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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画13

窓に小人が居ます。何故?しかもこっちをすっごく見てます。


「開けてください〜」


「え、嫌です」


反射的に答えてしまった。


「そんなぁ〜、困ります。開けてください。話を聞いてください。優しくしてください」


「知らない人を部屋に入れるなんて、そんな無謀な事しませんよ。貴方の名前も知りませんのに。話ならそこでもできるじゃないですか。てか、貴方最後、優しくしてくださいってなんですか?何故私が誰かも知らない人を優しくしなくてはいけませんの?」


相変わらず小人は窓を叩きながら、こっちを見ながら話す。


「僕は名前無いんですよ。使いっぱしりのただの下級の水妖精ですよ。ここまで来るのに疲れました、入れてください。そして、優しくしてください」


まさかの妖精!なんでこんなところに妖精が?使いっぱしりと言っていましたね。どういう事ですか。これはよく聞かないと、まずいですかね。窓を開けて、妖精をいれてあげテーブルの上に座らせた。別に優しくはするつもりありませんが…。


「やっと部屋の中に入れてもらえましたよ。このままずっと外に出されたままかと…あ、お水ください」


「…なんか妖精って可愛らしいって想像してましたが、そうでもないですね」


そう言いながら水を渡してあげたら。


「なんですか!このお水は濁ってますよ!こんなお水じゃ、水の妖精の舌に合いませんよ!もっと澄んだお水をください!」


「そんな水ありませんよ、というか早く用件を教えてほしいのですが」


この城、というか普通の場所で妖精が満足できる水なんてあるのでしょうか?そう思いつつ話を促すと、不満げな顔で妖精は話し出す。


「まったく、忙しないですね。少しは休ませてほしいですよ。こう見えても、体力無いんですよ?」


「見たままですから、とても強そうには見えませんから。それで誰からの使いなんですか?」


「妖精王ですよ」


「え!?なんで妖精王が」


まさかの出てきた名前に驚きました。妖精王は引き籠りで、シャイ。そんなのが何故外部にコンタクトを?ボー然としていると妖精は話し出す。


「最近妖精王は動物の動画にハマってるんですよ。そのうちに生態とかも気になる!とか言って本なんかも読むようになりました」


「それで?」


「さらには!本物が見たいと動物を飼ったりもしたり、連れてきてどんな動きをするのか一時的に観察したり!」


「はぁ」


「そんな引き籠り生活を満喫してますよ。とっても楽しそうで、パシリにさせられるこっちの身になってほしいです」


「ブラック労働なんですか?」


もうなんか、妖精王というか動物博士にチェンジしそうな勢いですね。それに、部下?を使って動物達を連れてきてもらうって、そんな使い方いいんですか?


「本当に辛く、大変な仕事なんですよ。そうそう、この前なんてヒヨコが成長する過程を見たいと言ってですね…」


「あの、ここに愚痴を言いに来たわけではないですよね?そろそろ妖精王の用件を教えてほしいのですが」


「あ、そうでした。王女さんには今から妖精王のところへ来てもらいますから」


「はぃ?」


「妖精王が呼んでるんです」


何故よ!私何かしました?涙の騒動が耳に入って不快にさせてしまい、それで?でも、そしたらそもそも特産品なんかにされてるのは、良いのですかね?そういえば、エルフはドキュメンタリー的なのを渡してると言ってましたっけ?それが料金に?うーん。


「その、何故呼ばれてるのでしょうか?呼ばれる覚えが無いもので」


「偶々近くに居たからですね」


どういう事?


「それは、いったい?」


「妖精王は動物観察してるうちに、人間にも興味が出てきたんですよ。しかし、エルフは人間が嫌いなので映像もない。最初は僕達を使って話を聞くだけだったんだけれども、とうとう…本物が見たいと我慢ができなくなりましてね〜。それで近くにいるのは、丁度王女!貴女でした」


「ようは、人間を観察したいと」


「はいです!」


人間もたしかに動物とはいいますが…いざ自分がその対象に、そんな目で見られるとなると正直不快な気持ちになりますね。しかも、私は女性ですし…余計にジロジロ見られるとなると…。


「それは、どうしても行かなくてはならないのですか?」


「連れて行かないと、僕が困ります。怒られます。罰を受けます!」


「どんな罰なのですか?」


「縛りつけられてから火の妖精達にちょっとずつ炙られ、体を蒸発させらつつ、他の水の妖精に回復させられる、という繰り返しを…」


「行きます!」


怖いですよ!ファンシーなイメージはどこにいったのですか!?妖精への私の夢は消えましたよ!そんな拷問想像するだけで、恐ろしいですわ!


「嬉しいです!では、行きましょう」


「でも、エルフの住んでいる場所の近くにあるのですよね?どうやって行くのですか?」


「そのために僕が居ます!妖精の通る扉を使えば、直接妖精王のところへ行けますよ!」


便利ですね。しかし、大丈夫なのですかね?その扉は。


「ちゃんとその扉は人のサイズまで大きくなるのですよね?貴方しか通れないなんてオチはないですよね?」


「はい?」


「貴方は小さな体ですよね?私は大きな体です。その扉はサイズ自在ですよね?」


「…僕1人じゃ大きな扉作れない!」


「駄目じゃん」


今までどのように動物達を捕獲してきたのだろうか?こんなんでよくやっていけたなぁ。


「大丈夫です!一旦戻って仲間達を呼んできます!」


そう言って小さな扉を通って消えた妖精。さて、本人からこれは涙貰えるかもしれませんね。魔王に報告しましょう。


魔王室


「魔王、妖精王のところへ行ってまいりますのでお土産の、妖精王の涙…楽しみにしててくださいね」


「王女?何それ、いきなり来てその報告ビックリなんだが?え?妖精王のところへ行くって何?」


「じゃ、忙しいので」


バタン


「…色々とどうしようかな、もう」

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