29*2・14ゴーレム盗賊団
1ヶ月と10日目[40日目]夕方
冒険者ギルドでゴルド副長にゴーレム盗賊団の情報を聞き、交渉していた。
盗賊団は、討伐軍が現れると隠れて見つからない為、冒険者ギルドに依頼が来たそうだ、既にかなりの商人と護衛が襲われていて、森に逃げ込み街まで森で隠れて逃げた、小間使い1人以外は皆殺しになったらしい。
助かった小間使いによると、盗賊は全部で20人以上でゴーレムが3体で、ゴーレムは棍棒と盾を持ち襲って来たらしい、
貸し出されたゴーレムは、自分達で改造してもいい事になり、成功報酬もゴーレム以外に高額の討伐報酬に依頼を受けた事でハンターへランクアップした。
ゴーレムに乗れて、パーティーで盗賊団を討伐出来る実力のある冒険者をハンターに上げないと、何かと不都合が出るらしい。
盗賊が見つからず、依頼をキャンセルする場合は、ゴーレムは元に戻して返す様にとの事だ。
キャンセルしなければ、借りっ放しでOKらしい。
ゴーレムは6体預かり、馬車3台を借りて、馬車で6日の道のりをソーマに向かった。
ゴーレムは意外と軽かった、見た目はリュックを背負った鎧姿のドワーフ、構造は人の体の骨格に筋肉や神経を錬金術を使い金属と有機物で作った、まさに人造ドワーフ。
改造は移動1日目夜に、ゲートで船に戻りすることになった。
移動はスムーズだった、たまに馬車数台にゴーレムと荷物を乗せた商人とは、何度かすれ違ったが、行商の馬車や歩きの人は殆どいなかった。
これは、国のメンツが潰れたとしても、冒険者ギルドに依頼した訳だ、行商人任せの小さな町や村への流通が止まってしまってる、ならターゲットの行商人を装えば、釣れるな。
夜、船に戻っての改造は、一晩で終わった。
改造は、手動操作を補助する装置が入ったリュック部分を外し、武器はメンバーに合わせて用意したが、ソドの刀は作れず剣に、サリの弓は作る素材が無く諦め、投擲槍になった、俺とソドとサリはいらない装甲は外し軽く速く動ける様にした。
(最悪ゴーレム無しの素手でもなんとかなるだろ)
襲われやすくする為、馬車1台にゴーレム1体を乗せ移動する事にした、他のゴーレムは盗賊のゴーレムを見つけたら出す予定だ。
移動2日目の昼、サリが、何人かまとまっている気配を感知、馬車にガドとマリを残し、先に偵察に行くと、5人が隠れていた。
馬車が見えると1人が離れていくので、ウルフ1組に念話を繋ぎ追わせる、フォクス達1組をその後を追わせフォローさせた。
サリの見解では、奴らは斥候のプロらしい。
分からない様に近づくのも、声を出させずに倒すのも無理との事なので、白狐に幻術で俺達をゴブリンに見せて近づくと案の定、倒しに来たので、一気に近づき、サリは目に矢を当て、ソドは、胴体を切り飛ばし、セリは頭をメイスで殴り飛ばした、俺は顔を弾けない様に殴った。
装備や道具を回収して馬車に戻り調べるで見ると、汚れているが高価な物だった。
ガド「ゴーレムを盗み商人を襲ってるのは、何処かの国の工作員かも知れんのぉ」
サリ「かなりの手練れにゃ、隙が無くてウチが近付け無かったにゃ」
マリ「えっ、どうやって倒したのよ、何も聞こえなかったわよ、・・・アッ、やっぱり話さなくていいわ、何と無くわかったから」
みんなで困った顔で俺と白狐を見て乾いた笑いをする。
コウ「今報告に戻った奴を、魔獣達が追ってる、皆んなに相談なんだけど、工作員らしいから根こそぎ刈りたい、ゴーレムは俺だけが相手するから、皆んなは残りを片付けて貰いたいなーと」
ガド「勝算は有るのか?」
コウ「最悪は生身で戦う、神力でガードすれば、俺自身はダメージ受けず、平気だから何とかなると思う」
セリ「勝つだけなら全く問題無いと思います、ただ、余り早く倒すと他に逃げられますから、私達が刈り切るまで、劣勢を装って貰う必要が有ります」
サリ「ならガドが適任にゃ」
ソド「ガド殿が時間稼ぎをして貰い、皆んなでかかれば、簡単でござる」
コウ「・・・主人として、俺がゴーレムの相手をする」
サリ「何でここで主人権限だすにゃー」
ソド「そうでござる、ガド殿なら確実でござる」
コウ「イヤだー、俺が一番にゴーレムで戦うんだー」
言い合いの後、いや、駄々をこねた後に、何とかゴーレムでの時間稼ぎを勝ち取った、
ただ、ゴーレムはガドが乗る筈だった守備タイプでさせられる事になった。
曰く、コウのゴーレムだと、やっちったと時間稼ぎ前に、倒しそうだからとの事、俺自身もやりそうだと思った。
夜、野営しているとゴーレムが3体現れた、皆んなは既に盗賊刈りに行っている。
まだ連絡が無いので、時間稼ぎする事になった、
ゴーレムに乗り込み、馬車にみんなが隠れている様に演技して、ホースの魔獣に馬車ごと離れた所に逃げて貰った。
確かにリュクを背負ってる割りに速いが、3体の連携は無かった。
1体1で残り2体は見てるだけだ、賭けをしているらしく、「あと何分で交代だ」などと言っている。
ゆっくりと分からないようにダメージを与え、OKが出たら、しばき倒す。
相手の攻撃を盾でいなしながら、足の関節を、たまたま当たった様に見せながら攻撃、そろそろ壊れそうなので、狙いを剣を持つ手に変え攻撃する。
こちらもかなりボコボコだが、大事な部分は無傷、3体はゴーレムの関節の異変に気付き3体で囲んで来た時に、
セリから(終わってますからやっちゃていいですよ)との念話、
(今、終わってますていった、いつ頃終わったの?)
サリから(攻撃を手に変える前にゃ)、
ソドが(因みに、1体目の足の攻撃を手に変えたあたりでござる)
(アー、大分前に終わって観戦してたのか、なら、これからは遊び無しだ)
右側のゴーレムに向かい、剣を上に構えると、相手が盾を上にした、俺は剣を軽く上に投げ、スライディングして膝を折り、相手の剣を手ごと奪い、人の乗る胸を装甲の無い横から突き刺した。
盾を捨て、両手に剣を持ち、次に向かって来たゴーレムに対して、右手の剣で賊のゴーレムの足を狙ったが、盾を下げて守られた、
しかし左手の剣で賊のゴーレムの胸を突き刺さした、剣で弾こうとして壊れかけた手が捥げそのまま胸を刺された。
最後の奴は逃げ出したが足が上手く動かず転んだところを脇辺りから、人の乗る所を剣で刺して終わらせた。
セリは手を叩き喜んでいたが、他のメンバーは止めの一撃が余りに正確なのに驚いていた。
後で聞いたが、ゴーレムは正確に狙っても、ズレる為、俺がしたみたいな装甲の間は狙えないらしい。
試しに、他のメンバーに狙わせたが確かにズレていた。
しかし、練習している間に、セリが、「アバターみたいに動かせばできました」の言葉で、全員狙い通りに当たる様になった。
(俺のチートがーーー、まっいいか、戦力アップだし)




