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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画29

王女が!

扉を叩く音で目が覚める。何でしょうか?こんなにも気持ちの良い眠りを邪魔する音は?

扉を睨みつけ、もう1度ベッドに潜ると。


「王女!まだ寝ているのか!待ち合わせの時間はとっくに過ぎてるぞ!!」


外から魔王の声が聞こえますね。放って置いてくださいよ、今は。この天使も堕落させるぜベッド。略して、テンラク人生ベッドが最高に気持ちが良いのですから…。


ガチャ、バタン!


「おい!なんでまだパジャマなんだ!シャキッとしろ!」


「なっ、なんですか!乙女の部屋に勝手に入るなんて最低ですよ!」


「約束の時間を3時間も過ぎて、未だに寝ようとしておる奴が最低とは…笑わしてくれる!」


「人間には睡眠が大切なんです。その事に私はここに来て、しっかりと理解しました」


「まんまとこのベッドに魅了されおったな…。やはり、人間だな王女も。良いか、我々の目的は神に会い勇者の加護を消す事だぞ?忘れたのか?」


そうです!私には変えなければならない未来が!ここでベッドの虜になっている時間は…無い…いや、少しくらいなら?いえ!有りません!


「着替えますので、外で待っててください」


「寝るなよ?」


「ええ、もう寝ませんよ。大丈夫です、大丈夫」


魔王は寝るなよ?と言いながら部屋外に出るのを確認し、私は外へ行く準備をした。


「お待たせしました」


部屋の外に出ると魔王がやっとかという顔でこちらを見ている。


「まったく、何を考えているのだ」


「すみませんでした。ところで、これからどこに?」


「役所に行って申請だ。この時間からだからな…混雑してるな」


「あの、その前に何か食べませんか?」


「その時間も込みで待ち合わせしておったのに、今まで寝ておったのはどこの誰だ!これ以上何かしていたら、ドンドン時間が無くなる。飯は抜きで役所にに行くぞ」


私が悪いのはわかっていますが、それでもお腹は減りますよ…。

役所に行く途中、神界名物ペガサスの手羽先!やフェニックスのゆで卵美味しいよ!等の看板が有ったが。食べて大丈夫なんですか?神聖な生き物ですよね?疑問に思っていると声をかけられた。


「ここだ、着いたぞ」


魔王の視線に振り向くと、なんとも大きな建物が。真っ白ですね、光の反射で目が悪くなりそうです。


「ここで申請するのですよね?」


「ああ、ここからが耐え忍ぶ試練だ。行くぞ」


中に入ると大勢の人間や魔族があっちこっちに居て、ワーワーとうるさい。


「こっちだ、王女」


魔王の後ろに続き歩くと、神界総合案内という場所に来た。


「ようこそ、こちらの整理券をどうぞ」


「どのくらい時間がかかる?」


「そうですね、この調子ですと3時間はかかるんじゃないんですかね?」


嘘でしょ?そんなに待たされなければならないのですか?


「そうか、わかった」


「え?魔王、私達は何も食べてない飲んでない。かなり疲労状態での3時間を過ごすつもりですか?」


「…だから早く来れればこんな事には」


「一旦外で食事をしましょう!3時間もあるのですよ?」


「整理券は外に出ると無効になる、そしてこの後の時間はさらに混む」


「ならば、私が何か買って来て…」


「飲食禁止だ」


「そしたら…私達は…」


「自業自得だ。我は巻き添いだがな」


「すみませんでした」


それから私達は会話も無く、お腹が鳴りつつただ地獄のような3時間を過ごしました。


「整理券番号5083番の方どうぞ」


「我々だ、行くぞ」


「はい」


呼ばれた場所へ行くと、1人の天使が居た。


「本日は何の御用でしょうか?」


「神の1人と会いたいのだが」


「どの神でしょうか?」


「えっと、加護扱いなのか寿命扱いなのかがわからないのだが…」


「詳しく教えて頂ければこちらでお調べしますよ」


「その、地上に居る勇者が死んでも必ず蘇る事ができるのだ」


「はいはい、それで?」


「その蘇るのを無くしたい。という事で来たのだが」


「そうですか、少々お待ち下さい。お調べしますね」


そう言って天使は席を離れた。


「どうなりますかね?」


「うむ、わからん」


「わかりませんか…」


「我もこんな事は初だからな」


話していると天使が戻って来た。


「お待たせしました。お調べしたところですね、この申請書と神会い紙を書いてもらうのと、こちらの受け付けに行ってご予約してもらわなくてはいけないですね」


天使が出した紙を見ると。

加護解除窓口への案内紙、寿命取り扱い窓口への案内紙、加護解除申請書、寿命の神と加護の神への神会い紙。これらがあった。


「えっと、こちらで提出するのは?」


「無いですね。加護解除窓口で、この加護解除申請書と加護の神に対しての神会い紙を提出して下さい。寿命取り扱い窓口では、こちらの寿命の神の神会い紙を提出お願いします」


「わかりました」


「記載漏れには気をつけてください。案内は紙に書いてありますので、よろしくどうぞ」


「ありがとうございました」


「はい、またどうぞ」


こうして色々と提出用紙を貰い、私達は席から離れた。


「どこで書きます?」


「どうせ、先ず最初に行く加護解除窓口でも待たされるのだ。その時に書けば良い。さぁ、行くぞ」


「少し休憩しませんか?何か食事でも…」


「今日中にはこの全申請を終わらせたいのだ。どの窓口でもかなり待たされるのに、さらに神に会うのにも予約をしても、時間がかかると言ったと思ったが?」


「頑張りますか」


「行くぞ」


その後、加護解除窓口で4時間。寿命取り扱い窓口では、魔族の意見で人間の寿命を減らせないと言われ却下されかけた。しかし、私も人間代表として連名で提出したら、渋々受け取ってもらえた。寿命の神はそんなに会うのが難しいのだろうか?そんなやり取りで、6時間もかかり全てが終わったのはもう夜中に近い時間だった。


そんな時間に開いてる店は無く、私達は今日1日を飲まず食わずで過ごす羽目になってしまった。魔王は何も話しかけてこないが、なんとなく責められているのがわかる。そのまま無言でホテルに戻った。次の予定を決めてないのだが…私のやる事はただ1つ。起きろと言われたら、すぐに起きる。それだけだ。そしてそのまま私はベッドに倒れ込んだ。

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