42セリの苦悩
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2ヶ月と23日目[83日目]夕方
子供達を送り出してから1日移動してエイアガード砦の街が見える場所に着いた。
早速、サリが俺とセリのチカラを合わせ索敵した。
白の者が砦の地下に纏まっている事が分かり、フォックス率いるラット達の忍び組に、白い者と街からの脱出路の調査と、更地にする前に物資の回収をお願いした。
朝の報告で脱出路は地下に1本砦から町の下で何本か合流して街の外に出口がある事がわかた。
出口になっている枯れ井戸に行き、捨て忘れた神殿建築時の石クズで埋めて更に山盛りにして塞いだ。
ラット経由で開いたゲートを使い覗き見した白い者は、例の首輪を付けられ者で、痩せて衰弱していたが、諦めない強い目をしていた、この人達は必ず助けなければいけない人達だと思った。
メンバーに忍び組の情報を話し相談した。
ガド「分からんように助けるのか」
コウ「先に会って話をするつもりだが、マリ、首輪は何か不味い機能は有りそうか?」
マリ「有るわね、登録者から離れたり、首輪に不可が掛かると周りの魔力で首輪が締まるわ、
でも船の空間なら隔離空間だし、魔力が無くて作動出来ない村で匿ってから首輪を外せば安全だし、登録者には分からないわ、
何なら更地にするまで、ポットでチカラを与えたら、そうすれば、復興も楽になるわよ」
コウ「少数なら考えておく」
サリ「外壁と砦は残してやるにゃ」
ソド「その方達が街の復興には外壁と砦だけ残し後は無い方が楽でござる、愚か者は入りに辛く、入っても隠れる場所は何処にも無いでござるから、排除し易いでござる」
セリ「全て農地に出来る位に片付けましょう、当分は砦を家にしてもらい、出入りには審判の玉も使ってもらって、黒は排除、白は受け入れを条件に援助をしましょう」
コウ「では、今回は砦と外壁を残すのと、鬱憤を晴らしたいので、向かってくる奴を排除して移動する、全ての人は黒なので、手加減はいらない、街から逃げたら魔獣達に動けなくしてもらい、俺達方で排除する」
ガド「ワシらだけでヤレるのか?」
コウ「逃がさない様に魔獣達が周り見張り、食料を見つからない様に領主館と軍関係の倉庫だけ奪い続ければ、後は勝手に食料の確保に争い減って行く、後は残った外道を排除するだけだ」
サリ「悪徳領主なら必ず徴収するにゃ、住人は隠すにゃから直ぐに争いが起きるにゃ、悪人の行動が分かってる作戦にゃ」
(褒める様に聞こえながらディスられた)
コウ「それが分かるサリはトーテモスゴイなー」
みんなが、また始まった、と言う顔をした。
ガド「貶し合いは終わりじゃ、だがいい作戦じゃ」
ソド「ソレガシモ同感でござる、
外道の中の外道とは言えど、無抵抗な者を殺すのは抵抗あるでござるが、
この作戦後なら無抵抗の者は逃げるか死んでるでごさるから、躊躇せず斬ることの出来る、良い案でござる」
コウ「それでは皆さん、後は魔獣達とクルーに任せて、仕込みが終わるまで、次の都市に移動しよう、モフモフ達よ、俺が必要なら呼べば直ぐ来るから、無理はするなよ」
魔獣達は作戦の為散って行った、クルーを呼んで作戦を説明した。
クルーには、街から逃げた者の中で、助け合ってる者はまだ戻れる望みが有るので、それ以外の排除を許可した。
森を移動して、次の街フォルエイに向かった。
マリの話しでは、フォルエイはガイエルン国に取り込まれる前からエルフとの友好国で、取り込まれた後も人族至高主義に賛同しなかった。
その為、王国からの支援は受けられずに孤立していたが、隠れてエルフと交易していたので、逆に王国よりも豊からしい。
昔から街の出入りに審判の玉を使っていた。
ガイエルンに取り込まれてもそのまま使っていて、例えガイエルンの王命の使者でも、例外無く黒が出た者は処罰としていた。
その事で、王都から騎士団が来たが、門を壊し押し通ろうとした時に、神獣が現れ殺されてしまい、以後の大人数の武装集団は近くだけで、殺される様になった。
