかな?」


「…誰だ貴様」


扉を開けると確かに王女は居たが、この王女は中身が王女ではない。


「おいおい、そんなに警戒すんなって。ほらほら、王女のリーンだぞ〜?あはは」


「この…」


「おっと、攻撃すんなよ。怪我するのはこの王女だからな?てか、いつまでもこんな場所に立たせるなよ。女の子には優しくって習わなかったか?」


「いいだろう、入れ」


お邪魔しま〜す、といういつもとは違うどこか馬鹿にしたような声で部屋の中に入って来た。


「それで、貴様は何者だ?王女に何をした?」


「なになに?そんなにこの王女ちゃんが心配か?安心しろよ、ちゃんと体を貸してくれるって言ってくれたからな」


「答えになっていないな、貴様は誰か王女に乗っ取り何を目的をするかという意味を聞いたのだ」


「やれやれ、俺はどっちかといえば味方なのになぁ。そんなに警戒させると悲しくなってくるよ」


味方だと?王女の体を乗っ取り我に近づいてきて、何が目的なんだ?


「今、何が目的だコイツって考えただろ?」


「なっ!」


「そういうのは顔に出るタイプだよ、お前。はぁ〜、俺は神だよ、神。今日お前らの話を偶々聞いててな、それで助けてやろうと思って来てやったんだよ」


「か、神様…そんなわけが。神々は多忙で会うのには厄介な手続きやらが必要だ!そんな神様が自ら来たなぞ、信じられん!」


「特別に来てやったんだよ。面白そうだったからな」


「何の神だ。神としか言っていないぞ、何の神なんだ」


我がそう問うと、くだらないという目をしてこちらを見てくる。なんなのだ、こいつは本当に神なのか?


「あのさぁ、何の神とか必要?俺は助けてやるって言ってんだ…ありがたく思っとけよ。ただひれ伏せ」


その言葉を聞いただけで全身が硬直してしまった。何よりも、死を感じてしまった。


「ま、こんな風に人質みたいな感じで来たら疑うか?それに普通の感覚だったら知りたいのもわかるかな。でもさ、とにかく話をしない?」


「わかりました。先程までの無礼をお許しください」


「あーあー、俺そういうの苦手だから。もっと軽くいこう。さて、本題だけど勇者だよなぁ」


なんなのだ、この神は。つかみどころがわからぬ。


「この王女ちゃんが嫌がってる勇者…加護を消したいって言ってたけど、ある方法があるけどやるか?」


「どのような方法でしょうか?」


「もっとフランクになればいいのに。なに、手っ取り早い方法だ。加護なんて消すんじゃ無く、勇者そのものをこの世界から追い出せばいい」


「え?」


一瞬何を言われたか理解できなかったが、理解していくとそんな事が可能なのかという疑問が湧いてくる。


「そのような事が可能なのですか?この世界から追い出すなんて、召喚は聞いた事があっても送り出しなんて前例が」


「そりゃ無いさ。意味が無いことしてもな。だが、今回は違うだろ?この王女と魔王の願い!いや、王女と魔族か?まぁ、どっちでもいいかその両者が種族を超えて願う事だ!楽しいな」


「それで、肝心のその方法はなんでしょうか?」


「もともと、あの勇者は異世界から来てる。普通に他の世界に吹き飛ばすよりも、元居た世界に送りやすい」


「なるほど。それでは何を用意すれば?」


「膨大な魔力だな。まぁ、それはお前が居るから大丈夫だろう。あとは術式だが…特別に俺が教えてやるよ。優しいな、俺は」


「ありがとうございます。その、何故こんなに我々に味方をしていただけるのでしょうか?面白そうだからという理由だけでは、なんと言いますか理解が…」


「理解しようとするのが無理だろ?だってお前達は生き物で、俺神だ。生きてるステージが違うんだよ。細かいところを気にする魔王様だな〜」


勇者が排除できる。最高の知らせだが、信じても良いのか。神と名乗っているコイツは信用できる雰囲気をしていない。クソッ!何故王女はこんな奴に体を渡した。どれだけ追い詰められてたのだあの王女は。せめて何の神さえわかれば…。


「それじゃ、俺は向こうに戻るまで王女ちゃんの中に居るから。それまで俺を呼ぶなよ?あとさ、この王女ちゃんを少しは慰めてやれよ。仲間みたいなもんだろ?」


「その、人間のそういった気持ちはなかなか難しく…。王女はそこそこ頭が良いので大丈夫な気もするのですが。気をつけて様子を見ようと思います」


「ああいう気持ちは魔族も人間もそこら辺は変わらないけど…。てか、そのスタンスって魔王君って絶対にモテないよね〜。それじゃ、またね!」


そう言って床に倒れた。これで目が覚めたら中身は王女なのだろう。王女に神のことを聞きたいが、『呼ぶなよ』と言っているあたり…こちらの声などは向こうに聞こえているのだろうな。面倒な。

皆様あけましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いします。

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