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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
2/92

計画2

私は誘拐されたのではない、協力しに来たのだ!という事で魔王の城に居る今現在、私の宣言で叫び出したこの魔王は大丈夫なのだろうか?


「いきなり叫ぶなんて、おかしいんですか?」


「おかしいのはお前だ! 人間でありながら、何故魔族に味方をする!」


あぁ、理由を言ってませんでしたか。話さなければなりませんね、私の最悪の未来を。


「お話ししましょう、良いですか? 私達は異世界から貴方を倒せる勇者を召喚しました」


「あぁ、知っている」


「勇者はパニックになってました。いきなり知らない世界に連れてこられたので」


「まぁ、そうだろうな。普通の反応だと思うぞ? 我ももし、いきなり変な世界に召喚されたら戸惑うし」


「そんな事なんてどうでも良いんです。その勇者に、私達は勇気を出してもらおうとしました。そしたら、私の父が爆弾発言しやがりましたのです」


「どんなだ?」


「もし、勇者が貴方を倒し世界を救ったら私と結婚させようと」


「ふむ、で?」


「?」


「いや、だから何故味方をする?」


「今話しましたよね? ボケてます?」


「ボケてないわ! どこに理由があるのだ!」


「勇者と結婚ですよ!?」


「……は?」


「だから、私は貴方が倒されたら結婚させられるんです! 勇者と」


「あーー、うん。なんだ、お前は勇者との結婚が嫌だから味方をする。勇者を殺すと?」


「それ以外に何か?」


「何故だ……少し頭痛がする」


なんだこの魔王は、体調管理くらいしっかりするべきだ。こんなんじゃ、本当に倒されてしまう。


「王女、勇者はその……カッコよくないのか?」


「はい? なんですか? その質問は」


「いや、結婚したくないと言うからな? 見た目がその悪いのかと……」


「失礼な! 私は別に見た目はそんなに気にしません!」


まったく!私は人を見た目で判断するような……そこまで酷くなければ全然構いません!人間は見た目8割で決まり、その後に中身で判断するものですわ!


「……そんなになんだな。では何が不服でこんな事を?」


「結婚ってなんですか? 魔王倒したら結婚って……私は報酬か! 賞品ですか! 私の未来がそんな景品みたいな未来なんて嫌です! ならする事は1つ、変えるだけです」


「なんだろう、この王女が変なの? それとも最近の人間はこんななの?」


なんかブツブツ言っていますね、情緒が不安定なトップって大丈夫ですかね?


「良いですか! 私もこれから、運営に参加するのでよろしくお願いします」


「……マジか」


こうして私の未来への戦いは始まった。


魔王城の会議室にて。


「良いですか皆さん、今勇者は地力を上げてます。まだまだ弱いので今のうちに刺客を送り、殺しましょう」


私がそう発言すると、皆さんいきなり……。


「イヤイヤ! 待って。そんな事できないから! てか、なんで人間がここに居るの?」


「魔王様! あの人間はなんですか!」


ザワザワ煩いですね、ここに人間が1人居ても別に良いでしょ!情報も渡せるんですから。纏まり、今は一丸となって勇者を撲滅するべきでしょう!


「あーー、うむ。この人間は、王女だ。その訳があって我々の味方をしたいらしい……」


ポカーーンと皆様してますわね、早く会議を進めなきゃいけないのに。


「おかしいだろ! なんで普通に受け入れられるんだ、魔王様!」


「落ち着け、ダークエルフ」


「そうだ、人間は信用できない」


「イヤイヤ、この王女はその、大丈夫だ。ローガン」


「本当はスパイなのでは?」


「それは100%無いから、デビル」


「信頼性は、魔王様の言葉だけ」


「混乱するのもわかるけど、勇者に対しての殺意は本物だから。わかってくれエンシェントドラゴン」


「私は、魔王様を信じますので受け入れます」


「ありがとう。ハーピィ」


「とりあえず、理由がしりたいのぉ」


「……聞きたいのか? ドワーフ」


こちらに視線が集まる。そうですわ!これから一緒戦う者同士。むしろお話した方が、私の協力をしてくれる気がする。


「もちろん! お話しします」


こうして、魔王に話した事をそのまま話した。そしたら、皆さんの反応が。


「え? 本気?」


「それで……ここに来たのか?」


「嘘をついているのでは?」


「人間はどうなってる?」


「えっと、はい」


「……」


「それでは続けますね」


「「「「「「続けるな!」」」」」」


ハモった!ビックリしましたわ!何か問題でもありましたかね?


「あの皆さん何か?」


「何か? じゃない! 何普通にしてんの?」


ダークエルフさんは物凄い興奮してますが、何が悪いんですかね?


「お主に聞きたいのじゃが、勇者を抹殺したらその後はどうするのじゃ?」


ドワーフさんはそんな事考えてたんですか、そんなの決まってるじゃないですか。


「私に害が無ければ、人間達なんて好きにしてどうぞ」


全員が固まった。え?コイツマジで言ってる?そんな目をしていますね。


「あのぉ」


「はい、ハーピィさん」


「貴方のお父さんも居ますよね?」


「ええ、そうですね」


「その、助けたいとかは……」


「元々の原因を作ったのは父ですので、むしろ滅んで下さい。って感じなんで平気です」


グッと親指を立てたらなんか、全員がコイツ酷えって目で見てくる。何故だ。


「とにかく、会議です! 進めますよ! ほら、魔王仕切って」


「あ、あぁ。では、勇者が仲間を集め旅に出る時だが……」


「は? 何言ってんですか?」


「え?」


「何を普通に仲間集めとかさせてるんですか?」


「いやだって、仲間は必要だろ?」


「敵ですよ? わかってます?」


「も、もちろん」


嘘ですよね?この人達、本気で倒したいと思ってます?遊びじゃないのですよ?


「魔物の中で擬態ができて、戦闘がそこそこできる奴は誰ですか?」


「それなら、シフター族。アイツらはそういった事ができる」


「エンシェントドラゴンさん、シフター族の誰かを勇者のパーティーに入れましょう。理想は全員シフター族ですが、最低でも1人は入ってもらいます。そこで、スパイや成長の妨害活動をしてもらいましょう」


何故シーーンとするのでしょうか?当たり前ですよね?


「王女、勇者が成長しないとその色々と困るぞ?」


「何がですか?」


「我々と戦う時とか」


「その前に死なせれば良いでしょう」


この時会議室の王女を除いた全員は思った。あ、これなんかヤバイ気がする。


「とにかく、刺客が送れないならその作戦でいきますよ? 良いですね?」


「「「「「「はい」」」」」」


「魔王は?」


「はい」


「よろしい、では準備してください」


この後、シフター族に行き合格点の奴が数人居たのでそいつらを王都へ送った。なんで、俺らは人間の王女に従ってるのかわからない。でも、なんかしょうがないって、気持ちがあるのだからきっとしょうがないのだろう。


「魔王」


「なんだ、王女?」


「私は王都ではどんな噂に?」


「……お前は魔王に誘拐された、可哀想な姫と言われている。そして、勇者がめっちゃなんか頑張ってるらしいぞ」


「そうですか、勇者が頑張ってるんですか……」


「なんだ? もしかして、やは」


「予想外の力をつけるかもしれないですね、王都近隣の魔物のレベルを上げましょう。変な顔してますが、どうかしましたか?」


「……なんでもない、レベル上げはさせておく」


「ええ、よろしくお願いしますよ」


さて、次はどんな計画を考えましょうか。皆さん意識低いですからね。

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