ゴーレムを使い侵攻されたが、街の近くでゴーレムが機能停止で動かなくなり、ゴーレムを苗床に豊かな森になりフォルエイを豊かにした。
この森は何故かフォルエイの者かエルフ以外には危険な森になり、他の者は入れなくなった。
マリ曰く、次の街だけはマトモよ、との事だ。
フォルエイへの森の移動は、盗賊の襲撃を撃退するのと難民達がする物乞いの懇願をする者を追い払う事にヒジョーに時間が掛かった、
どちらも「黒い者です」と、セリが俺の後ろに隠れっぱなしになり、余りにもくっ付くので歩き難くなり、セリをおんぶしての移動になった。
おんぶしてからのセリは怯えは無いが、「黒です」以外の言葉が無くなり、白い者は現れず、セリが黒と判断した物乞いは警告無視は排除になった、
それからのセリは、怯えた感じは無くなり、サクサク排除だった。
(セリは悪党が分かるが、周りには分からず、自分の指摘により周りの信頼してる者の反発が怖くて怯えてるのか、一度その事に付いて話しをした方がいいな)
夜に船に戻り、メンバーの話し合いをした。
コウ「セリ、もしかしてセリの白黒判定によって、誰かに嫌われると思ってる?」
セリはうつむき応えない。
サリ「ウチ、あの奴隷の一件から、かなり黒が出てるはずにゃ、でも言われたら落ち着けるから言って欲しいにゃ」
セリが顔を上げ、驚いた顔でサリを見る。
ソド「ソレガシも、出てるのは分かっていたでござるが、あの子達を思い出し止められずにすまなかったでござる、
ソレガシも、サリと同様に言って下され、戦士は冷静であらねば実力が出ないでござる」
ガドとマリも頷き優しい笑顔だ。
セリ「えっ、みんなは自分が黒のオーラが出てるのが分かってるの?、
えっ、なんで?、なんで私を避けないの、今までの人達は優しい人も黒いオーラの事を言ったら、凄い顔になって私を罵倒し遠避ける様になったのに、
みんなは嫌じゃないの?、みんなは何で私を嫌いにならないの?、何で?」
ガド「ワシらは、いやクルーや他の仲間も、みんな自分の中に黒い心が有るのが分かっているし、それが出ているのも分かってる、
ワシら冒険者は認め抑える事が出来る、出来ん者は戦いの中で力尽き死ぬか、固定の仲間が出来んから稼げずに辞めて行く」
マリ「大体の人は、自分の嫌な面を知られる事に慣れていないから、分かる人を嫌い離れるわ、
特に神殿の関係者は悪感情を持つ事が、いけない事だと教えているから、自分の悪い感情を言い当てられるのは、こわいのよ、
憎しみ感情を出しながら、優しく、慈しむ何て出来る人はいないわ」
セリ「えっ、居ますよ」
ガド「イヤイヤ無理じゃろ」
せり「コウ様は、常にいろんな色のオーラです、黒が多かった時も他の色が消えず、黒が表に出る感じです、
他の色が無くなった事はありませんし、常にコロコロ色が変わり面白いです」
メンバー以外のクルーまでこちらを驚きの表情で見る。
コウ「今の俺は・・・そう、船だ、だから人の枠には当てはまらないかも知れない、うん、そうだ、きっと何か、そう、機械だった頃の何かの影響を受けたのかもしれない、だから俺の話しはお終い、みんな解散」
アバター室にゲート移動した。
セリがアバター室に追いかけて来た。
セリ「御免なさい、私、私もコウ様みたいな感じで怒りながら助けたいとか、殺しながら優しい気持ちが有って、何で神殿の人達は違うのか分からなくて、コウ様が初めて黒が一杯の時、嫌だったけど、他の色が消えてなくて、直ぐ色んな色に戻った時、救われたの、私は1人じゃ無いって、たから、私を嫌わないで下さい」と泣き出した。
俺は泣いているセリを抱きしめ頭を撫でながら、
「嫌わないよ、だから安心して、でもこの事は一般人には話してはいけない感じがするする、話して広がると俺とセリはここに居られなくなる様な気がするんだ、だから、秘密にしよう」
セリは頷き強く抱きしめてきた。
(何だろう、この確信に近い予感は、この事は考えない様にしよう)




