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「うわぁ~近くで見ると凄く広いって言うか大きいね~・・・・・」
とはリリアちゃん。エリスちゃんとネイマちゃんは唯呆然と海を眺めていて、コルト君とルイス君は持って来た樹液の入った器を置いて、何やら叫びながら波打ち際を走ったり転がったりしている。なんか犬みたいだ。
「うへぇ~びしょびしょになっちゃったよ。楽しかったけど」
「ほんとに塩水なんだね。凄くしょっぱいって言うか辛かった」
「ははは・・・さて、皆落ち着いたみたいだし、作業の説明をしようか」
皆に作業の説明をして序に海の危険性も教えておいた。僕が魚を捕りに沖へ行っている間に溺れたら洒落に為らないからね。
籠を背負って沖へと走る。魚が集まってきた所で海に潜って衣を発動させて浮き上がる。すると背中の籠の中に魚が入るという寸法だ。
後は波打ち際で待機している女の子達に届けてまた沖へと走る。これの繰り返しだ。
大量の干物を持ち帰ると、多少ぎこちないが皆が普通に接してくれようとしていたのでエンゾさん達に感謝した。
翌日、キースさんから水車の試作機が出来たと言われて川原へと走った。直径30cm程の小さな水車が確かに水を汲み上げていた。後はこれを大型化するだけだと、キースさんとサイズや補強等について話し合った。
畑の方は二面出来上がっていて丸芋が植えられている。同時に水路も掘り進められているがブロックの製造が追い付いていないので、明日からは干物作りを抑えてブロックの増産をしようと思う。
人数が増えたお陰で作業が進んでいる様に見えるが、その分大規模化していて全体的には余り進んでいない。
その事を夕食時に皆に相談したが『十分過ぎる程早い』とか『焦る必要は無い』と言われてしまった。機械化された農業を知っている事で、こちらとの感覚がずれているのかもしれない。何でも僕の言う事を鵜呑みにしないで意見を言ってくれるのは助かる。
更に二日後。川原の水路にブロックを設置し始めた。可能な限り平らにするために、基準となる最初のブロックの設置には僕も立会い、納得がいくまでかなりの時間をかけた。ブロックとブロックは樹液で接着し、隙間やずれに気を付けて作業する様にと指示を出した。この経験が家を建てる時に役立ちます様に。
そして畑の北側の水路を真っ直ぐ西に伸ばしているが、何処まで伸ばすか検討中。出来ればピィの柵の中まで伸ばしたい所だけど、水車が完成しだい稼動させたいので悩んでいる。後、溜池も作りたいなぁ。
畑の方は作業に慣れて来た事もあって八面になった。丸芋以外には人参とホウレン草を植える予定だ。檸檬以降、新しい作物用の植物はまだ見付かっていないけど焦る必要は無い。探索していない所はまだまだ有るのだから。
そして翌日。作業の進捗が更に上がった。これは効率化とかじゃなくて、皆の身体能力が本来の物に戻った為だと思われる。尤もライルさん程の怪力は居ないけど。
畑は水路を挟んだ北側に四面追加。川原の水路はもう直ぐ完成と言う所まで来たので人数を減らして畑の方の水路作りの人数を増やした。このペースなら行けるとピィの所まで水路を伸ばす事にした。
連日のきつい作業で疲れている筈なのに皆笑顔が絶えない。僕の呼び方は変わらず『ノワール様』だけど、普通に接してくれる様に為ったのがとても嬉しかった。
翌日も特に変わりない時間が過ぎて行ったが、昼過ぎに西の森で採取をしていたエンゾさんとグランさん率いる採取チームに非常事態が起きた。
ここまで読んで頂き有難う御座います。




