37*3・5アークレストの崩壊
2ヶ月と15日目[75日目]昼過ぎ
今俺達は、城の攻略中だ、と言っても城の中には入らず、銃撃して穴を開け穴に手投げ弾を投げ込むを繰り返してる、
地上には特に欲しい物は無い、宝物庫や研究施設は地下にあるから、上物は要らない。
どうせ王族と取り巻き連中は地下から隠し通路を使い逃げてる頃だ、今のうちに隠れる場所も無くしとこう。
どうして追わないのかって、それは俺の魔獣達が脱出口を全て潰し出られなくして有るから、そろそろ諦めて戻って来る頃だ。
攻撃を続けていると、城内から「キィー、何で、城がくずれてますの!、兵士は何やってるの」と、金切り声が聞こえて来たので、その声のする場所に攻撃すると「ギャー」と蛙が潰れた様な声の後、静かになった。
サリが「声の辺りのモノは全滅したにゃ、他のモノは地下を移動して背後のあの辺りにいるにゃ」とその場所にマシンガン撃つ、すると当たった場所の地面が四角に抜け、3体の派手なゴーレムが出てきた。
全員の一斉射撃、動きは止まったが、余りダメージになって無い様で、ゆっくり歩いて来た。
1番ゴツいゴーレムが前に出て来て「1対1の決闘だ」と言うので「では、他の2体は、全員を相手にするのでいいか?」と尋ねると、
何やらコソコソ相談して「貴様が我らと3回戦え」と巫山戯た事をほざいたので、後ろのゴーレムが前に倒れる様に、キャノンで股間辺りを打ち抜く。
次のキャノンにゲートで持ち替え、もう1体も同じ様に倒す。
次いでにこいつらが出て来た穴に手投げ弾を4個程投げ込んだ、
悲鳴が聞こえ、爆発回数もかなり増えたのでまだ隠れた兵とゴーレムがかなり居たらしい、
居るとは思ってやたんだけど、まだ音がするので続けて4個投げ込んだ、
無事に這い出て来たゴーレムが爆発に巻き込まれ、下に落ちて爆発していた。
マヌケな奴。
ゴツい奴は、しばらく唖然とした後「ひっ、卑怯だぞ!、1対1 「で、やっただろ、何が不満なんだ?、
俺以外は攻撃してない、1対1の3連戦だ、
途中に流れ弾が行った先に、隠れた卑怯者がいただけだ、
お前が出した馬鹿な条件が叶ったんだ、良かったな」
ゴツい奴は、文句は言わなかった、今、何か言ったら、俺を人質にしてにげられないからな。
ゴツい奴は「勝負だ!」と言い突っ込んできた。
諦めが悪い。
俺は盾のロックを外して構え盾を前に突っ込む、盾を前に軽く押し投げて目隠しにして、相手の左の盾の死角から背後に回り込み、両ヒザと両脇の下の装甲が無い場所を剣で突き刺し、後頭部を蹴り前に倒した。
投げた俺の盾は綺麗に上下に斬り裂かれていた、予想していたが、接近戦の剣に盾それに鎧の装備はアークレストの王族仕様の方が遥かに上だった。
皆んなに「ゴーレムはあまり壊さないで、持ち帰りたい」と言うと、両手足を完全に動かなくしてから、
背中の制御装置をガドが取り外し、操縦席の辺りを代わる代わる剣で突き刺さしていた、
真っ直ぐ刺さないと弾かれていた。
正面から戦ったら負けたな、まあ動きは鈍かったから背後に回るのは簡単だったけど、後ろの関節への攻撃は正解だったな。
(刃が刺さり辛いからストレスになりそうだか、気が済むまでやらせてやろう、
生き還れなかった仲間もかなりいたらしいし、例え王族ゴーレムの秘密が分からなくなっても、皆んなの憂さ晴しになるなら、
俺が助かる、
あの俺に対して鬼の様にこき使う状態が無くなるなら、メッチャ安いもんだ、アレは辛すぎる)
胴体の形が無い王族用ゴーレムと地下の壊れたゴーレムを回収してから、しばらく間、城の地下を物色して資料や資材、兎に角取れる物は全て回収した。
街でも同じくあらゆる物を回収、メンバーの批判が酷かったが、「盗賊討伐と一緒」だと言ったら、渋面で諦めていた。
コウ「このまま放置したら、余計だ争いの種だ、要らん争いは今の情勢では危険だ」
セリ「本音は?」
コウ「持ち主がいないし、文句も出ない、俺たちが持って行った事もバレない、こんな美味しい場所、他人に譲れるかー」
サリ「墓泥棒にゃ」
ソド「墓荒らしでござる」
コウ「トレジャーハンターと言ってくれ」
ガド「カッコ良く言っても同じじゃぞ」
マリ「遺跡では無いから、火事場泥棒とも言えるわね」
コウ「そうは言うけどさ、皆んなだって、ガドは盾と剣を、マリは杖と指輪とローブ取ったし、サリは短剣10本以上に弓矢を、俺の開けたゲートに投げ入れてたし、ソドなんか、刀を全部ガメてたじゃないか、何故俺だけ悪く言われなければならない」
セリ「死んだ人の身に着けてる貴金属に指輪まで取ってるからでは無いですか?」
コウ「みんなだって、盗賊の装備剥いでたじゃん、何が違うの?」
全員「全然違ーーう」
コウ「闇堕ちした悪党だから一緒、見た目が違うだけ」
全員考え込み、納得した様で、死体からも回収し始めた、チョロイ。
セリ「コウ様、黒出てますよ」
(イカンイカン、でも黒い人では無く、黒が出てる?、他の色に黒が混じるのか、黒が少し出るのか、今度聞いてみよ)
王都の物をひたすら回収していたら、夜になっていた暗いと効率が悪いので明日の朝から再び資材を漁る事になり、ゲートでみんなを船に送った。
俺とセリは、救出した子供達と女性神官を希望の街まで送ろうと街の中を探していると、神獣に王都の外で休んでると教えられた、その場所に行くとスパイだった男と抱き合い泣き崩れていた。
あの男は確か王都に人質が居ると言っていた男だ、人質はあの女性神官だったのか、良かった、人質も助ける事が出来てたんだ。
近付くと子供達か気付き頭を下げた、それに気付き女性神官も頭を下げた。
スパイだった男は「もしかして」と言ったが、その後は首を振り人差し指を口につけ喋るなのジェスチャーで止めた。
コウ「子供達と行くあては有るのか?」
女性神官は首を振り、「何処かの街に保護して貰おうと考えてますが、移動手段が無くて悩んでいます」
セリ「フォレストセインなら受け入れてくれると思うのでいかがですか?」
コウ「今なら私達が送りますよ」
神獣達をゲートで呼び、神獣モードになる。
女性神官「よろしくお願い申し上げます、神獣様」
コウ「では早速行こう」
ゲートでフォレストセインへ行くと外壁の周りは凄い数のテントだった。




