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連載四作品目と為ります。
私の作品が初めての方もそうで無い方も楽しんで頂けたら幸いです。
―――ピンポーン・・・3148番の番号札をお持ちの方・・・2番窓口まで起こし下さい
ふと気が付くと病院だか役所の待合室の様な場所で椅子に座っていた。
―――ピンポーン・・・3149番の番号札をお持ちの方・・・3番窓口までお越し下さい
訳が解らず呆けていると放送が流れ、握っていた右の掌を開くと何故か紙を持っていた。
握られてくしゃくしゃに為った紙を広げて見ると、3150番と書いてある。
―――次が僕の番か・・・いや・・・ここは何処だろう・・・・・ここへ何をしに来たんだっけ・・・・・良く思い出せないな・・・・・
―――ピンポーン・・・3150番の番号札をお持ちの方・・・4番窓口まで起こし下さい
―――あ・・・呼ばれた・・・行かなくちゃ・・・・・
良く解らないままふらふらとした足取りで『4』と書かれた窓口へと向かい、置いて有る椅子に座って番号札を出した。
番号札を受け取ったお姉さんは番号を確認すると、横に置いて有る書類を取り出して確認すると眉を顰めた。
―――この書類を持って二階の9番窓口へ行って下さい
睨む様な目付きで書類の入った封筒を僕に渡しながら、お姉さんはそう言って階段を指差した。
―――何で睨まれたんだろう・・・普通にしていたら美人なのに持ったいないな
階段を上がって9番窓口に書類を出すとまた睨まれて、三階の一番奥に有る何も書かれていない部屋へ行く様に言われた。この窓口のお姉さんは可愛い系だった。
三階に上がり廊下の突き当たりに有る両開きの扉をノックすると、中から『入れ』と男性の声でとぶっきらぼうに言われ、何だか入りたくなかったけど入らなければいけない様な気がして仕方なく中へ入った。
―――何だここ?
それが室内の感想だった。
扉を開けた瞬間に何故か室内に居たんだけど、床と壁と天井の境目の無い視界に映る全てが白く、まるで宙に浮いている様な感覚に襲われてふら付きながら前に進んだ。
そして、その白い世界の中で一人の男性が椅子に座っている様な姿勢で僕を睨んでいる・・・んだと思う。何だか全身が良く見え無いと言うか解らないから、そう感じただけなんだけど。
―――貴様が私の三百年を無駄にした男か・・・貴様は犯した罪を償う為に下位世界へと行って貰う。詳しい事はそこで聞くが良い
―――え?・・・罪?・・・身に覚えが無いんですけど・・・・・僕が何をしたって言うんですか?
―――私が因果律に干渉し、反動が出ない様に調整し続けた三百年を無駄にしたのだ。詳細は向こうで聞けと言った筈だ。消えろ
突然足元の感覚が無くなり下へと落ち始めた。
白かった視界は黒へと変わり、遥か上方に自分が落ちたのであろう白い光の円が見え、叙々に遠ざかって行く。
悲鳴を上げる間も無く何かにぶつかった様な衝撃が全身を貫き、息が詰まって視界が明滅し、それが数度続いて僕は意識を手放した。
ここまで読んで頂き有り難う御座います。