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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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勇者記録2(恋計画案報告)

まさかの勇者出番2回目です。

あれから巨大なゴブリンを倒して少し、旅の時間が経った。しかし、不思議なの事に何故か俺は、あれからほとんど魔物に遭遇しない。何故だろうか?あっても、村の人を困らせてるからその村を襲ってる魔物を倒したり、時々珍しく森の中でバッタリと会うくらいだ。そこで俺はハッと思った…。これは、神様が早く愛しのリーンの元へと道を作ってくれているのだと!

(※偶々運が良く会っていないのと、シラーが居るために魔物も、え?アレなんで?ってなり出てこれなくなってる状態です。知能低い奴とは普通にバトルしてます)

やはり、俺とリーンは結ばれる運命なんだ。しかし、最近困った事がある。それは…。


「勇者様、あっちの方で美味しそうなお肉がありましたよ!一緒に食べましょう!」


そう、この女の子。俺の大切な仲間、ベルさんだ。俺はベルさんに惚れられている、困ったことにね。

(※ウザ!と思った方代わりに謝ります。すみません、許してください)

そう、あれは盗賊を倒してた時だった。そこで、俺は好感度をアップさせてしまったのだ。


数日前


「勇者様、ここら辺に村がある場所のはずだぜ?」


「それにしては、なんというか寂れた場所というか…」


「何かあったのでしょうか?」


「あそこを見ろ」


シラーさんが指した方向を見るとボロボロだけど、辛うじて家というのがわかる建物が並んでる。本当に何かあったんだ、魔物か!


「すみません!誰か!誰か!居ませんか!俺達は、魔王を倒すために旅をしている勇者をしている者です!誰か居たら返事をしてください!」


そう言うと奥の方から数人の人が出てきた。


「今、勇者と?」


「はい、俺は勇者をしてます太一って言います。そして、仲間のザザール、ベル、シラーです。その、この村で何があったんですか?もしかしたら力になれるかもしれません。お話を聞かせてください」


こういうのって、よく冒険物のクエストにあるもんな。意外と重要クエストだったりして?


「この村は、盗賊に襲われたんです…」


え?盗賊?この世界にもそんなの居るのか。


「そうだったのか、あんたら災難だったな」


ザザールさん大人な対応!


「はい、盗賊には金品も食糧、そして女性達まで連れて行かれ…もうこの村は終わりです」


「勇者様、盗賊を倒しましょう!」


「え」


「この人達を救ってあげましょう!襲われたのはいつですか?」


「昨日の夜に襲撃されました、おそらく奴らはあの森の中の洞窟をアジトにしてるんだと」


「行きましょう、勇者様!」


待って!俺人斬るの?本当に?


「…勇者様、少し話を良いか?」


シラーさんが手招きをしてきたので、そっちによる。


「お前、人を斬るのに抵抗があるんだろう」


シラーさんは俺の内心を的確に見抜いていたようだ。


「魔物は人とは違う姿をしていたから、抵抗無く斬り殺していた。しかし、自分と同じ姿…ましてや同族を斬るとなると怯んだか」


「…はい。俺は人を斬るなんて簡単にはできないです。その、命もありますし」


「お前は、ふざけているのか?」


何故かシラーさんが怒っている。俺が悪人を倒せないと言ったのがそんなに駄目なのか…。


「命があるのは、魔物も同じだ。お前は既に命のある者を殺している。そんな事を理由に使うな」


「でも、魔物は人間の敵ですよ?だから」


「だから仕方がないのか?殺しても良いと?そうしたら、今回も同じだ。盗賊はこの村同じ人間だが、敵だ!殺しても問題は無い!」


何も言い返せない、シラーさんの迫力に負けている。言葉が出てこない。


「魔物の中には人型の魔物もいる。話もできる。女子供の魔物もいる。そんな魔物と出会った時に、お前は殺せないと言うのか?それとも、魔物は別と殺すのか?話は以上だ」


そう言ってシラーさんは皆んなの方へ行った。俺は、どうすればいいんだろうか…。


結局、村の人達を放って置けないという事で盗賊退治に、森の中に入っている。そして、今目の前にはそのアジトがある。今回は人質もいるためどうすれば良いのか。


「ザザールさんは盗賊退治に経験は?」


「あるな、だから炙り出しは任せろ。その後出てきた盗賊共を勇者様とシラーが殺してくれれば、良いだろ」


「わかった」


「お願いします」


やはり、殺すのか…。そうして、ザザールさんは見事な手際で盗賊をアジトから出した。気を引き締めなくてわ。


「行くぞ」


シラーさんの声と同時に飛び出して、盗賊を斬った…。魔物じゃない、人間という気持ちだけでいつもより体力の消耗が激しい。早く終わらせたい。そうして斬り伏せていくと突然。


