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08

ブックマーク及び評価して下さった方、有り難う御座います。

「名前かぁ・・・どうせならこっちに合わせてカタカナの方が良いよな」


見た目から取る事にして、皆と違う髪と目の色からノワールと名乗る事にした。

今まで見た人達は茶色に近い金髪ばかりで目の色も皆青だった。小さな集落だし、顔立ちも皆似ている事から親類なのだろうと推測した。


さて、取り敢えず何から始めたものかと空を見上げれば、太陽が結構傾いていた。日の沈む方を西とすれば今来た方が東で村が有る方は南、川が西で山が北になる。


現状空腹感は全く無い。不死の恩恵で餓死しない事から食事も要らないのかもしれない。

となると、住む所と言うか寝床を用意しないとと思ったが、何一つ道具が無い。木を切ったり加工する為の道具を作る所から始めないといけないのかと、嘆息しつつも川へと向かった。




川原では数人の女性が大きな袋の様な物に水と野菜?の様な物を刻んで入れているのが見えた。多分夕食の準備なのだろう。


「どうも始めまして。今日からお世話に為るノワールと言います。宜しくお願いします」


少し離れた所から近づかないで挨拶をしたが、返事が無くてちょっと落ち込んだ。まぁ最初はこんな物だろうと、川沿いに北へと歩きながら使えそうな石を探して歩く。川幅は20m程だろうか、水は澄んでいて川岸付近の底は見えるけど中心付近は結構深そうだ。

川原に石自体は沢山落ちているけど、どれもこれも角が取れて使えそうも無いので、サッカーボール位の大き目の石を更に大きな岩?にぶつけて割って、その中から使えそうな破片を拾って帰った。


持ち帰った石で地面を掘ってみる。もっと硬いかと思ったが、思った以上に掘れるので道具が作れたら畑にしてみるのも良いかもしれない。


そんな事をやっていたらすっかり夕方になってしまったので、せめて火を焚こうと薪を拾いに北の森へと入った。

枯れ枝を捜して空き地の近くを歩き回ったが裸足なので兎に角痛い。森と空き地の境目を何度も往復して、それなりの量を集めた頃にはすっかり暗くなっていた。


早速火を起こそうと歴史の授業で習った錐揉み式で悪戦苦闘していると、たいまつを持ったグランさんがやって来た。


「・・・・・何をしている」


「何をするにも時間が無かったので、取り敢えず火でも起こそうかなって思いまして」


「はぁ・・・・・火位分けてやる。それで、飯は食ったのか?」


「いえ・・・多分ですけど食事も必要ないと思います。これだけ動いてお腹が空きませんから」


「そ、そうか・・・・・」


「・・・化け物・・・としか思えませんよね?ははは・・・自分でも解っているんです。でも・・・だからこそ受け入れようとしてくれたグランさんには感謝しているんです」


焚き火の向こうに見えるグランさんは本当に申し訳なさそうな顔をしていた。


「それでですね、取り敢えずは食糧事情の改善かなと思いまして、早く育つ作物って有ります?それをここで育てようかと思いまして」


「有る事は有るが・・・無理だ。ここは私が子供の頃畑だったのだが、作物が育たなくなったので捨てた土地なんだ」


「やっぱりそうでしたか。もしかして今有る畑も収穫量が減ってきてませんか?だとしたら直ぐに対策をしないとここと同じ様に為ってしまいますよ」


おそらくは連作障害なのだろう。文明の度合いからして肥料も与えていないのだと思う。


「お前・・・・・いや、ノワールと言う名前にしたんだったな。で、何故か知っているんだな?如何したら良いのか教えて貰えるか?」


驚き目を見張るグランさんの問いに、僕が知っている事を説明した。

ここまで読んで頂き有り難う御座いました。

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