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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
16/92

計画15

「人間だ」「人間じゃね?」「人間とかなんでいるの?」「人間が何故ここに!」「え?人間が妖精王様と何故一緒に?」「…あれは人間の中でも、上位種の人間…何故」「妖精王様、人間と結婚するのかな?」「妖精王様、今度は人間観察か〜」


…妖精達、煩!!今私は妖精王に連れられ、妖精の国?里?に来ています。それにしても、凄いざわめきですね。あと、そこの妖精…結婚とか言うな。


「とても賑やかな場所ですね」


「皆んな、僕のために頑張ってくれる頼もしい子達だよ!」


「そうなのですか、こんなに大勢の妖精達が居ましたら、色々な動物の観察ができますねたしかに」


「うん!本当に感謝してるよ」


「妖精王様!これで仕事に戻りますよ〜」


そういえば、影が薄くなっていましたが下級妖精いましたね。ここでお別れですか。


「王女もバイバイですよ〜」


「えぇ、お疲れ様でした」


そのまま下級妖精は水のある場所へ向かっていった。そういえば、水の下級妖精でしたね。


「それじゃ!早く動物達のところに行こうか!」


「ええ、行きましょう。あの質問なんですが、危険な動物は居ませんよね?」


「皆んな可愛いんだ〜」


「聞いてます?私の質問を聞いてますか?」


妖精王はスキップしながら目的地へ向かっているなか、私は何故か不安を覚えてしまうのは何故ですかね?今すぐに逃げろ!と本能が騒いでいますよ。しかし、ここで逃げては目的が達成できませんから…我慢です。


「ここが、妖精王の部屋ですか?」


「うん!そうだよ、さぁノンビリくつろいでね」


部屋に入って…先ずは広いという印象。それはいいのです。本やらおそらく、動物を見本にした模型?も問題ない。ですが!動物達を放し飼いするのはどうなんですかね!?害のない動物なら問題ありませんが、あそこにいるワニやら、さっきから上でこちらをじーっと見ている大きな蛇は隔離しませんか!とても怖いのですが!


「ここにいる、動物達は…大人しいので?」


「そうだよ、よくじゃれてくるんだ〜。うわぁ」


そう言って妖精王は猪に突撃され、吹っ飛ばされている。妖精王は人間をよく知らない…簡単に死ぬ事を、よく知らない!


「よ、妖精王様?私達人間はその、結構いえ、かなり弱い生き物ですので、あまりその…」


「何?最初はこの子と遊んでみて!」


そう言って渡されたのは。


「ワン!」


あら可愛い、犬って普通ね。これなら全然戯れれる!


「その狼、最近やっと噛み癖が無くなったんだ〜。可愛いでしょ」


訂正、私は犬と狼もわからない馬鹿です。


「そうですわね、とても凛々しくて可愛らしい子ですね」


そう言いながら、頭を撫でる。恐怖心は絶対に抱きませんよ。動物は怯えてると襲って来ると何かで読んだような?


「おお!狼が気持ち良さそうに…。人間と狼は相性が良いっと」


ああ、なんかメモされてます。次はなんでしょうか…。


あの後、数々の動物と触れ合った。時には引っ掻かれそうになり。他にも、頭からかぶりつかれそうになったり、巻き付かれて締め上げられて死にかけたり、思いっきり蹴飛ばされたり、水中に引き摺り込まれそうになったり。

ああ、そういえば…大群にのしかかられて圧迫死しそうにも、なりましたね。この短時間で随分と死にかけた気がしますね。もちろん、その側では妖精王がニコニコしながら、メモを取り満足そうにしていました。こいつが妖精王じゃなければ…。


「ど、どうでしたか?満足して、いただけましたか?」


「うん!人間と他の動物との相性って結構良いんだね」


「他の人には絶対に同じ事しないほうがいいですよ?泣き叫ばれるか、怒り暴れ出しますわよ」


「そうなの?」


「ええ、間違いなく」


軽く訂正をしておき、そろそろこちらの本題に入らせてもらいましょうか。


「うーん、人間は奥が深いんだね」


「そうですわね、そんな簡単には…理解できる生き物ではありませんわね」


「…」


「あの、妖精王様。お願いがあります」


「何かな?」


「ある理由で、貴方様の涙が必要なのです。いただけませんか?」


「その理由って?」


「…その」


どうする?勇者に飲ますなんて言わなくても、不死の解除の薬を作りたいからって言ったら貰えますかね?作りたいって言ったら、何のために?って追撃が来そうですよね…、どうしましょう。


「理由を教えてくれたら、あげる。それで、理由は何?」


「…私は、不死の解除薬を作ろうとしています。その材料は、黄金の林檎の果汁、1000年生きたドラゴンの骨、そして」


「僕の涙なんだ?」


「はい」


「今回、僕の観察に付き合ってくれたのも、涙を貰うため?」


「…はい。エルフの里では訳あって入手できず、偶々貴方様に接触できる事ができましたので」


「正直だねー」


「理由を話したら、頂けるとおっしゃってくださいましたので」


「何のために、作るの?」


やはり、質問されますか。


「勇者の蘇る加護を消せるかもしれないからです。そのために、作りたいと思ってます」


「ん?勇者って、人間だよね?君も人間だよ?その加護消して良いの?」


「妖精王様は…ご自身の未来が勝手に決められて、それに納得できない未来だった時どうなさいますか?」


「いきなり?そうだなぁ、なんとかしようとするかな?」


「その状況が、今の私です。私は勇者がこのままですと、納得できない理不尽な未来が待っています。ですので、加護を消したいのです」


「…わかった。あげるよ」


「ありがとうございます!」


「でも!もう一つ条件があるよ」


「条件ですか?」


「君を観察させてほしい、今後」


「はい?」


「さっき君は言ったよね?人間はそう簡単に理解できる生き物じゃない。奥の深い生き物って。だから、君は僕のモデルケースになってもらう。良いかな?」


「それは、ここに居なくても…魔王の城に居ても別に構わない条件ですか?」


「別に場所はどこでも良いよ?見張りの妖精を付けて、その妖精を通して観察させてもらうからね。自由に動く人間を観察させてもらうよ」


私の今後の人生のプライバシーが無くなるんですか、一生観察の人生…。でも、相手は妖精です。人じゃありません!こっちとの感性は全く違う、なら別に気にする事ないのでは?よし!


「わかりました。契約致します」


「じゃあ、これがその素材ね」


「ありがとうございます」


妖精王から液体の入った瓶を受け取った。これが涙か。


「それじゃ、監視してる妖精は君には見えないからね〜。何かあったらまた来てもらうかもね。じゃあね」


妖精王は扉を出してくれて、そのまま通ると魔王城の自室に戻って来た。


「これで材料が揃いましたね」

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