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広いテントで目を覚ますと隣にはエリスが・・・何て事は無くちょっと残念だった半面安心した。


「今日から北側の開拓を始めようと思います。これはライルさんとコルト君にルイス君とリリアちゃんにお願いします。エンゾさんとネイマちゃんとエリスちゃんは採取に行って下さい。キースさんにはピィの生態を調べて貰います」


「生態を調べると言うのは何を好んでいるのかって事で良いのか?」


「はい、そうです。出来れば巣穴を暴いて深さや長さなんかもです」


「解った。それで、ノワールさんは何をするんだ?」


「僕は南・・・海へ行って見ます。危険が無いようなら皆で行って見るのも良いですね」


何しろ存在すら知らなかったんだ、興味は有るだろう。淡水生物と違って泥を吐かせる手間も要らないし、何より僕自身が食べたい。

後は塩だな。水分を揮発させるだけなら器に海水を入れて放置しておくだけでも行けるかもしれない。


朝食後、それぞれの行動を開始した。ライルさんチームは北の低木の伐採から。エンゾさんチームはさらに北側の林の中で採取。キースさんは西の草原でピィの生態観察。


そして僕は南。海を目指して進んで行った。

なだらかな下りの草原が次第に土の地面に変わって行き、さらに白い砂浜に変わる。見渡す限り島一つ無い青い海は僕の記憶には無いものだった。前世で海の記憶と言えば灰色に濁った港だけだったからだ。


先ずは塩からだと、持って来た竹筒三本に海水を汲んで波打ち際から十分離れた砂浜に少し埋め込んで固定した。このまま放置して自然蒸発させて嵩が減ったら一ヶ所に纏めて、空いた竹筒にまた汲んで放置を繰り返そうと思う。時間は掛かるだろうけど結晶化すれば苦汁と分離出来てる筈だ。


さて次は海産物だなと、竹筒の所にサンダルを置いて水の中へと入って行った。波打ち際から沖へ向かって太腿の深さまで進んが、足元まではっきり見える程に水は綺麗だ。因みに衣は撒くって腰の所で結んである。

ざぶざぶと海岸に沿って水の中を西へと歩いて行くが、特に生物は見当たらない。もっと沖に行かなければいけないのだろうか。


そこでふと思い付いた。海の上を歩いて沖まで行ってみれば良いんじゃね?と。


早速衣に意識を向けてみたが光らない。ひょっとして巻くっているのがいけないのかと下ろして意識を向けると光り出して水の上へと押し上げられた。何か面白い仕様だな、これ。後、海水に浸かった筈なのに全く濡れていないのも面白いな。完全防水とか言う所の騒ぎじゃないぞこれは。


海面を歩いて沖へと歩いて行くと足元に小魚が近寄って来た。

擦れてないのか、衣の光に引き寄せられているのか、それとも両方かは解らないが、これなら簡単に手で取れそうだと、しゃがんで手を伸ばすと集まってきた小魚を次々と飲み込んでいく大きな魚が現れた。

魚には全く詳しくないので名前は解らないが、全長1m近く有って食いでが有りそうだ。

タイミングを合わせて衣から意識を外し、海中で魚を掴んで衣へと意識を戻すと海中から一気に押し上げられた。


「ぷはっ!おおお!お、重っ!このっ!暴れんな!」


逃げ様と暴れる魚を脇に抱えて下顎を掴んで何とか押さえ込んで岸へと走る。竹筒の所まで戻る事にはすっかり大人しくなっていたが、まだ生きていて、砂浜の上で口をパクパクさせていた。

改めて見るとかなりでかい。全長は1m程で背鰭から胸鰭までも30cm位有るし厚みも15cmは有るか?まぁ小魚を丸呑みにしていたんだしこれ位でも不思議は無いけど。


しかし、こんな簡単に取れるなら生簀の様な物を用意した方が良いかもしれないな。


取り合えず下処理だけでもと腹を割くと、中から小魚が生きたまま六匹出てきたのでこちらも下処理をして、海水で洗って干しておいたんだけど、籠とか入れる物を持って来ていなかったので、慌てて取りに帰る事になったのだった。

ここまで読んで頂き有り難う御座います。


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