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王女は理想のために魔王のところへ行き勇者抹殺の計画を企てる  作者: 怠惰
とにかく王女様は計画して行動する
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計画1

私は憂鬱だ。何もできない悔しさ、怒り。そして、未来への嘆き悲しみ…。

どうして、こうなってしまったのだろうか。

魔王が現れたのは別に良い。人類に宣戦布告も別に良い。その為に、異世界から魔王を倒す勇者を召喚とかも別に良い。しかし、その後だ。その後の、勇者への褒美が駄目だ。


時間は少し前に戻る。


「おぉ、異世界からの者よ。突然の事で驚いておるであろうがすまない、話を聞いてくれ」


これが私の父のこの国の王である。そして……。


「な、なんだよ! ここは! 異世界!? そんな馬鹿な!」


こいつが召喚されやがった、勇者だ。ケッ。


「この世界の人類は今、魔王から宣戦布告を受け、魔物達からの攻撃を受けておる。ワシ達も反撃をしているが、魔王に勝てるかと考えるとな……。そこで古よりの文献で、異世界からの勇者召喚法を試したところ、お主が召喚されたのじゃ」


「それじゃ、俺が魔王を倒す勇者?」


「そう、選ばれし勇者じゃ」


「そんな、いきなり言われても……。それに俺は今まで戦いなんて……」


「安心して欲しい。しっかりとこちらで訓練をし、その後仲間を集い魔王の討伐へ向かってもらいたい」


「俺なんかが、そんな勇者なんて」


この時に戻れるのなら、私は戻って私を殴ってでも自分の行動を止める。何故黙ってなかったのか……。


「勇者様、お名前を聞かせてもらえませんか?」


「え! あ、はい! 太一。古手ふるで 太一(たいち)って言います!」


この時勇者顔、赤くなってたな。自分で言うのもなんだけど……わりと美人だからなぁ。なのに手を握って……。


「太一様、いきなり貴方の住んで居た世界からこちらへ呼び出してしまって、申し訳ありません。しかし、頼れるのは太一様だけなのです。どうかこの世界を救ってくださりませんか?」


「え、は、その、うん。えっと」


「うむ、そうだ。太一殿、もしこの世界を魔王から救ってくれたら、我が娘のリーンと結婚してくれぬか? 世界の英雄と我が娘が結婚してくれれば、嬉しく思う」


この言葉に私は思いっきり心の中で、は?何言ってんだ、なんでそうなる?と驚いてた。


「本当ですか! こんなに可愛い子と……。わかりました。俺、頑張ります!」


こうして、私は望まぬ未来が出来上がってしまったのだ。どうすれば良いのか、あれか?勇者の仲間を女だらけにすれば、私から離れるか?

そう、あの召喚の日から数日経ち勇者は私と何回も接触してくるのだ。しかも内容が、子供の数や、名前、王様の仕事って大変なのか?などなど……。なんか、私達の未来的な事を語ってきて、ウザい。この間は、今はまだこんな事しかできないけどと、抱きしめて来た。首絞めなかったのは、我慢したのは偉くない?


そんな感じでここ最近憂鬱に過ごしてる今日この頃、今目の前に魔物が居る。


「クケケケ、お前この国の王女だな? 悪いが魔王様のところへ誘拐させて貰う。抵抗するなよ?」


…………!これはチャンスでは?


「ええ、連れてってくださいな」


「は?」


「魔王のところへ連れて行けと言っているの。早くして」


不思議そうな顔をしながら、鳥の魔物は私を掴むとそのまま城から連れ出した。


しばらく飛び続け、ようやく魔王の城に着いた。思ったより、清潔感あるわね。そのまま進んで行くと、大きな扉が有り開くと奥に椅子に座った赤褐色の、耳が尖った、金髪の魔物が口を開き話しかけてきた。


「ようこそ、我が城へ。お前はこれから人質として「そんなのどうでも良いですから」何?」


魔王の言葉を遮る、大切なのは私はここに協力を求めに来たのだ。


「人質とかそんなの勝手に言っててください。私は貴方に協力して欲しい事があるから来たんです」


そう言うと、私を連れてきた鳥の魔物が怒り出し。


「貴様! 魔王様になんて口の聞き方を! 少し痛い目にあってもらおうか!」


そう言って向かって来たので。


「ホーリージャベリン」


光の槍を作り、串刺しにしてやった。


「全く、今交渉中です。黙っててください、まぁ、2度と喋れませんけど」


魔王の方を振り向くと、驚いていた。


「どうかしましたか?」


「いや、そんな力が有るならば何故……黙って誘拐されたのだ?」


「だから、言ってるじゃないですか。協力をしてもらう為ですよ」


「協力、だと?」


「ええ、私と協力してある事をしましょう」


「何をしようというのだ? まさか、お前みたいな人間と手を取って……」


「勇者を抹殺しましょう」


沈黙。2人の間に静かな時間が訪れる。


「すまない、今なんて?」


「勇者をこの世から消しましょう」


「お前は王女だよな?」


「はい」


「人間だよな?」


「はい」


「我々の敵だよな?」


「まぁ、宣戦布告されましたし?」


「それで、勇者は人間側だよな?」


「ええ、そうですね」


「で?」


「殺しましょう」


「なんでだよ!!」


魔王の叫びが響いた。私の野望はこれからです!

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