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JK-sports  作者: 絢爛桜
2/2

JK-sports/競泳1

《競技者、位置について》


ピーーーー・・・


ピッ


ピッ


ピッ


ビッ!


バシャーンッ!!



ハッハッハッハッハッ・・・



ハァハァハァハァ



ハァ・・ハァ・・


落ち着いて来た・・。

疲れが半端じゃない・・。

普通に競泳水着で泳ぐ何十倍も疲れる・・。

夏服だけど、ブラウスとキャミにかかる水の抵抗が半端じゃない・・。


それに、何よりも・・水を吸い込んだパンツが脱げそうで脱げそうで・・。


着衣泳を経験する前は、『そんなに疲れないだろう』と舐めていた・・。

けど、実際にやると・・たまったもんじゃない・・。



考えた奴は、ホントに、バカよ・・。





だいぶ息が落ち着いた・・。


「私、なんで こんなバカなコトやってんの・・・」



小学校から、部活はずっと水泳部だった。


入るキッカケは、『泳げなかった』から。

そして、『田代君が居たから』。


水泳の授業で、泳げる女子がカッコ良かったの。それに比べて、私は溺れて もがいている様なブザマさ。

そんな私に先生がビート板を勧めてくれて・・苦しいだけだった水泳は、とりあえず前進は出来る水泳に変わった。

プールの端のコースで ゆっくりとバタ足をする、そんな私の目に田代君が映った。

田代君と友達達数人のグループは、プールの真ん中の方・・泳げる生徒達の中に居た。

当然、その中には女子も居て・・私なんか近寄るコトも出来ない、そんな遠さに対しての劣等感がすごかった。


私も田代君と話したかった。

田代君の腕に無邪気に抱き付いてみたかった。


泳げたら、私もあそこに居れるんだ・・。


生憎と、うちは水泳教室なんかに通える程の余裕なんか無くって。

生憎と、授業くらいしか泳ぐ機会が無くって。

生憎と、4年生に進級したら田代君と別のクラスになって。


そんな私に、4年生からの部活の義務が突き付けられた。


特に趣味も無くって、そんな私が偶々見下ろした窓の下、プールが見えた。

水泳部が練習していて、プールの周りに見学者がいて、そんな中に居た男子の一人に目が釘付けになった。



田代君・・。



走った。

プール目指して、ただ走った。

途中、先生に注意されたけど、何を言われたのか、何も覚えてない。


プールに着いた私は どんな感じだったんだろう。

息が苦しい。

心臓がバクバクいって、うるさい。

クラクラする視界で、田代君を探した。



居た・・。田代君・・・。



制服の痛みが早い。


カルキの効いたプールで着たまま泳ぐからだとは思う。

普通の制服に見える様に作ってあるとはいえ、あくまで縫製は制服のままだ。

素材も日々研究されてるとはいえ、普通の制服に見えるのが大前提だから、先は遠そうだ。

少なくとも、私がJK-sportsの選手でいられる内には無理だろうなぁ・・。


んー・・・チクチクする。

処理は最低限度に抑えないといけないとはいえ、長さを整えられた陰毛の先がチクチクする。

あの頃が懐かしい・・。

競泳水着の下はツルツルに剃り上げていたのだけど。

JK-sports競泳に於いては、陰毛処理は ほぼ禁止と契約で決められている。


水中でスカートが舞い上がった際に、パンツから透ける陰毛。

脱げかけたパンツからはみ出した陰毛。

それらはJK-sports競泳で大事な演出らしい。反吐が出る。



コンコンッ

軽いノックがして、ディレクターが入って来た。

彼女は、元JK-sports選手でもある。

真新しい制服を持ってるというコトは・・・。

「・・・また?」

「うん・・ごめんね・・?

でも、お金にはなるでしょ・・?」

分かってるわよ・・。

「今行く・・」

「うん・・」


JK-sportsでは、希望すれば、試合直後の選手の制服を買い取れる。

脱いで、スタッフ経由で渡すのが規定だけど、それより稼ぐ方法があるの。

買い取り希望の人が座る椅子の前・・スタッフが警護している後ろで、肩から下くらいが隠れる微妙に透けたカーテン越しに全部脱いで渡すの。

全部ってのは、もちろん下着まで含めて。

この場合、ただ脱いでスタッフ経由にした場合の倍額になる。

お金になるから、みんなガマンして そっちを選ぶ。


別に、身体を売ってる訳じゃなし・・、気色悪いのをガマンするだけだ。



まぁ・・バレない様に『売り』してる子もいるけど。



私の脱ぎたてのパンツを口に含むオッサンに吐き気がするけど、金になるんだからガマンだ・・。

「また、応募よろしくお願いしますねー♪」


笑顔が歪んでないか不安だ。



ほとんど泳げなかった私も、5年生になる頃には そこそこ泳げる様になっていた。

ほとんど泳げなかった私と、元々泳げていた田代君。

差が縮まったとは思えなかった。

クラスも違うクラスだし。

でも、今年は隣のクラス・・♪


それに・・同じ部活だから、毎日放課後には会える。


あと、少し胸が大きくなった気がする。

気のせいかもしれないけど、早く大きくなって欲しい・・♪



部活仲間と遊びに行く時も、出来るだけ参加した。

田代君がいない時も多かったけど、女子の付き合いも大事だ。

それに、私が田代君を好きなコトはバレバレの様で、応援してくれる子もいた。

田代君がいる時は、すっごく大胆なコトだってしちゃったんだから・・!



男子がパンツが好きなコトは知ってる。

普段からヒラヒラしたスカートを履く様にして、田代君の前では さりげなく見える様にした。

チラチラ見ていても、その様子は丸分かりで可愛いと思う。


良いんだよ・・田代君。私のパンツ見ても・・私のパンツだけなら、見ても良いんだよ・・?



「田代君・・」


私は、貴方とずっと一緒よ・・。

これまでも、これからも・・ずうっと・・離れないから・・。



当初、1話ごとの読み切り短編の予定でしたが・・1話1万文字くらいになりそうだったので、分割しました。

多分、群像劇になりそうです。


ただ、群像劇ってよく分からないんです・・(;´д`)

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