計画27
勇者弱体化作戦、検証の結果は私の精神に多大な犠牲を出しておきながら最後の最後に望む結果は得られませんでした。あのクソ…失礼、あのゴミ野郎は何故か、本当に何故なのか他の女性とのキスでは弱体化しませんでした。シラーからの報告後にシスターとイチャイチャな関係になったと聞き、刺客を送り力試しをしたところなんで、ステータスキープ状態なんですかね?しかも私はまた余計な事に勇者の仲間を仲良くさせてしまった事で、不仲で連携が上手くできていなかったのを、円滑にさせるというアシストをして…馬鹿なんですか私は?まぁ、でもアレですよね?これで、勇者がなんか気持ちの悪い事を囁いてきても、貴方にはシスターがいるでしょ!と言えますし?+か−で言ったら、+ですわ!うん、問題ないですわ!
「王女?そろそろ現実に戻ってきてくれ、その目が怖いから」
魔王が何か言っていますね〜、私は現実的な思考を、ふふふふ。
「これぇってある意味ぃ、勇者が王女に1途なのかしらぁ?」
「あぁ?」
「王女、落ち着け。なんか顔が怖いから」
「確かにな〜王女だけしか弱体化させれないとか、なんでだ?」
「知りませんよ!」
「まぁ、皆。終わった事だ、勇者弱体化はもう不可能なのだから」
「不可能?また王女がキスすれば良い」
「おい、なんつった?もう1回言ってみろや、その角折ってやるよ。なぁ?」
「王女、落ち着け。落ち着くのだ。悪気は無いからな?な?エンシェント、王女とはな約束していてな。あの計画でもう2度とキスはしないと」
「勇者の敗北確率が高くなるのに?」
「その前に我が王女に敗北させられるから。ええい!とにかく、弱体化計画は終わりだ!良いな!」
会議室の全員があまり納得いっていないようですが、知りませんよ。しませんから、もうキスなんてね!フラグじゃないですからね?
「さて、改めて。元々の勇者の蘇生についてどうにかしよう計画なんだが、我から1つ案がある」
「予想外ですね、魔王からそんな蘇生無効にできるような案があるなんて」
「うむ、できるかわからんのだ。この案には王女と我が2人で行う事になる」
「私もですか。どんな計画なんですか?」
「我と王女は…神界に行って来ようと思う」
会議室が騒ついた。しんかい?海の底に行って何をするのでしょうか?
「魔王様!行っても無駄ですよ!」
「わしもそう思うのぉ。行っても成果はないじゃろう」
「あの、海の底に何が?」
全員が私に注目する。なんか変な事言いましたか?
「王女、海の底の深海ではなくてな?神の居る場所の神界だ」
「え、神…様ですか?会えるんですか?」
「かなり面倒」
「確かに手続きとかな、アレどうにかなんねぇのかな?」
なんでこんな神様に会うのが普通感なんですか?これが人間と魔族の違いですか…。
「その、魔王。なんで私が居ると勇者の蘇生がどうにかなるんですか?」
「神は立場中立でな?人間の願いも魔族の願いもまず聞く。その中で可能なのを実現してくれるのだ」
成る程、そういう事ですか。
「つまり、勇者の蘇生加護は神からの物。それを人間側と魔族側の両方から外してくれと願い出るのですね?」
「ああ、しかも魔族側は我、魔王。人間側は王女。どちらもトップレベルの願いだ。ワンチャンな」
「そんな手があるならなんで最初から使わなかったんですか?」
魔王はとても苦い顔をしていた。
「神界はな?かなりその、面倒なんだ。行ったらわかるが…。とにかく、うん」
なんなんですかね?そんなに神界は変なのですかね?
「魔王様。神界へ行くにしても時間は…」
「大丈夫だ、ちゃんと予約はしたそしたら運良くてな。神界行きの便がギリギリ空いていた。不眠で張ってて良かった…」
え?神界って人気なんですか?
「という事で、我と王女は暫くここを留守にする。その間を頼むぞ」
「「「「「「「お気をつけて」」」」」」」
私は魔王に連れられて自室に連れて来られた。
「それでは、神界に行くからこのカバンに服とか色々必要な用品を準備してくれ。30分後に部屋の前に迎えに行くからな」
そう言って魔王は去って行った。なんだかワクワクしますね、未開の土地!しかも神様に会うなんて。
30分後に約束通り魔王は来た。
「王女よ、準備はできたか?」
「ええ、バッチリです!とても楽しみでしょうがないですよ」
「楽しみか…いつまでその気持ちが続くかな(ボソ)」
「ん?なんですか?」
「いや、早く行くぞ」
魔王の後に続くと、城の門から抜けそこで魔王が2枚の紙を取り出し、1枚を渡してきた。
「王女、そのチケットを千切ってくれ。点線に沿ってな?」
[神界行きノーマルクラス便]
「ノーマルクラス便ってなんですか?」
「…初めに言っておくが、ハイクラス便なんて普通に乗れるからな?偶々空いてたのがノーマルクラスしか無かったのだ。ロークラスじゃなかっただけマシだからな?ケチじゃないからな?」
「は、はぁ」
なんとなく私が乗るのが中間の乗り物って事は分かり、チケット自体が入手困難なのが理解できました。
「では、行くぞ」
私は言われた通りに点線沿いにチケットを千切った。すると揺れる椅子の上に座っていた。
「え?なんで?」
「チケットが直接席に座るようにできてるのだ」
「へぇ〜、凄いですね。そしてこの揺れる椅子は?」
「ノーマルクラスはこの大量の並べられた椅子に指定された場所に座らせ、陸から神界に行く便なのだろうな」
「他の便はどのような?」
「ハイクラスは大量の並べられた椅子に指定された席に座り、揺れずに神界に快適に行ける。どのように行ってるのかはわからん。ロークラスは、椅子が無い。そして物凄い密着度で陸を揺れながら進む。アレは…暑いし気分が悪くなるな」
「絶対にロークラスは乗りたく無いですね」
ロークラスとかなんですかそれ、地獄じゃないですか。
「さて、王女。向こうに着いてからなんだが基本的に我について来てもらう、迷子になるなよ?」
「そんな歳でも無いですからね?」
こうして私の初神界への旅が始まった。