「動くな!」


1人の盗賊がベルさんを人質にしていた。ベルさんは村で待っているはずじゃ…。


「すみません、皆さんが心配で後を追いかけてしまいました」


そんな、これじゃ何もできない。


「よーし、そこの2人。武器を捨てろ」


俺は剣を放り投げた。しかし、シラーさんはそのまま前に、その盗賊の方へ行こうとしていた。


「シラーさん!何をしているんですか!」


「彼奴を殺す」


「ベルさんが人質になってるんですよ!」


「選択だ。もし、こんな状況が別の状況で起きてもお前は武器を捨てるのか?」


別の状況?そう言われて瞬間的に浮かんだのは、魔王の事だった。もし、死にそうな魔王が妻のリーンを人質にしたら…俺は…。


「どんな時でも最悪はある。ベル、すまないな。お前を見捨てる、この旅に出た時に死ぬ覚悟はできてるだろ?」


「…はい、元々私のミスです。ご迷惑をおかけしてすみません」


そんな、嫌だ。俺は仲間を失いたくない。選択?そんな最悪の選択なんてしたくない!俺は勇者だぞ!勇者は…主人公なんだ!英雄なんだ!なんでもできるんだ!だから、思い通りになれ!


「うぉぉぉぉ!」


俺は咄嗟に投げ捨てた剣を拾って、盗賊に向かって投げていた。すると『奇跡』が起こったように、盗賊だけを綺麗に貫きベルさんは助かった。


「もう、大丈夫ですよ!ベルさん」


俺が駆け寄り声をかけると、大声でベルさんは俺の胸で泣いた。そして、俺は思った。俺は最悪な選択なんて勇者の力でねじ伏せてやると!俺にはそれができるんだ!

そして…人間でも誰であろうとも、俺は敵を倒さなきゃいけないんだ!苦しむ人を増やさないために!


そんな事があってから、ベルさんは俺に好意的になった。あからさまに、色々と誘ってくるのだ。しかし、俺には妻のリーンが居る。こう見えて一途なんだよ。リーンを裏切りたくない。


「どうしたんですか、勇者様?もしかして、体が痛みます?」


「いや、平気ですよ」


この前、シラーさんの友人のカルさんの情報で俺は魔法使いが作った薬を飲んだ。強くなったのは良いのだが、副作用なのかちょっとしたことで体が痛む。これも何かの試練か?


「キツかったら言ってくださいね?看病しますから!」


抱きついてくるベルさんはとても柔らかくて、そしていい匂いが…ハッ!駄目だ!俺にはリーンという妻が。


「今日も仲が良いな」


「シラーさん、どうしたんですか?」


「武器の手入れをしていた」


「シラーさんの武器は大きいですからね。手入れが大変そうですね!」


シラーさんが何かを悩んだ顔をしている。どうしたのだろうか?


「…お前達はお似合いの2人だな。いっそのこと、付き合えばどうだ?」


「え!シラーさんにもそう見えます?嬉しいです」


ちょっと!シラーさん!何を言ってるんですか!


「…結婚式には呼んでくれ?祝うからな」


そう言って、シラーさんは逆方向へと歩いて行った。


「勇者様、やっぱり私達はそんな風に見られるくらいにお似合いなんですよ!お付き合いしましょう!」


「ベルさん。何回も言っていますが、俺には心に決めた人が居るんです。だから」


「それでも、私は諦めませんから!」


勇者はモテるって性能も…楽じゃないな。辛いや。(※馬鹿なんです、許してあげてください)


村外れにて


「はい、シスターの方はガンガンです。勇者の方は全く。え?台詞通り言ったのか?はい、言いました。いえ、シスターのみテンションが高くなってましたね。勇者は困ってました。ハァ、わかりました。頑張ります。それでは」

(普通のスパイ活動を魔王様に知らせて、恋愛作戦を王女と計画を立てる…俺ってなんで王女の言う事聞かなきゃいけないんだ?)


「おーい、シラー。こんなとこに居たのかよ。向こうで酒飲もうぜ」


「…ザザール、お前っていい奴だよな」


「なんだ急に」


「影薄いが」


「何の話だ?」

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