19*2・4白狐のカオス
1ヶ月と7日目[37日目]夜
俺達は街道の休憩所で野営する事にした、魔力が回復したので、重傷者だった人を俺が、他をセリが診た。
重傷になった人は、名前はウィルコさんで護衛パーティーのリーダー、しかも子供の親だった。
俺はてっきり、イサクさんの子供だと思っていた。
子供の名前はエルザ、母親は病気で亡くなり、女の子1人を置いて冒険者の依頼はできず困っていた所、
イサクさんの護衛依頼に子供の同行してもいいと言われ、しかも子供を馬車に乗せてくれた。
一般的には荷台には荷物をギリギリまで積んで移動が多いらしく、イサクさんのように余裕をもたす商人は、少ないらしい。
更にウィルコさんが護衛で亡くなっても、エルザちゃんが15歳になるまで面倒を見ると契約[魔法で契約事項と違反時の罰則の契約]をしているとの事。
コウ(護衛の人はイサクとの約束を美談で話してるけど、ウィルコさんのパーティーが優秀で結束が強く、エルザちゃんが賢いから契約したんだと思う、
まぁ、襲われた時、エルザちゃんを庇っていたから、商人としても、人としても、信用してもいいかな、セリにはイサクさんどう見える?)
セリ(かなり優しいオーラです、ただ、盗賊貴族の「国王の命令」辺りで、怒りと一緒にかなり濃い黒いオーラが一瞬ですが出ました、
王侯貴族にかなり嫌な思いをしてますね、商人として目利き、推察眼、先見が有ります、商人としては信頼でき、仲間に引き入れても良いかと、
ちなみに、皆んなの演技がヘタクソなので、コウ様がリーダーなのは見破られてますよ、
ウィルコさんのパーティーも、ハンター[冒険者の上のクラス、更にマスタークラスが有る]に上がれないのに、
馬鹿でも無くオーラが綺麗のは珍しいです、此方も仲間にしても良いかと思います)
セリ、意外と毒舌だな、俺を怖がってる事を怒ってるな。
コウ(皆んな、イサクとウィルコ達に、神からの依頼、神獣からの今の状況を話しチカラを貸してくれるなら、
俺達のチカラと目的を話し、助けられる所は助けようと思う)
ガド「コウ、セリ、イサク殿に紹介するから行くぞ」
意識が戻ったウィルコさんとイサクさんが話ししてる焚き木に行く、
「もうお気付きだと思いますが、リーダーのコウです、隣りにいるのかサブリーダーのセリです」と挨拶した。
「御二人に、お話したい事が有ります、聞いた上で、意見を聞きたい」と話し始めた。
神からの依頼と神獣から聞いた今の世界状況を話した、
イサクさんは思考を巡らせ、ウィルコさんは、合点がいった顔だった、
イサクさんは、「コウ様達は、邪神を倒すチカラが有るそうですが、それだけでは駄目なのですか?」と探ってくる、
まぁ、チカラが有るといってる者に対して納得な反応だな、信じられないだろうし、騙してると思うのも当然だな。
駄目でもイイヤーと、諦め半分で話したら何故か信じてもらえ、俺がでは無く、神が世界をどの様にしたいのかに、変えて話した。
俺達がその後の世界を旅したい事も話したら、共感された。
あと、様と殿は強く拒否したら、コウさんになった。
イサク「コウさんが世界の王になれば皆んな幸せになりますね」ウィルコさんも頷く
コウ「ゼータイ!イヤだ」
セリ「1人のチカラによる幸せは、人を堕落させ、ゆっくりと滅びに向かうそうです、
国は街ぐらいの規模で、統治者が支配者にならないようにする。
自国民以外にも他の国民も統治者を監視し、支配者に成りそうなら引き摺り下ろせば、統治者には支配欲の有る者は成れなくなります。
悪事がバレたら周り全て敵になる、そんな統治者は真面目な者以外に成りたがらない役職に成ります」
コウ「特産が無いとキツイですが、人に余裕が出来るとだいたい生まれたり見つかったりするものですよ」
イサク「具体的に私達は何をしたら良いのですか?」
コウ「今回は盗賊貴族の証言をミストリアで噂として広めて貰いたい。
あと、御二人が信用できる人をソーマに連れて来て、俺達に会わせて欲しい。
仲間にするかは会って決めますので、神獣からの情報以外は話さないで下さい。
情報元に会わせる位で連れて来れる人が望ましいです、聡い人はそれで来ますから。
俺達は、チョト、アークレストに野暮用を片付けに行ってからソーマに戻ります」
イサク「その内容なら是非やらせていただきます、処で用とは」
セリ「前の大戦で寝返り、神の怒りをかった、邪神の使徒の排除です」凄い迫力の笑顔
(ウワー、ヤッパリこの話題だと怒りが凄いなー)
その後、イサク達に詳しく話し、聖域守る為に近くの森に隠れ里を作ること。
ミストリアの聖域の森に近い街を国として各国のまとめ役にしたいこと。
今戦争してる馬鹿な国とアークレストを1度解体し各街を独立させたい事を話した。
イサクは商人として喜び、ウィルコは子供の未来が明るくなりそうだと泣いていた。
2人に連絡用にと通信具[小さい音だけ通るゲートが入った箱]を渡した時、驚きイサクから幾つか売って欲しいと言われたが、長くは使えないと伝え断った。
通信具を使い興奮するイサクさんを宥めていると。
サリ「2匹が近付いてるにゃ、ただ敵意はなく、匂いに釣られて来たみたいにゃ、どうするにゃ」
近付いて来たのは、狐の子供だった「俺達が対処する」と言い、焼いた肉を持ちセリとゆっくり近付いた。
手に持った肉を子狐の鼻先に出すと匂いを嗅ぎ食べ始めた、セリが「神獣の子供です、親が探してませんか?」と言う。
すると。
サリが「気をつけるにゃ‼︎、今度は敵意を持った2匹が来るにゃ」と言った後すぐに白い狐が森から出て来た。
親狐が唸っているので子狐から離れると子狐がついて来る、仕方ないので、唸る狐に近づくと子狐もついて来た。
親狐に「聖域は使えるが周り森の餌はまだ少ないがどうする」と話しかけると唸るのを辞め「神の使徒コウ様、唸ってしまい申し訳ありません」と頭を下げた。
しばらく狐の神獣、白狐と話し、皆んなの方に戻ると子狐がついて来た。
このパターンは‼︎、と子狐達を見ると・・・ヤッパリ眷族に成っていた。
念話を繋ぐと、「コウ様宜しくお願い致します」「コウ様宜しゅう願います」と既に個性が有った。
乾いた笑いをしながら、名前付けは個性に関係無いんだなーと、遠い目をしていると、
白狐は「子供を宜しくお願いします」と言い森に入っていった。
俺は乾いた笑いをして、
セリは俺の頭を撫で、
メンバーは当たり前の様に各作業をしていた、
イサクは土下座になり、俺に?拝み謝り赦しを願い
ウィルコ達は固まって動かず、
エルザは足元に水溜まりを作った。
なに、このカオス




