39*3・7移民、難民、クズ王女
2ヶ月と16日目[76日目]朝
メンバーとクルーが新たに2人増えて18人を王都に送り、俺とセリと神獣達と神獣モードでフォレストセインにやって来た。
神獣モードの俺達を門兵が気が付き中に入れてくれた、難民もテントを片付け並び始めた。
門兵に食料や物資を多めに渡してから、受け入れ手順を伝えた。
伝えた内容は、
門は閉めたままにして、中に入った門兵が出る以外、門は開けない事、
ゲートを通って街の中に入る事、
ゲートは必ず1人ずつ通る事、
歩けない者や子供は荷車で門兵が運びゲートを通る事、
赤子は門兵が抱いてゲートを通る事、
病人は、馬車に乗せ、一旦違う場所に行って治療後に戻る事、
悪しき者は、ゲートを通っても中には入れず、何処かに飛ばされる事、
並んだ難民に説明してもらった。
難民は200人程いたが、受け入れはスムーズに進み2時間を程で終わった。
病人は魔獣ホースの引く馬車1台で運べる5人だった。
問題にしていた悪党は、1人だけだった、親子を装った男の子を連れた悪女だ。
悪女を先にゲートで海の上の死のダイブに送り、男の子に話を聞くと、やはり母親ではなかった。
男の子は近くの村の狩人で成人していた、村に食料が少なくなり食料を確保する為に、村のお金を預かり、食べ物も持たされて、この街の叔父に村に食料を届けてもらう交渉に来る途中で、あの女性に声を掛けられ一緒に来たとの事だった。
門兵によると、狩人の男は無事に叔父に会えたとの事だ。
(悪しき者は入れず、何処かに飛ばされると警告しても、騙せると思う馬鹿がいた。
おとなしく盗賊にでもなって、ケチな商人でも襲い、冒険者の糧か、俺達の獲物になればいいものを、
今度は「悪しき者は、死の地に飛ばされる」にしようかなー)
王都のガド達に合流すると、ガドからイサクさん達商人から連絡が有った。
内容は、
ミストリアからの避難民の集団を何件か保護したため合流したが、避難民は皆が追われていて、彼らはかなりの犠牲を出し追っ手を振り切ったらしい、だが早く移動しなければまた見つかってしまうので、急ぎゲートを使いたいとの事だ。
急ぎ神獣モードで魔獣達とイサクさん達商人の居る場所に行くと、凄い数の難民だった、
イサクさん達がゲートを通る注意事項は説明したが、「直ぐ通せ」と怒鳴る奴が多く、説明を聞かずに勝手にどんどんゲートに消えて行った。
魔獣達に周りを警戒してもらう為、周りに散って行った。
粗方荒くれ者が勝手にゲートに消えたので、説明を始めた。
説明はフォレストセインとほぼ同じだ、違うのは最後の部分が、許可無くゲートに入った者、悪しき者は、死の地に飛ばされるに変更した事だ、
残った者は、勝手にゲートを通った者の末路を悟り、難民の1割程が隠れる様にいなくなった。
セリが見てゲガ人に黒い人は居ないとの事で、イサクさん達にポーションを渡して回復してもらった。
神官が何人か居たが、皆が魔力の枯渇状態で、これまでに治療しては気絶するを繰り返し、かなり衰弱して倒れてしまったそうだ。
このまま治療を続けたら、神官が死ぬまで治療しそうで、ケガ人もケガを応急処置だけをして、治療を頼まなかったらしい。
お年寄りは、止めたが「時間を稼ぐ」と言って、追っ手の足止めに残り死んだそうだ。
病人達も薬が無い為、助から無いならと、動けるうちにと追っ手の足止めに残ったそうだ。
何故、難民を追う?、ふと身なりがおかしい女がいた、セリ曰くあの女と周りの男達も黒い人との事、
近く居たウィルコさんパーティーに、その女とその周りので邪魔するものを縄で縛り連れて来て貰った。
セリが見て並んでいた中で黒い人は、此奴らだけらしい。
お前達がゲートに入った先は、死の地だと伝えると「獣風情が我等騎士を愚弄するか」との事なので、俺の神気を纏った麒麟の前足の蹴りで弾けてもらった。
話し出した内容は「私の為に命を懸けて守るのが当然だ」とか、革鎧に傷も無いのに「我々が守ってやったんだ」とか、「もし捕まったら宝を隠した隠し部屋を拷問で吐かせられる」だった、
女に隠し部屋を教える事を条件に逃がしてやった、あの様子だと拷問され死ぬくらいなら自殺するか、どうせ死ぬならと拷問されても話さないだろう。
ホース2匹とフォックス2匹を、後々のゲートの移動の為にミストリア王都に行ってもらった。
難民の話しでは、ミストリア王都は、皆が逃げ出し、食料はまだ有るらしいが、アークレスト同じ様な状態になってきたらしい。
(その内、神の準備が出来たらまた神から神託が来るだろ)
イサクさん達商人は他の都市や町に行くと旅だった。
俺達は、アークレスト王都に戻り、夜までの回収で使える物は全て回収できたので、明日からはエルフの国のエイルーフに向かい、協力をお願いしに行く予定だ。
エルフの協力を得られれば、獣人の援護に兵を送れる。
多分エイルーフの北の2国を安定する必要がありそうだ。




