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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画23

なんで崩壊?意味がわからないんですが?何が起きました?展開がもう色々起き過ぎて、何が何やら。


「うむ、お前が原因であるんだがな」


「私ですか!何かしました?毒殺したのがバレたとしても、それでなんで仲間同士で喧嘩なんかに?」


「勇者だけ…お前が犯人とは思っておらんのだ。むしろ、かなり心配してる」


「ごめんなさい、耳が悪くなってしまって。勇者がどうしましたか?」


「おいおい、これで現実逃避をしていたらこのあとの話、保たんぞ?」


聞きたくない。とても聞きたくない。


「復活した勇者はお前の心配をしたが、仲間達からリンが村から消えた。そもそもあの村にリンという女は存在していなかったという話を聞かされた。その結果、リンが勇者を殺したと皆んなが判断したのだ、まぁ普通の思考だな。しかし、勇者の考えは違った。勇者は…魔物の犯行だと主張。あの時、お前と2人で気が緩み隙を突かれて自分は殺されたとな。そして、その魔物はお前が勇者に嘘で言っていた村の住民を攫う魔物だ。勇者はリンがその魔物に攫われたと判断し、今現在村に向かっている」


残念過ぎでしょう…。なんですか、ありえませんよ。どう考えても、犯人は私でしょうが!なにトチ狂ってんですかね。


「仲間の皆さん、止めないんですか?」


「それで喧嘩だ。魔法使いとシスターはリンこそが魔物だったと、勇者の命を狙って来ていた刺客だったと言っている。だから、村の人達の記憶も残ってないとな。だがなぁ、勇者はリンさんがそんなわけないと認めず、魔物に攫われ何か魔物に不利になる事などを見たとか、なんとかで?村人達から存在を消されたと、言い張っている」


「まぁ、リンさんってばそんなに思いを寄せられて幸せですね」


「お前だぞ、別名リンさん」


「あーーーー!」


頭を抱えて蹲る。なんなんだあの勇者わ!病気だ、絶対に病気ですよ。あの人元の世界でどうやって生きてたんですか?なんか逆に気になってきましたよ!絶対にもう惚れてますよね!じゃないとそんなアホみたいな事しませんもの。


「それでは、勇者達はまたあの村に?」


「ああ、向かっている。魔法使いは無駄足だよなぁとボヤキ、シスターは説教をしながらな」


「それで、どうするつもりなんですか?」


「そのな、なんというか。決まったには決まったんだが。とてもお前には言い難くてな」


何故私にこれからの計画を教えてくれないんですか?言い難くい事とはなんでしょうか?


「何をするつもりなんですか?」


「実験のな再確認というか、なんというか…」


「再確認?」


「ええい!単刀直入言う。王女、すまん。もう1度勇者とキスをしてくれ」


時が止まる感覚はこんな感じなんですかね?今、魔王の口から理解不能な言葉が発せられたような?おかしいなぁ、リーンちゃんは寝不足なのかな?それとも、まだ寝てるのかな?


「そのだな、弱体化の原因を調べたいのだ。薬の単純な効果なら、また殺さねばならない。毒の効果となるとより大変な作業になる。しかし、キスならばこう言ってはなんだが…簡単に確認ができるのだ」


「だったら、お前がしろやぁぁぁあ!」


「いや、無理だろ。頼むお前しかいないんだ」


「嫌です!なんでそんな、残酷なことを思いつくんですか!この鬼畜が!」


「計画としては、あの村に創作魔物を設置する。その横に何人かの村人とお前を置いてだな…」


「やるって言ってないでしょう!なにを淡々と計画を話してるんですか!」


「しかし…」


「しかしもなんもありませんよ!何が悲しくて、あんな思いをまたしなきゃいけないんですか。そうだ!今度は例のドッペルゲンガーに任せれば良いじゃないですか!」


「戦闘する場所には送り出せんだろ。すぐに変身が解ける。今回は創作魔物とお前、そしてサキュバスだ」


「やだ!もしそれで弱体化しなかったら最悪ですし、仮に弱体化したらどうするんですか?」


「もし弱体化した場合。キスが誰でもいいのか、それとも…」


「やめてください、今かなり背中がゾワゾワしましたよ」


もし、私のキスオンリーで弱体化とかならコイツら…何を考えてるんでしょうかね?まさか、何回もさせようとするんじゃないだろうな?もし、そんなこと考えてみろ?魔王、お前の命を絶対に奪ってやるからな。


「どうしても…その計画は実行するつもりですか?」


「会議で決まったからな。皆んな申し訳ないと言っていたぞ」


謝罪なんて、いりません。だってこんな事したくないんですから。そんな事を言うくらいなら、こんな計画を立てないでくださいよ。なんだったらまだ間に合いますよ?キャンセルできますよ?

しかし、リーン。貴女は逃げるのですか?逃げる?何を言って…。だってそうでしょう、思い出しなさい。貴女の本来の目的、目標を。私は、勇者を抹殺して結婚なんていうふざけた未来を変えたい。そうです、それが貴女の最大の行動の源!ならば、そのチャンスに犠牲は付くものです。今は確かに苦しいと思います。悲しいでしょう。しかし、その代償が貴女の望む未来への1歩になるのですよ?さぁ、勇気を出して…もう1度だけあのクソ野郎に、キスをするのです。私は…私は!


「…魔王」


「なんだ?」


「約束してください」


「内容は?」


「今回、その計画を行い勇者にキスをします。そして仮に弱体化が起こった時に理由を探り、その理由が私のキスによる効果だった時。弱体化は諦めて下さい。私がアレにキスをするのは…次で最後です」


魔王は黙った。それはそうだ、弱体化の方法を見つけてもそれが使えないという約束をしようとしているのだから。ここで魔王が頷かなかったら私は魔王を、殺す。私にも限度はある。ここが譲歩してあげれるギリギリ、本当にギリギリのラインなのです。さぁ、魔王…どう答えますか!


「…わかった。その条件に従おう。今回の計画以上、王女に勇者へのキスはさせない。絶対にだ」


「わかりました。では、私は準備します」


「よろしく頼む」


いざ、勇者(決戦)に向けて。私は行きます!


勇者達


「絶対に助けるぞ!リン」


「だから!勇者様、その人は…」


「なぁ、勇者様の奴。なんか異様に執着してねぇか?王女が好きとか言ってなかったっけ?」


「…似てるからだろ?」


「…最低じゃね?それって」

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