46邪神の力
2ヶ月27日目[87日目]夜
コウとセリは神殿に向かい走る。
まだ、邪神の気配は強いまま神殿の誰かを直接コントロールしている。
セリ「審議の玉を持ち光らせた状態で乗り込みましょう、その方が、他の白い者の邪魔が入りません」
コウ「分かった、セリの分だ」
コウは収納して有った、審議の玉を2つ出し、1つをセリに渡し、2人で白く光らせて神殿に入った。
神殿の中では、言い合いが始まっていて、双方の間に審議の玉を白く光らせて入った。
コウは「言い合いは止めろ!、私は神の使徒だ、今から審議の玉を双方に渡すから直ちに光らせよ、白く光らせた者は我ら神の使徒を手伝え」と言い、
審議の玉をいくつか出し近くの2人に渡すと、神殿の奥に走り出した。
セリは「邪神の使徒が居ます、渡され直ぐ光らせない者は直ちに周りの者が直ちに排除ししなさい、黒く光らせた者はうつ伏せになりなさい、抵抗する者や触りたがらない者は直ちに排除しなさい」と言い、
黒い者の集まっている集団の元に行き、審議の玉を持たせた。
持って直ぐ光らせない者は、頭メイスで殴り、玉を取り返した。
黒く光らせた者は、膝をメイスで折り、直ぐ動けなくして、玉を取り返す事を繰り返した。
セリには敵が分かっているので、神殿内の言い合いは直ぐ終わった。
一方、神殿の奥に行ったコウは、完全に闇堕ちして邪神に乗っ取られている大神官の命令で、コウが自分に近づくのを周りの神官に邪魔されていた。
因みに、この空間にいる者は皆んな闇堕ちした者なのは感じて分かっていたので排除しながら大神官に近づいて行く。
(おかしい、なぜ邪神は大神官との繋がりを切らない、俺が自分の存在を消す事が出来る存在なのを分かってる筈だ)
コウ「そうか!、邪神、お前乗っ取った者との繋がりを、簡単に繋いだり切ったり出来ないな、
今回はたまたま繋いだら俺が近くに来たのが分かり、慌てて繋がりを切るための時間稼ぎにあんな無理な理由で俺たちを投獄させたんだな、
なら今回は、慌てずキッチリと繋がってる分の全部を削ってやる」
コウは笑顔で、大神官の引きつる顔を破裂しないように繋がりの先の邪神だけ神気を送る様に攻撃した。
邪神が「貴様!、神である私にこんな事をしていいと思っているのか」と喚く。
コウは「邪神はもう神では無い、ただの余計な力を持った廃棄物だ、チカラが無くなり消滅まで封印するか、俺みたいな者が、存在をチカラごと消滅させるかだ、後5発は繋がりを切れずに殴れるな」と、殴る。
邪神「まっ、待て!、貴様は勇者か、なら神からの見返りは何だ、私ならこの世界の半分をくれてやる、どうだ仲間にならないか」と、少し笑う。
コウは「何か何処かで聞いたセリフだな、まぁドウデモイイけど」と言って殴り
「俺は勇者じゃ無いし、神からの見返りの約束もしてない」と殴る。
「俺はこの世界の神を気に入ってるし、この世界の理に関しても少し穴が有るが気に入ってる、お前みたいな奴に対しての対応が少し甘い気がするが、
オイ、クズ邪神!、お前が現れた当初に勇者による消滅では無く、この世界の英雄の討伐隊によるチカラを奪っての封印をしようとしたのか分かるか?、
お前のチカラが無くなって封印内で改心したら神は下位の生物にでも転生させてやるつもりだったみたいだぞ、勇者を呼べるのに呼ばずに討伐にしたのがその証拠だ」
と、繋がりが切れるギリギリのチカラで殴る。
邪神は「貴様は何故それだけのチカラを支配者になる為に使わない、何故こんな下位の世界の神に従うのだ」と、怒鳴りだした。
コウは「俺、自由で楽しいのが好きだ、権力は義務が付きまとう、義務を果たさない権力は、心からの友は居なく成り孤独になり、権力を失うと人との繋がりそのものを無くす、
俺は、権力による義務の繋がりではなく、お互いの想いによる繋がりの方が好きだ」と、拳にちからをため始める。
コウは、大神官の両手足を足で蹴りおり「邪神、お前は大事な選択を2度も間違えた、神でいる間に義務を果たさなかった事、
下位に落ちるのを嫌がり位外になり生き物に寄生する邪神に成った事だ」と、大神官の首を掴み。
コウは、困った顔で首を小さく振りながら「あと間違いでは無いが、この世界の神の差し伸べた手を、潰したのは失敗だったな、
その所為でお前を完全消滅の為に、俺みたいなイレギュラーをこの世界に呼ぶことになった、
俺のチカラは浄化による消滅では無く、破壊による消滅らしい、痛みの中で後悔しろ」と、大神官の顔を思い切り殴り破裂させた。
大神官の顔が破裂した後に、空間から引き裂くような悲鳴が何処からかとも無く聞こえた。
コウ「あいつ、救う価値が本当に無いな、逃げる為に部下を使い潰し、権力をかさに脅し、嘘の交渉で騙して誤魔化そうとする、最後は他の奴を貶める、最低のクズだな、
神にも後で忠告しないと、クズは何度やり直させても権力を得たらクズになる、
救うには、下に成り仲間に頼まれて上に立ち、見返りを考えず、権力を使う事も考えず、自己犠牲の精神で頑張る事が必要だ、しかし、そもそもそんな人はクズにはならないからなー」
白い空間
神「コウさん、私の間違いを知っていても手を貸してくれていたんですね。
貴方はこの世界に来た時から、この世界を見捨てて離れられるチカラを持っていた、
貴方のチカラで船身体を異空間で守り、宇宙にゲートで行けば何処にでも行けたのに、知っていながらこの世界を正してから楽しむ選択をしてくれました、
多分私を創造神としては優しすぎる慈愛の女神になりつつある事も分かっていましたよね、
子供神状態で結構頑張りましたけど、この戦いが終わるまでは保たせたかったですけど長くはもたず意味無かったみたいです。
コウさん、世界の管理者として最悪の適性の慈愛の女神に成りましたけど全力で頑張ります」
セリ(私にだけ降りた神託です、コウ様ににフォルエイの離れたら、次に移動する前に船の神殿に来て欲しいそうです)
コウ(分かった、神殿内の黒は片付いた、ソド達と先に合流する、サリから少し揉めてると念話が来た)
セリは頷き、2人で商人ギルドに向かった。
神官達が、俺達に見るとこっちを向き祈りながら感謝の言葉を言い始めるのが少し嬉しかった。
コウ「神殿の関係者で腐ってるのは上の欲まみれのクズだけみたいで安心した」
セリ「はい、嬉しいです」




