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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画24

「リンちゃん、貴女もあの魔物にここに連れてこられたのね」


「はい、そうです」


「大丈夫よ。あの魔物、何を考えてるのかわからないけど、こちらに今まで害を与えた事は無いから。だから怖がらないで」


「そうですか、それなら安心ですね」


村に戻った私達…。そして、計画の実行によりサキュバスはまた洗脳をしている。私は、創作魔物に攫われた事になっている人達と一緒に、洞窟におりとても目が死んでいます…。手筈では村人が、この目の前の魔物の住処を発見し勇者に教える事になっている。助けに来るであろう勇者は目の前の魔物を倒して、私達を助ける。その後私はなんやかんや頑張って…キスをする。絶望しか無いですね、自分で言ってて。この計画を引き受けましたが、やはりどうしても心が死んでいくのがわかります。できる事なら勇者がこの村をスルーしてくれないでしょうかね?連絡では残酷なまでに真っ直ぐ向かっているようですが。


「俯いてるけど、やっぱりまだ怖いわよね?こんな場所に連れてこられて、何させられるかわからないんだもの」


「はい、もうこれからの事を考えると怖くて、もう絶望してます」


「そんなに怯えてるなんて…可哀想に」


「俺達大人でも不安なんだ、リンちゃんもそりゃ怖いだろうよ」


周りが励まそうと色々と言ってくれますけど、未来はわかっているのです。これ、ヤラセですし。良いですよね、あなた方はなんの害も無く平和に終わるんですから。私は確定した罰ゲームが決まってるんですよ?八つ当たりで何かしてやろうか?


「そこの女、こっちへ来い」


創作魔物が私に命令する。


「待て!リンちゃんに何をするつもりだ!」


「黙れ!用があるのはその女だ」


「リンちゃん、行っちゃ駄目!何をされるかわからないわ」


「そうだ!無理に連れて行くなら、俺達が相手してやるぞ!」


なんでしょうか…この人達物凄く良い人達ですね。騙してるのがとても罪悪感が湧いてくるのですが。


「皆さん、良いんです。皆さんが怪我をなさるほうが私は辛いので…魔物さん、ついて行きます」


「そういうことだ。お前らはここにいろ」


後ろから、気をつけてや何かあったら叫べとか言われる。すみません、打ち合わせなんですよ…これ。奥の方へ行き、創作魔物魔物が口を開く。


「ちょっと〜王女人気過ぎですよ。なんですかアレ、完璧に俺悪者じゃないですか。なんか1人の男性の目見ました?すごく睨まれて怖かったぁ」


「なにビビってるんですか、これから勇者に殺されるというのに。そもそも貴方は悪役でしょう」


「いやぁ、勇者に殺されるのは良いんですよ?そういう風に設定されてますからなんとも思わないんで、でも他の人から悪感情向けられると流石にキツイっすよ?」


「はぁ、くだらない話は終わりにしてどうなんですか?勇者達はもう来たんですか?私をここに呼んだという事は」


「はい、今村人に話を聞いてこっちに向かってる感じですね。なんか、勇者の顔が鬼の形相だとか…」


「どんだけ必死なんですかあの人…」


本気で勇者の考えがよくわからない。もう完全にリーンはそこまで好きではなんじゃないのでは?心はリンに傾いてますよね?これでリーンのが…とか言われても信用できませんよ?


「では、計画通りに…」


「はーい」


洞窟前


「ここにリンが…」


「勇者様!落ち着いてください!こんなのおかしいですよ、村の人達はリンの存在を覚えていなかったんですよ!なのに今は覚えていて、魔物の住処まで知っているって…これは罠です!」


「俺もそう思うぞ。村もグルなのか、どうにも怪し過ぎる…都合が良過ぎだ」


「…」


「しかし、他の人達も実際に攫われてるし…」


「だから、村もグルって言ってんだ。なんで今更色々とこんなに情報も出てくる!少しは落ち着いて俺達の話もいい加減に聞け!」


「…わかりました。ザザールさんとベルさんはここに居てください。そんなに怪しいと思ってる人達とは連携して戦えません。シラーさんはどう思ってますか?」


「魔物が居ることは確かだと思う。そして村人が洞窟に攫われてるいるのもな。俺はただ村人を救いたいと思っているだけだ。もし、これが罠だとしても救いに行かなかったほうが、俺は後悔するだろう」


「シラーさん…では、一緒に行きましょう!そして、魔物を倒して囚われている人達を助け出しましょう」


「勇者様…」


「では、2人は待っててください」


勇者とシラーは洞窟の中へ入って行った。


乗り込んで来ましたか。しかし、何故2人?勇者とシラーしか居ないのは何かの作戦ですかね?まぁ、支障は無いでしょう。


「ん?何者だ、お前達」


「俺は勇者だ!こっちは仲間のシラー!お前だな、村の人達を攫っていたのは!」


「だったらなんだ?」


「…村人を返してもらう」


「そうはいかないな、やっと見つけたのだから。俺の体になる人間を!」


「な、どういう事だ!」


「俺は作られた存在、そのせいか体がだんだんと維持できなくなった。そして、自分の魂の適合する体を探していた。その体がコイツだ!」


その宣言後に磔で出てくる私をガン見してくる勇者。おお、めっちゃ驚いてますね。


「貴様!リンに何をした!」


え?呼び捨て?この人今呼び捨てにしましたよね?呼び捨ての衝撃で台詞を忘れるところでした。危ない…。


「ゆ、勇者様?本当に勇者様ですか?助けに来てくれたんですか?」


「ああ!待ってろ、今助ける!シラーさんは他の人達をお願いします」


「わかった」


「まったく、やっと見つけた体。儀式ももう少しで終わりだったというのに…覚悟しろよ?」


「覚悟するのは貴様だ!」


そこからはただの劇でした。結末が決まってる茶番劇。少し剣を交えただけで創作魔物は斬り殺された。


「クソォ…この体が、完全ならばぁ。完全…ならば…」


その言葉を残し消えていった。少し思ったのですが、創作魔物…本当の気持ちは…そんな考えが頭を過り、その後に創作魔物の言った、『勇者に殺されるのは良いんですよ、そういう設定』という言葉を思い出して私は。


「残酷でしたね、すみません」ボソ


殺されるためだけの命を創ってしまうこの計画に、少し反省をした。でも、犠牲0は無理なんですよ…だからもし、次の機会があるのなら私はまた…。前からですけど、私ってわりと最低最悪の人間ですね。そんな風に思考をしていると勇者が近づいて来た。


「リン!どこも怪我はしていないか?」


私は笑顔で答える。


「はい、勇者様のおかげでどこも異常はありません。ありがとうございました」


そして、勇者は私を縄から解放してくれた。私はそのままの勢いで勇者に、抱きついた。犠牲0は無理…そうなんですよ…だからこれからやるのも必要な犠牲の1つなんですよね。


「リン!?」


「怖かったです」


「もう、大丈夫だよ」


「勇者様、私は死ぬんだと思いました…」


「生きてるよ、リンは生きてる。ほら、こうやって抱きしめられる」


「勇者様…」


私は勇者の顔へ向き、目を閉じた…。そして、何かが近づいて来る気配を感じながら、2度目のキスを勇者としたのだった。計画通りになった。

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