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18*2・3森を抜けたら

 1ヶ月と7日目[37日目]午後



 俺達は今、森を抜けてミガード砦を目指して移動している、森と違い危険な奴はいないらしく、止まる事なく順調に進んでいた。


 サリが急に止まり、人差し指を口に当て、静かにと合図する、耳を澄まし何かを聴く。


 サリ「あっちの方から剣を打ち合う音がするにゃ、多分人同士が戦ってるにゃ」(どうするにゃ?)


 コウ(行こう、少しは情報が得られるかもしれない)


 ガド「行くぞ、サリ案内を頼む」


 サリは先導しながら状況をチェックしている、皆んなにも戦闘音が聞こえる、見える位置に来た時確認できたのは、馬車が、盗賊に襲われていた。


 コウ(盗賊が強過ぎないか?)


 セリ(あれは訓練された兵士の偽装です、早く助けないと皆殺しにされます)


 子供の悲鳴が聞こえた。


 コウ(ガド、声出して突っ込め、俺とセリが戦闘形態で付いてく、行けー、


 マリは敵の遠距離攻撃してる奴に牽制、


 サリは隠れている奴を逃すな、


 ソドは、そいつらを確実に殺せ、


 ガド、1人だけ殺すな後は、全員殺す)


 俺は戦闘形態になり、大声を出しながら走るガドを、追い越し子供の近くの盗賊を盾の上から殴った。


 拳は盾を貫通して顔を捕らえると頭が弾けた。


 固そうな盾を構える奴は、殴ると見せかけて、前に出た足の甲を踏み抜き、


 低く回り込んで後ろの足を蹴り折ってから止めを刺し、


 斬り込んで来た奴は剣を左手で受け流し、足を蹴り体制を崩して倒れたところに顔を踏み抜き止めを刺した。


 自分でも信じられないくらいに怒っていたのに冷静に倒していき10人位倒した所で、周りに居なくなった。


 ガドから「見える敵はいないが警戒しろ」との声が聞こえて、落ち着きを取り戻した。


 全部で30人いた盗賊は、1人だけ手足を折られたが生きていて後は全滅した。


 メンバーと商人らしい人とその子供は無傷だったが、


 馬車の護衛が6人いたが、皆かなりの傷で1人は重傷で、他もとても動ける状態ではなかった。


 ちなみに、隠れていた奴もサリがキッチリ殺していた。


 サリ「隠れてる奴も、もういないにゃー」


 ガド「セリ、コウ、マリ、怪我人を診てくれ、ワシは馬車の持ち主と話して来る、サリ、ソドは、周りの警戒と生き残りの見張りを頼む」


 全員「了解」と言い別れる。


 セリが重傷の男を見るとこちらを見て、念話で(私では助けられません、コウ様なら助けられますがどう致しますか?)

 と聞いて来た。


(俺以外だど助けられないの)、と聞くと、頷き(内臓が出てしまうと戻せません)との事、


 マリは念話を聞き、他の護衛に邪魔になるからと少し離れた所に居させた、(俺が内臓を元に戻すから傷口を塞いで)、頷き2人で治療する。


 何とか助かったと伝え、他の護衛は魔力切れで暫くは治療は無理だと伝えたが、凄い感謝された、いいパーティーのようだ。


 取り敢えず護衛の人はマリに任せ、ガドの方に行った、馬車の持ち主は、ミストリアの商人で国からの依頼で、ソーマに武器の買い付けをしてその帰りだとのこと、商人をつれ盗賊の所に行く。


 俺はみんなに念話で(多分、こいつらはミストリアの兵士じゃないかな、カマかけてみるから、あとは適当に合わせて)、するとみんなから了解の念話。


 コウ「ガドさん、こいつミストリアの兵士ですよ、あっ、あっちの奴は、俺に絡んで来た奴だ」


 サリ「茂みで死んでる奴は、ウチの尻触ろうとした奴にゃ」


 盗賊が焦り出す、更に、ソドが離れた盗賊の死体から、装備を剥がすついでに、何かの板を取り出して見せて「此奴ら砦の兵士です」と断言し、ソドから念話で(ミストリアの砦の兵士で間違いないです)と入った、


 おれが「面倒だから殺しましょう」と言うと、


 報奨金が目当てで生かされると思っていた盗賊は「俺はミストリアの貴族だ、だから殺すな」と言い出した。


 ガドは、笑顔で「なら殺せないな」と言うと、洗いざらい吐かせ、気絶させた。チョロイな。



 吐かせた内容は、盗賊はミストリアに有るイサクさんの商会に、今回の武器の仕入れを依頼した、子爵の兵士だった。


 商人から仕入れた物を奪い、更に賠償金を取るようにとの国王からの命令だそうだ。


 拠点が有るが、場所は、1人しか知らないらしい、おそらく隠れていた奴だな、


 失敗した、次は生かして捕まえて、色々と吐かせてから、処分しよう。


 しかし、ミストリアの王家や貴族は、クズだな、完全に潰した方がいいかな。



 コウ(ガド、イサクさんにこれからどうするか聞いて、俺達は、ミガード砦に行くことに変更無しで)


 ガド「イサク殿、この後はどうなさる、ワシらはミガード砦に向かうが、今回の盗賊の装備はワシらが貰うとして、護衛の治療費は誰がどう払う?」


 イサク「治療費は私がミガードの商人ギルドでお金を下ろし支払います、


 護衛費もお支払いしますので、護衛をして頂けませんか?、


 ケガ人は馬車に乗せて運びますが、護衛無しは流石に危険ですから、どうでしょうか」


 ガド「分かった護衛を引き受けよう、盗賊貴族はギルドに突き出すのか」


 イサク「この件は、商人全体へ影響する話しです、黙っている訳には行きません」


 ガド「ソーマの商人ギルドまでは護衛させていただこう」


 イサク「ケガ人も馬車に乗せますし、証人も縛って転がしてあります。


 盗賊の装備も馬車で運びますので、速度はかなり遅くなりますが、砦には明日の夕方ぐらいに着く予定です。


 夜の護衛は貴方達だけに任せる事になりますがよろしいでしょうか」


 ガド(コウ、どうする船に戻れんが大丈夫か?)


 コウ(聖域のマギとの、リンクは繋がったままだから何かあれば連絡が有る、セリが魂だけ船に戻りチェックだけして貰えば問題無い)


 ガド「問題無い、ケガ人は休ませてくれ、無理をすれば死ぬかもしれんぞ」


 イサク「感謝します、護衛を宜しくお願いいたします」


(何か俺、怖がられてる感じが有るのは気のせいか?)


 セリ(あの流れる様に盗賊が弾け死んで行くのが、信じられず、でも死体で現実だと分かり、怖れが出てるようです、


 交流していけば優しいのが分かって貰えます、分からなくても、私は分かっていますから)


 (セリ、ありがとう)



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