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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画12

魔王室

「まったく、良いか!協力関係を忘れるなよ!」


「はい、わかりましたよ。しかし、最終手段としては…」


「とりあえずこの件は終わりだ!」


良い案だと思うのですが、ハァ〜。難しいですね。


「本題に入るぞ、勇者の蘇りを解く方法。お前が最初に言った方法の件で、ダークエルフから連絡があった」


「そうですか、それはどのような?」


「なんとかエルフ達と接触出来たようだ。そして、勇者に対して不死解除の薬の材料の事も話した、だがな…」


「何か?」


「エルフ達は妖精王を会わせたくない、そんな事を言っているらしい」


「何故ですか!貴方達魔族の敵を倒す為ですよ?なのに何をそんな拒むんですか」


やはり、ダークエルフの存在が問題なのでしょうか…。妖精は多少中立な立場、エルフがこちら側でも肝心の妖精がこちら側に傾いてくれなければ。


「妖精王は今、引き篭もっているらしい…」


「それは会わせたくないって言わない、会うことができないと言います。というか引き篭もってるってなんですか!」


「なんか、今代の妖精王は…シャイな王らしい」


「しょーもな!なんですか、その理由!」


真面目な人は居ないんですか!シャイって、そんなんでどうやって妖精達纏めてるんですか!どのようにエルフと交流をしているんですか!謎が多いですよ、妖精王!


「そしたらどうやって涙を貰うんですか!引き篭もってしまってるのなら、入手不可能ではないですか」


「その話もしたんだが、そしたらエルフの里の名産品になっていた。妖精王の涙、凄くね?」


「どこからツッコメば?なんで特産品?」


「なんでも、引き篭もっている妖精王にエルフがノンフィクションの動物動画を見せたらハマったらしく、時に笑い、泣きと楽しんでいるらしい。その時に出る涙を集めて特産品に…」


「そんな本物かどうか、怪しい物で効果あるんですか?素材として成り立ってます?」


まったく…なんだその引き籠りライフは、というか動物の動画ではしゃぐって…幼いの?それとも、今時は流行ってますの?なんだか、頭痛がしますね。だいたい、どうやって採取してるのですか。


「効果あるだろ?一応妖精王の涙と言って売ってるわけだしな。まぁ、さらに問題はその特産品の妖精王の涙が、手に入らないという事だがな」


さらっと今なんて?


「すみません、もう一度お願いします。なんか、さらっと変な事言いませんでした?」


「手に入れれないのだ」


「何を?」


「妖精王の涙を入手できぬ」


「特産品として売ってるのに?」


「うむ」


もう、どれだけ私は困ればいいのですか?てか、意味がわかりませんよ!


「特産品を何故買えないんですか!お金がないわけじゃないでしょう?まさか、財布を持ってくの忘れたとか馬鹿な事言いませんよね?それともアレですか、ダークエルフに売るもんなんて無いとかいう差別ですか?そんなもん貴方の権限でどうにかして買っちゃいなさい!その為にローガンさんもついて行ったのですし。それともなんですか?他に理由でもあるんですか!?」


納得できない!なんで、私の邪魔をするの!何が私の邪魔を…。計画の邪魔を!


「別にな、譲ってくれるとも言ってくれた。金なんかいらないと。勇者を倒すためなら、お渡ししますとな。とある単語を言うまでわな…」


「その単語ってなんですか!どんな失礼な事を…」


「王女、お前の存在だ」


「え?…はい、私?」


何を言ってるのかしら?何故王女である私が失礼?というより、怒りの対象?ちょっと意味がわからないわ。


「エルフ達は人間が嫌いだ。よく奴隷として人間に捕まってるからな」


「ええ存じてます、同じ人間として恥ずかしいです。それで?」


「王女、お主は人間。しかもトップ級のな。そんな奴が必要としてると知られてな。そしたら、憎しみが勝って絶対にやらん!と…」


そんな…馬鹿な…。たしかに、私は人間だけれども!必要なのは私という人間に必要なのではない。私という人間が、今後の魔族のために必要という事なのだ!魔族の未来のために!


「あの、エルフの方と…お話を…」


「無理だろうな、嫌われてるし」


「なんとか交渉の場を」


「諦めろ、お前ではただ悪化にしかならん。見ただけで何かされるぞ?」


「そもそも、何故私の話が出たんですか!」


そうです、なんで私の事が伝わったんですか?それが謎ですわ。


「いや何、ローガンがな、これで王女の作戦が上手くいけば良いなと言ったらしくて、魔王の城に王女なんて居たか?となりそのままお前の存在がバレて…」


あの狼…戻ったら毛を剃って丸裸にしてやる…。何故名前を出したんだ!そんなに人間嫌いなのがわかってるなら、私の事は伏せなさいよ。


「…それで、この後どうするのですか?険悪になってしまったのですよね?」


「今、2人が必死で懇願している。だが、相手も頑なでな…。王女、何か案ないか?」


そう言われても…奴隷を解放する?どうやって?私の命をかけて、解放宣言するか?意味がない…人も一枚岩じゃない、必ず誤魔化す奴はいますね。それに、解放したところで怒りは残ったままだ。そもそもの解決策になってない。人間への怒りを無くすなんて、どうしろと?話し合いもできない状態で…。


「王女、とりあえずの現状はこんな感じだ。おそらく、妖精王の涙は入手は不可能だろうと思う。だから、別の方法を模索してくれ」


私は魔王にそれだけ言われ、部屋から出された。別の方法?そんな簡単に見つかるか!今の方法だって偶然に見つけただけのもの。なのに、こんな結末。私は自分の部屋でどうしたら…と悩んでると、コンコンと窓の方から音が鳴った。なんでしょうか?


「開けて〜」


「…」


窓に…何か居る!?


エルフの里にて


「あんたらしつこいな」


「そう言われても、こちらも使命だ!魔王様からの命令でもある!お前達は、魔王様に逆らうのか!この世界をより良い世界にしたいと、思わないのか!」


「ならお前達に、わかるのか!自分の家族が拐われる悲しみを!苦しみを!そんな人間のために、渡す物など何一つ無い!」


「そんな人間達を滅ぼすために必要なんだって!」


「しかし、使うのは人間の、しかも王女なんだろ!」


「いや、だから」


こんなやり取りが続く。

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