36*3・4大神殿の奇跡
2ヶ月と15日目[75日目]朝
アガード砦を出発して、次の日の昼頃にソガード砦へ近くついたそこからは神獣モードになり向かった。
砦の街は既に次のリーダーが決まり貴族ギフトも授けられていて、すでに落ち着いた感じだ、出入りにも審議の玉が使われ邪な奴は入れなくなっていた。
神獣モードのままゆっくり様子を見ながら入り通過するとみんながこちらを向き拝んでいた。
上手くいったようで平和そうだ、見えない所ではまだ分からないが、今はアークレスト王都に急いだ。
王都に着くと神獣が集まっていた、魔獣は王都を取り囲み準備OKみたいだ。
神獣の集団に近づくと、皆が頭を下げた白狼の神獣が前に来て「コウ殿、間に合い良かったです、これより神罰をおこないますが参加しますか?」と聞かれた。
何故俺か分かったのか聞いたら神気の質らしい。
アバターを持つ眷族全員をゲートで呼び、話し合いの結果、俺達は大神殿の浄化[殲滅]をしてから、王城に行く事になった。
入り口の門は閉ざされ開ける様子は無い。
セリが俺を通しサリの気配感知を使い中を確認して、首を左右に振り「もうここには黒い人しかいません、おそらくまともな人は逃げたか、捕まり殺されたみたいです、生きてる人は例え小さい子でも敵です、惑わされ無いでください」と言った。
コウ「神が王都だけ、本来の神罰にしたのは助ける者が居ないからの判断だ」
ソド「子供でも殲滅対象でござるかー」
サリ「無理なら行くの止めるにゃ」
ソド「セリ殿の見立ては間違いないでござるから、腹はくくったでござる」
コウ「中にいるのは、人に化けた殺人人形だ、必ず破壊しろ、これは命令だ、逃せば誰かが殺される」
みんなが頷き、変装して武器を構えた。
門を神気を纏い魔力強化して殴ると一撃で吹き飛び、中で待ち伏せしていたモノを巻き込み建物破壊して行った。
それが合図となり、一斉に神獣と魔獣が王都に雪崩れ込んだ。
大神殿に向かう途中の戦いは異様だった、大した武装も無い一般人が逃げずに魔獣に襲いかかり殺されていた。
大神殿に着くと入口の神官が「ここは神聖な場所だ、関係無い者は、「お前らだー」。
的外れな講釈をした神官を殴りつけた、その後に居たモノも余波で弾け飛ぶ。
やはり中のモノは男女関係無く向かってきた、子供や老人までも襲ってきた、(なんかイライラしてきたなー)。
奥に在る広間の壊された神像の前に大神官がいた。
大神官「強き者よ、我の元に来い、強き者が支配する世界を一緒に作ろうではないか」
コウ「なら俺が支配する世界だな、裏でコソコソする事しか出来ない弱い邪神は、いらない」
そう言いながら殴りつけた、が、結界により阻まれた、大神官はニヤリと笑い「神の結界を壊せるものか、馬鹿・・め・・・」、大神官が倒れ結界が壊れた。
セリ「コウ様、今何かしました、ただ殴ったではないですよね」
コウ「邪神が結界を作っていたから、その魔力の流れを使い神気で攻撃した、消滅してはいないが、かなりの存在力を削った、これに懲りたら直接干渉はして来ないだろ、まだしてくるなら干渉分きっちり削ってやる」
みんな慣れた者で、呆れながらも残りを殲滅していた。
セリが神像の後ろにあるバリケードの様に積まれた木を触り「この中に誰か白の方が居ます」といった。
積まれた木を退かし中に入ると、1人の痩せた女性神官と痩せた子供達がいた。
女性神官は、子供達を庇う様に前に出て武器を構え震えていた、俺の後からフーとルーが入って来た途端、武器を捨て祈りだした。
パンや果物などの食料を出し、食事を取りながら事情を聞いた。
大神官が突然、2週間前位から大勢の人を魔族が化けていると捕まえ殺し始めました、私は孤児院に居る子供達と此処に荷物を持って逃げ込みました、あの穴からと指さす壁に女性神官が通れるギリギリの穴があった。
何でも子供達が遊んでいる時に、コンコン音が聞こえその場所を叩いて居たら音がいつの間にか消えていたが、少し掘れたのでそのまま掘っていたら、穴が空き中に庭が有って遊び場になっていたそうだ、
ここには水も少しだが食べれる草や木の実があって誰も入って来ないので此処に隠れたそうだが、別の入り口から声が聞こえ怖くなりみんなで枯れ木で塞いだそうだ。
持ってきた食べ物が無くなり一度外に出ようした時、彼女に神託が下り「出てはいけない、もう少しすれば、助けが来る、頑張りなさい」と言われ、外に出るのをやめて、飢えに耐えていた所に、俺達が来たとの事だ。
壁の音はセリが閉じ込められた時にやっていたらしい、音が止んだのは、連れ出されたからで、その後穴を開け遊び場になり、今回の救出になった、セリがやった一人遊びがもたらした奇跡だった。
セリが小さな声で、「私のあの時間が無駄に成らなかった」と嬉し泣していた、俺は抱きしめ「よかったな」と言い、強く抱きしめた。
次は城だ、セリ曰く真っ黒らしい、逃げ口も無いので身バレも無いので、派手にゴーレムで攻める事にした、まだ城にはゴーレムが有るはずだから丁度いいとゴーレムを出し、キャノンで門を壊し、手投げ弾を投げ込み爆発が終わってから中に入った。
入り口でゴーレムの待ち伏せしていた様だが、瓦礫になっていた。
ガド「なんか哀れだな」
コウ「こいつらに同情なんかいみないぞ」
ソド「こいつらでは無く、今までの戦略家の方でござる」
マリ「ここでの待ち伏せは、敵を大量に殺すチャンスなのよ、それがコウに取ってはたくさんの固まってる獲物になってる」
サリ「ウチもたぶん待ち伏せにゃ、それがこうなるなら、ウチ、1から勉強にゃ、勉強いやにゃー」
セリ「マア、コウ様は例外ですから」
コウ「イヤイヤ、この世界が遅れてるの、待ち伏せもやり方が間違ってるの、ねぇ、聞いてるねぇ、置いてくなー」
PS:待ち伏せは安全な場所から遠距離攻撃




